黒髪ロングのヴァージンヘア

私の髪は黒色で、腰より少し上くらいのロング。

生れてから18年間、一度も染めたりパーマをかけたりしていない、いわゆるヴァージンヘアだ。

先日、友人から「JKなら黒髪ロングは許されるけど、大学生でそれは……」なんて言われた。

まあ、確かに田舎っぽいかもしれないけどね。

私は毎晩丹念に髪を洗い、しっかり乾かし、オイルを塗ってケアをしている。

高級なものは使えないが、十分労わっているつもりだ。

それだけ、髪にかける思いがあるのだ。

今日はこの髪について書こうと思う。


私は私立中高一貫の女子校で6年間を過ごした。

校則は特別厳しくはないが、髪染めやバイトは禁止だった。

別に染めたかった訳ではないが、重くて野暮ったい印象を与える黒髪は、あまり好きではなかった。

おまけに私の髪は猫っ毛な上に直毛で、コテで巻いてもすぐにとれてしまう。

明るい色の、ゆるふわな髪になりたかった。


そんな中学生の時のこと。

私は初めて海外に行った。(この経緯については後日じっくり書こうと思う)

行き先はカナダ。

雄大な自然が美しく、多人種で構成された街の居心地は最高だった。

ある日、現地で出会った高校生の女の子に、こう言われた。

「あなたの髪、すごく綺麗!」

驚いた。嬉しかった。

なぜなら、彼女の髪は美しいブロンドの巻き髪で、瞳は青く澄んでいて、肌は雪のように白かったから。

例えるなら、彼女はラプンツェルのようだった。

ディズニープリンセスで最高峰の美しい髪を持つ、ラプンツェル。

グリム童話は置いておいて、ディズニーはなぜ、ラプンツェルの髪をアジア系のように直毛で重たい真っ黒な髪にしなかったのだろうか?

あるいは、アフリカ系のように細かく縮れたカーリーヘアでもないのはなぜだろうか?

これは一種の構造主義の社会から生まれた、つまらない幻想かもしれないが、

恐らく大多数の女の子は、ラプンツェルの、あの豊かでグラマラスで光に当てるとまるで黄金のように輝く髪に、自分もそうなりたいという願望を重ねて惹かれるに違いないと、

制作側が考えたからではないかと思う。

もちろん、どんなヘアスタイルのラプンツェルだって素敵だろうけど。

話が脱線してしまったが、とにかく彼女はまさに、私が夢見ていたお姫様のような、誰もが一度は憧れる容姿をしていた。

そんな彼女が、私の髪を褒めた。

なんて嬉しいんだろう。私の髪、綺麗って思って良いんだ。

彼女の一言は、私の自分の髪への向き合い方を変えてくれた。


そして、中三からずっとロングヘアで今に至る。

もちろん定期的に美容院でカットやトリートメントはしているが、長さはあまり変えていない。

同じ高校を卒業された大学生の先輩方は、揃いも揃って、明るい色のふわふわな短めの髪をしている。

進学先が決まった友人達も、次々に初染めする美容院を選んでは、卒業式の次の日で予約をとろうとしている。

インスタで紹介されている流行りの髪色やヘアスタイルだって同じ。

黒髪ロングの女の子は、清楚な二次元キャラ好き男子を狙いたい子か、個性派で奇抜なものを好む子だと書いてある記事も目にした。

でも、私はしばらくはこのヘアスタイルでいたいと思う。

たとえあか抜けない印象を与えるとしても。

丁寧にケアしたこの髪は、あの日私がカナダで出会った女の子やラプンツェルのように、美しく見えると思うから。


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