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紅白2024~能登ソングの行方~

前回の白組に引き続き、今回は紅組です。


aiko(15回目)期待度:★★★

5年ぶり出場。そんなに出てなかったんですね。今年はコナンの映画の主題歌「相思相愛」がヒットしたから、ということみたいです。去年のコナンの映画の主題歌を担当したスピッツが、去年の紅白に出なかったので、NHKにとってもコナン関係者にとっても2年越しの悲願ですね。と言いながら他の曲だったりして(この人も引き出し多いからなぁ…)。しかしコナンって映画になるとビーイングを裏切るし、その割に人選のセンスが古いのは何なんでしょうね。

あいみょん(6回目)期待度:★★★

朝ドラブーストがあった去年と違い、今年はアルバムを出したとはいえ、地味目な活動でしたが、安定の当選です。全世代に受け入れられる人だと思うので、こういう人がいるとNHKも安心して任せられますね。「とにかく最近の子の音楽は分からん!」という年齢層の方には、あいみょんの曲を聞いておけば何とかなります。問題は今年何を歌うかです。今まで歌っていない彼女の代表曲の中では、個人的には「愛を伝えたいだとか」を推したいです。

ILLIT(初登場)期待度:★★★

よくある紅白批判のテンプレに「訳の分からないK-POPを出すな!」というのがありますが、彼女たちは許してあげて。今年のK-POP界のビッグニュースの1つが、彼女たちの登場です。韓国でも忙しいだろうに、よく日本の紅白を選んでくれたという感じです。K-POPといっても5人中2人は日本人なので、可能だったのかもしれません。まぁ彼女たちがうまく行き過ぎたから、NewJeansがあんなことになったとも言えなくもない。それだけ業界に与えたインパクトは大きかったです。

石川さゆり(47回目)期待度:★★(「天城越え」なら★追加)

41年連続47回目出場。特に最近は石川さんの「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」のどちらかを聴かないと年を越せないという日本人も多いと思われます。今年は順番でいえば「天城越え」の年なのですが、彼女にはそのものずばり「能登半島」という曲があるそうで、もしかしたら今年は「能登半島」を歌うのではないかという説も有力です。そうすると十数年ぶりに法則が崩れることになるのですが、果たしてどうなることやら。

イルカ(2回目)期待度:★★

イルカが紅白に出るそうです。海からどうやって運んでくるんでしょうか。ってそっちのイルカじゃなくて、ちゃんと歌手のイルカさんです。しかしなんでまた。「紅白にイルカさんを呼ぼう!」という発想にどうやって至ったのか、こればかりは全くNHKの心が読めません。まぁ歌うのは十中八九「なごり雪」だと思いますが。というか他の曲知らないし。せっかく紅白に出るので、aikoさんとの親子共演(違)が楽しみです。

HY(3回目)期待度:★★(「366日」なら★追加)

紅白3回目にして初の紅組からの出場。男女ツインボーカルだとその時々の人数合わせであっちに行ったりこっちに行ったりが大変ですね。そして、今回紅組に来たということは、満を持して「366日」をやる日が来たということです。十数年前の曲ですが、今年これをモチーフにしたドラマが放送されたり、来年早々には映画化もされるそうで、まさに今やらなくていつやるという感じです。コンテンツとしては強いので、紅組の強力な武器になりそうです。

坂本冬美(36回目)期待度:★(「夜桜お七」なら★追加)

22年連続36回目。そのうち9回が「夜桜お七」。ちなみに去年もそうでした。ただ坂本さんにも「能登はいらんかいね」という曲があるので、そこがどうなるか。石川さんと坂本さんが両方とも能登の曲を歌うのはさすがにくどくないかという気がしないでもないです。そうなると、坂本さんに今年「能登はいらんかいね」を歌ってもらって、石川さんにはいつもどおり「天城越え」を歌ってもらうというのもありかもしれません。

櫻坂46(4回目)期待度:★★/乃木坂46(10回目)期待度:★★

坂道シリーズは今年も乃木坂と櫻坂の2組が出場。なぜか2年連続で日向坂は出られません。2019年から4年連続で出ていたのに、何か紅白関係者の気に障ることをしたのでしょうか。どうしても坂道から2枠しか出せないというのであれば、そろそろ櫻坂と日向坂の2枠というのもありだと思うのですが、どうなんですがそのへん。というか、NHK担当者がちゃんと乃木坂と櫻坂と日向坂を分類していたというのはさすがです。普通混同します。

椎名林檎(9回目)期待度:★★★

林檎さんは東京事変でも出ているので、最近毎年のように出ている気がします。林檎さんといえば今年アルバム「放生会」を発売。そこで7組の女性アーティストと共演したので、そこの曲を歌うのかと思いきや、紅白出場歴のあるPerfume(のっち)も、新しい学校のリーダーズも、AIさんも今年の紅白に不出場。ましてやイッキュウさんやDAOKOさんやチャラン・ポ・ランタンがこのためだけに来るとも思えず、さすがに宇多田ヒカルも無理だろうとなると、ソロ曲かなぁ…もしかして、今「カーネーション」を再放送している関係で「カーネーション」をやったりして。

Superfly(8回目)期待度:★★★

実力は文句なし。ただ今年の活躍となるとどうか。この人もあいみょんと同じく紅白に便利に使われてそうな気がします。白組にはこういう便利使いできるのが星野源と純烈ぐらいかなぁという感じです。去年は満を持して「タマシイレボリューション」でしたが、2年連続で来るとも考えづらく、「愛をこめて花束を」ももう2回やってるし、どの曲で来るか難しいところです。彼女はこういう定番曲だけでなく、引き出しの多い人なので、そのレパートリーを発揮してほしいと思います。

高橋真梨子(6回目)期待度:★★

7年ぶりの出演。以前テレビで拝見したときに、あまりにやせ細っていて大丈夫かと思っていましたが、とりあえず生存確認できてよかったです。この人もレジェンドなので、末永く続けてほしいです。御年75歳で紅組最年長だそうです。75歳にしてどんなステージが見られるか楽しみな半面、75歳にもなる人にこんな仕事を依頼するなよという気がしないでもありません。ツアー中らしいのでその辺は問題ないのかもしれませんが。

tuki.(初登場)期待度:★★★

75歳の次は15歳です。今年の紅組の唯一の明るい話題、tuki.さんの登場ですが、今まで歌番組で歌ったことがないし、顔出しをしていない人なので、どうやって出るのか注目です。でも今までGReeeeN(現GRe4N BOYS)とかAdoとか、顔出しをしていない人の出演を実現してきた紅白なので、何か秘策はあるのかもしれません。歌うのは十中八九「晩餐歌」でしょう。他にも曲は出しているのですが、どうも成績につながりません。頑張っているとは思うんですけどね。彼女が顔出しをしないのは、彼女がまだ現役の高校生であることとも関係あるのかもしれませんが、せっかくの紅白の舞台だし、往年の岡本真夜みたいに、このタイミングで顔出し解禁したりして。

天童よしみ(29回目)期待度:★

28年連続29回目の出演。紅組はこういう人が多いですね。まぁ天童さんといえば、個人的には「なめたらあっかん~」のCMソングの人なので、別に何が来てもいいのですが、カバー曲が多いのも特徴の一つです。そんな天童さん、昨年・一昨年と続けて作詞:松尾潔、作曲:本間昭光という(彼女にしては)かなり若い作家陣の曲を出していましたが、今年は一転して「昭和かたぎ」だそうです。もう昭和から平成になって35年も経つんですけどね。「これだから演歌は…」って言われるんですよ。

TWICE(5回目)期待度:★★

去年はなぜかグループ内ユニットのMISAMOで出演。そして今年はTWICEとして出演。今年はTWICEとしての活動は、アルバムが出たぐらいで大したことはなかったのですが、MISAMOは最近安室奈美恵の名曲「NEW LOOK」をカバーしてそこそこの成績を残しています。どちらかというと今年がMISAMOじゃないのという気がしないでもないのです。ところで、先日MISAMOが京セラドームでコンサートをしていて、ガールズコレクションでもないのにMISAMOでも京セラドームを埋められるんだとちょっと驚きました。

ME:I(初登場)期待度:★★★

「最近の紅白はK-POPが多すぎる!」という憂国者の皆さん、ご安心ください。ME:Iは、K-POPとはいえ全員日本人です。同じく全員日本人のXGというグループもいて、どちらかと言うとXGの方が人気があります。(おそらく彼女たちには断られたのでしょう。)それだけ、アイドル志望の女の子が、日本の芸能界に見切りをつけて海を渡っているという現実を、もうちょっと憂慮した方がいいです。しかし皆さん良かったですねぇ。特に笠原桃奈なんかはハロプロのあの世代で初めて紅白のステージに立つわけだし。アンジュルムを辞めてよかったのかもしれません。後は私の推しのTSUZUMIちゃんが復帰してくれれば文句なしです。

MISIA(9回目)期待度:★★★

こんなに出てくれる人とは思っていませんでした。最近大トリが続いていますが、特に彼女を超える人がいない印象なので、今年も行くのでしょうか。歌う曲は「アイノカタチ」以外だったら何でもいいです。去年メドレーで歌ったのを含めるともう4回も歌っているので、さすがに他の曲でいってほしいです。「逢いたくていま」とか、まだ歌ったことががないので、そのあたりで期待したいですが、社会問題にも関心の高い彼女のことですし、能登の件、ウクライナの件、ガザの件などまだまだ未解決の問題が多いなか、それを踏まえて何か企画をするかもしれません。

水森かおり(22回目)期待度:★

小林幸子2世(装置の面で)な水森さん、22年連続22回目の出場ということで、他の出場校は何をしているんだという感じですが(違)、水森さんといえば、「ご当地ソングの女王」ともいわれているわけで、全国各地の風物を歌にすることでも知られています。そこで、能登が舞台の歌があるか探してみたところ、「輪島朝市」という歌があり、過去に紅白でも歌ったことがあるそうです。やはり能登という場所柄は演歌の題材にしやすいのでしょうか。しかし石川さゆりさん、坂本冬美さん、水森さんの3人が全員能登の歌を歌ったら、さすがに能登の人にも「クドい」「押しつけがましい」と言われるのではないでしょうか。かといって誰かが歌わないとそれはそれでもめそうだし…

緑黄色社会(3回目)期待度:★★★

3年連続3回目。目指せ水森かおりという感じです。(でもバンドなので、そこまで続くようにもみえないけど)今年はNコン(NHK主催の合唱コンクール)で出場校が歌う曲(しかもタイトルが「僕らはいきものだから」。ついに「いきものがかりに俺はなる!」という宣言か)を作ったらしいので、順当です。作ってなくても出てもおかしくない人です。個人的には、今の朝ドラ「おむすび」のテーマ曲は彼らが担当すると思っていました。栄養士を目指すヒロインに名前的にぴったりだし、朝ドラの雰囲気にも合うと思うので。しかしまさかのB’z。彼らもいずれ担当するとは思うのですが。

LE SSERAFIM(3回目)期待度:★★

最近YouTubeのショート動画のBGMで彼女たちの楽曲「Crazy」を使われているのを見ることが多いです。成績もそれなりです。紅白にK-POPが多いといいますが、特に紅組の出場グループは全グループに日本人メンバーがいます。ME:Iなんか全員日本人です。まぁ曲はなんでもいいんですけど。彼女たちといえば、ダンスがすごいのは分かるのですが、歌がダンスのBGMの域を超えていないというか、本当に歌ってるの?という感じがするところですね。あとこれはK-POP全体に言えるのですが、歌詞の半分以上が英語なところ。まぁ日本にもたまにいますけど、それともまた違う感じです。

主な不出場歌手

YOASOBI

YOASOBIは今年行われたパリ五輪のNHKのテーマ曲を担当したにもかかわらず不出場。一説にはayase君の見た目がいかつくなりすぎて、紅白の場にふさわしくないから落ちたなんていう説もありますが、年末まで海外公演があって、スケジュール的に厳しいというのが現状のようです。しかし、オリンピックイヤーはメダリストとかを呼んで、その年行われた大会の振り返りをするのが定番でしたが、YOASOBIがいないのにどうやってパリ五輪の振り返りをやるんですかね。「栄光の架橋」を歌ってくれるゆずもいないし。

Perfume

「バーチャル小林幸子」として一定の地位を築き、16年連続出場していた記録も、今回の不出場で途絶えることとなりました。当日彼女たちはカウントダウンライブをやるそうなので、もしかしたらそろそろ紅白は卒業なのかもしれません(まだ30代の若さですが)。あのアミューズに激甘な紅白がそういう決断をするのだから、よっぽどのことです。まぁ今年出なかったとしても来年出ればいいし。

Ado

ご存じのとおり、彼女を出演させようとすると特別な配慮が必要になるのですが、今年は以前やっていたような「うっせぇわ」とか「唱」ほどのヒット曲がないので、そこまでする必要がないという(双方の)判断なのでしょう。そのリソースを今年はtuki.につぎ込むという感じでしょうか。一応今年アルバム出したんですけどね。ほとんど話題になっていない感じで。せっかく初音ミクともコラボしたのにすべっているし。

新しい学校のリーダーズ

去年初登場した彼女たちですが、もともとあの「オトナブルー」はその3年前に出た曲がたまたまバズっただけの話だし、その後の彼女たちの動きを見てみても、日本のリスナーにウケようといういう気があまりないような気がします。それにあのフォーマットはどちらかというと海外向けに売っていった方が向いているフォーマットだし。コーチェラに普通に出られるというのはそれだけで一つの武器です。日本にこだわる必要はありません。

西野カナ

せっかく今年復活したんだから呼べばよかったのに。と思うのですが、復帰してからほとんど音楽番組に出てないんですよね。ライブはしたけど。肝心の新曲もいまいちパッとしなかったので仕方ないのかなと。復帰前は天才プロデューサーぶりを発揮していたのですが、復帰してから、なんかその頃の勢いがないんですよね。実力はある人だと思うのですが。

FRUITS ZIPPER/超ときめき宣伝部

ネット上で最も落胆が大きかったのが、この2組が出なかったことです。辞退するようには思えないし、特別枠で出すほどの人ではないので、最初から出す気がなかったのでしょう。イルカさんに枠をあげるぐらいだったら、このどちらかに枠をあげてもよかったのかもしれませんが。ちなみに個人的にはあまり判別がついていないので、これからがんばります。

ハロプロ系

ハロプロ系が紅白に出られなくなってもう何年経つのでしょう。黄金期の曲を歌う前提(という残念なお知らせ)でモーニング娘。が出るというのも無きにしもあらずなのですが、まぁ普通に年明けの初詣(自分たちは詣でられる方)の準備で忙しいから、オファーがあっても断っていると考えることにしましょう。「○○ダンス」とか名前を付けてtiktokあたりで流行ると出られるようになるかもしれませんが、そんな安易な振り付けしないよね。サブスクを解禁していないからネットでバズらせることもできないし。

竹内まりや

今年は10年ぶりのアルバムを発売し、珍しくテレビに出まくって(ただし歌っていない)、来年70歳になるとは思えない姿を見せた竹内さんですが、もしかしたら特別枠で出るかもしれません。来年は久しぶりのツアーもあるし。ただもし出るとなると、おそらくご主人もついてくるだろうし、ステージに求める基準も高そうだし、そこを紅白のスタッフがどこまで呑むかにかかっています。

中森明菜

ここ数年毎年のように出る出る詐欺をしている中森さん。活動再開はしているらしいのですが、どうも全盛期のような出力ではないようで、それぐらいだったらかつての記憶の中にとどめておいた方がいいような気がします。色々大変でしょうから、こんな特殊な条件の仕事を無理にやらなくてもいいのではないかと思います。

総評

 イルカさんの出場だけは永遠の謎です。この謎を解明するために取材班はアマゾンの奥地へと潜入してほしいです。アマゾンにイルカはいないけど。でもそれ以外は意外と手堅い陣容という印象を受けます。白組のところでも書きましたが、ビルボードの成績だけを見ると、白組が目をつぶっていても勝てます。それでは面白くないので、なんとか両者が戦える状態にもっていったという感じです。
 司会が2回連続の有吉というのもなんだかなぁ。あの人「白い雲のように」以来音楽に関わってないじゃん。なぜ「うたコン」の司会を長く務めている谷原章介氏が司会にならないのか。朝の帯番組をやっているから年末ぐらいは休みたいということなのか。本業が俳優なんだから朝の帯番組の司会なんか受けるなよというのが正直なところですが。
 最後に、「紅白に出るような人が全然分からないのでつまらない」といういつものネット民の意見について。そういう人は知ろうとしていないだけです。まぁ私も演歌歌手とか、「ダンスボーカルグループ」については区別できないので人のことは言えないのですが。
 ちなみに私は、紅白はリアルタイムでは見ません。例年通り、Eテレのクラシックで年越しです。民放なんか絶対見ません。紅白は3が日の間に、見たい人の部分だけ見ます。
 












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