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ご自愛にも4つの段階がある?〜ご自愛研究所の月一レポート 9月〜

こんにちは!ご自愛研究室note編集部です。

ご自愛研究室では、日々の活動の中での研究過程をnoteで発信していきます。「ご自愛ってなんだろう?」「日常でどう生かせるんだろう?」とみなさんが考えていくきっかけを作れたらうれしいです。

「自分を甘やかすこと」はご自愛なの?

みなさんが「ご自愛」という言葉をつかう時といったら、メールやお手紙の挨拶で「ご自愛くださいませ」と使う時くらいではないでしょうか。
「ご自愛」を少し言い換えると「自分を愛する」ということ。愛は他人だけではなく、自分にも向けるものとなっていきます。コーチングやマインドフルネスの広まりに伴って、自分にベクトルを向けることが重要視されてきているからこそ、私たちは「ご自愛」という言葉がとても時代にフィットしているのでははないかと思っています。

一方で「ご自愛」という言葉から、「自分を甘やかす」という意味合いを感じて、違和感を覚える方もいるかもしれません。温泉にはいる、バランスのとれた食事を摂る、あるいは心が無理をしないように「やりたくないこと」をやらないようにする、といったことばかりがフォーカスされると、「そんなことは単なる甘やかし。そんなことをする前にやることがある」と感じちゃうことはありませんか?

けれど、「自分にとってのご自愛」に向き合うことから、色々なご自愛を考えることができるのではないでしょうか。そんな皆さんそれぞれのご自愛の形に触れていく中で、「ご自愛にもいくつかの段階があるのでは?」という仮説にたどり着きました。

今回のご自愛レポートでは、ご自愛研究室が考えるご自愛の4つの段階についてお話していきます。みなさんが今考えているご自愛はどこに当たるでしょうか。
みなさんのご自愛の捉え方が深まっていくきっかけになればうれしいです。

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・第一段階:「わたし」のご自愛 を見つめる

ご自愛の第一段階は「わたし」のご自愛を考えること。一度他者の視点を切り離して、自分自身が何を感じていて、どうしたいのか、を見つめて、自分自身のニーズを満たしていきます。例えば、身体をいたわる、無理をしない、自分が本当にしたいと思っていることをする、といったことが「わたし」のご自愛アクションとしてあげられます。他者からの視点を気にしすぎて自分の願いをないがしろにしてしまわないように、まずは自分だけを見つめてみること、それが「わたし」のご自愛です。

・第二段階:「あなた」のご自愛 を受け入れる

第二段階は、他者である「あなた」のご自愛を受け入れていきます。ここでは、違いの許容がポイントになります。他者には他者の願い・やり方があって、それを否定せずに許容している状態。

第二段階のご自愛ができていないと、例えば、「あなたの生き方はダメね」というように、相手を否定してしまうことにつながります。相手のご自愛を応援できないと、巡り巡って、相手から「わたし」のご自愛を応援してもらうことも難しくなるはず。「わたし」のご自愛を実現していくためにも、「あなた」のご自愛を受け入れることが大切になります。

・第三段階:「わたし」と「あなた」のご自愛 の重なりを見つける

「わたし」のご自愛をして、「あなた」との違いを許容したら、第三段階は「わたし」と「あなた」のご自愛です。

第二段階では「違いがある」というところで止まっていましたが、「わたし」と「あなた」のご自愛では、「わたし」のご自愛と「あなた」のご自愛に重なりが生まれていきます。全てが重なるわけじゃないけど、「わたし」と「あなた」のご自愛を同時に実現する領域を探ること。どちらかのご自愛を実現するために、どちらかが消耗したり我慢するのではなく、2人同時に満たされていく感覚。一緒に幸せになるためにしたいことや、大切にしたいことを共有し合うことで、第三段階のご自愛が実現できると捉えています。チームでも、家族間でも、お互いにとってwin-winな状態を作っていくイメージです。

・第四段階:「わたしたち」のご自愛 を作っていく

第三段階までは、「わたし」と「あなた」は、「I」と「YOU」という個別の主語として存在していしたが、第四段階では、その違いの境界が解けてなくなり、「わたしたち(WE)」という主語を育むことになります。

ここで大事になるのが、「わたし(I)」という主語と、「わたしたち(WE)」という主語をふたつ同時に持ちながら、場面場面によって使い分ける感覚を身に着けること。「わたしたち(WE)」に「わたし(I)」が飲み込まれてしまうと、ご自愛が成立しない感覚があります。「わたし(I)」のご自愛を実現している個人の集合体として、「わたしたち(WE)」という主語が成立すると、ご自愛の総和がとても大きくなりそうです。

個人である「わたし(I)」と「あなた(YOU)」のご自愛を基盤に、新たに「わたしたち(WE)」という主語でご自愛をともに育んでいくことが、第四段階での大切なポイントです。

いきなり「あなた」のご自愛を考えていませんか?

たくさんの方々とコーチングをしたり、ご自愛について対話をする中で感じるのは、「わたし」のご自愛をすっ飛ばして、いきなり第二段階の「あなた」のご自愛にばかり注力してしまうことがあるのではないか?ということ。というのも、他者や社会から期待や評価が強くあるからこそ、「自分がどうしたい」ではなく「他者の期待にどう応えるか?」に重きを置いてしまう。だから、第一段階の「わたし」のご自愛に重きをおいてしまうと、「利己的」「甘え」と捉えられてしまうことがあるのかと思います。

他者からの評価に強く応えようとしすぎてモヤついてしまう時は、一度立ち止まって「わたし」のご自愛だけを考えてみることが良いのではと思っています。「他者からの視点を気にする必要がないとしたら、どんなことをしたいか?」という問いを自分に投げて浮かぶ部分に、「わたし」のご自愛のヒントがあるかもしれません。

みなさんはどの段階にいますか?

みなさんのご自愛はどの段階でしょうか?あるいは飛ばしてしまった段階はありませんか?

今取り組んでいるご自愛はどれか。あまり取り組めていないご自愛は何か。
4つの段階の視点から、みなさん自身のご自愛をみていくことで、より今の自分が必要としていることが見えてくるのではないでしょうか。

自分にとっての「ご自愛」を考えるところから、ご自愛の実践は始まります。考える材料として使ってみてくださいね。

わたしたちと一緒に「ご自愛」について考えてみませんか?

わたしたちは、「ご自愛カフェ」というイベントを開催し、対話を通じて、参加するみなさんと「ご自愛」を探求しています。
次回のご自愛カフェは10/9(木)19:30〜21:30。ゲストには、秋田市にある法華寺で副住職を務める齋藤宣裕(さいとう・せんゆう)さんをお迎えします。
仏教の視点を学びながら、ご自愛について一緒に考えてみませんか?

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