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発達障害の私が使っているツールについて

私は、高校を卒業した頃に発達障害と診断されました。大学を卒業して、今は会社で3年半ほど働いています。少しずつ自分の頭や身体を操縦できるようになってきましたが、今でも困っている事があります。たとえば、以下のようなことです。

  • ものごとを覚えておくことが苦手

  • 習慣付けされるべき作業を習慣化できない

  • 注意力が散漫で集中力が続かない

  • 反対に、過度に長時間集中して疲れてしまう

  • タスクの優先付けができない

  • 衝動的にタスクを実行してしまう

  • 周囲の物音が大きく聞こえて気が散る

私は信用できない自分に対して、ツールを利用して仕事の管理をもう少し上手にできないか?と思い、試行錯誤しました。今よりもっとふにゃふにゃしていた学生や新卒の頃に知りたかったなあと思うことを記事にしました。

健常なひとも、同じような困り事のある当事者のかたも、また、そのようなお子さんがいらっしゃるかたも、なにかアイデアが見つかれば幸いです。

忘れっぽさと付き合う

タスク管理アプリを使う

TickTickはTickTickチームが提供するタスク管理アプリです。最初は無料プランで使用していたのですが、非常に使いやすかったのでプレミアム会員になりました。(年会費は日本円で5,000円くらいだったはず)
ToDoの管理だけではなく、ポモドーロタイマーやマトリクスを使用したタスク管理などを行うことができます。私はWebアプリ版とモバイル版を使用しています。

いつもありがとうございます

ToDoに入れよう!今すぐに!

なにかやらなくてはいけないことを思い出した際、私はそれらを覚えておくことが非常に困難です。そこで、何かを思いついたら(創造的なよいアイデアも含みます!)、私はすぐに行っている作業を止めてTickTickのToDoに入力するように決めています。
「資格試験の受験申し込み」「キッチンペーパーを買う」「うしちゃんのトイレ掃除」「新しいZINEのアイデア」…。ほんとうに思いつくこと全てを突っ込んでいます。ToDoには軽いメモを記入することも可能です。私はこのアプリを脳の外付けHDDだと思っています。思いついたことを入力さえしてしまえば、後から落ち着いて対応期日の設定や優先順位付けを行うことができます。

私はこの習慣をつけたことで、『思いついたのに忘れてしまった、ということを後で思い出す』ということが無くなりました。何か思いついたときには、すぐにToDoに入れてしまいましょう!

スクリーンショットを撮るためにきれいにしました

繰り返し表示・通知の設定をする

ToDoに入れたあとは、繰り返し表示と通知の設定を行います。
例えば、毎週・毎月やらなければいけないもの「燃えるゴミを出す日」「勤怠の入力」「月報の提出」、それから毎日やらなければいけないもの「うしちゃんのトイレ掃除」「朝の薬を飲む」「コンサータを飲む」… これらのタスクは繰り返し「今日」のToDoページに表示されるように繰り返し設定を行います。私は勤怠の入力や月報の提出などは期日の1日前に「今日」のページに出てくるように日付の設定を行いました。

また、通知を行うよう開始時刻を設定することもあります。例えば、「12:00 会議」や「18:00 内科へ行く」などです。TickTickでは、「定刻」「5分前」「30分前」「1時間前」「1日前」のリマインダーを設定することが可能です。私は会議は5分前に、病院は1時間前にリマインダーを設定しています。もちろん業務外のアプリケーションなので内容については詳しい情報は入れず、「会議」や「面談」とだけ設定しているのですが、この機能のおかげで、集中しすぎて周囲が見えなくなった結果遅れてしまうということが無くなりました。

Apple Watchに教えてもらう

前項でせっかく通知を設定しましたが、私は不注意がひどく通知自体を見逃すことが多々あります。なぜかというと、私のiPhoneには、SNSや個人アドレスのメールなど仕事中に必要ではない通知も多く来るためです。
そこで、手持ちのApple Watchではタスク管理アプリの通知しか来ないように通知設定を変更しました。本当はいろいろ教えてもらいたいところですが、手首が震えた時は絶対に重要なお知らせなので必ず通知を見るという習慣がつきました。

タスクに優先順位をつける

マトリクス機能を使用する

私はやるべきことに優先順位をつけて管理をするのが苦手で、放っておくとすぐに(もしかして膨大な量のやることがあるんじゃないか…?)と、漠然と不安な気持ちになってしまいます。
そこで、TickTickでは「緊急かつ重要」「重要だが緊急性がない」「重要ではないが緊急なもの」「重要でもなく、緊急でもない」の4つにタスクをドラッグ&ドロップしています。それぞれの枠に入ったものはチェックボックスに色がついて、「今日」のToDoページからも視覚化されます。今日は一旦とりあえず色がついているものをつぶせばよい、と考えることで落ち着いて対応することができています。

ToDoリストの並び替えをする

他のタスク管理アプリ同様、TickTickはタスクの並び替えが可能です。
衝動的にタスクを実行するのではなく、毎朝「今日」のToDoページのタスクを上から緊急・重要なものとなるように並び替えて、上のほうから潰すことにしています。
今までは紙に書いていた時期もあったのですが、並び替えは断然アプリケーションのほうがしやすく、便利でした。

集中・休憩をサポートする

ポモドーロタイマーを使用する

私は作業をする際には、TickTickでタイマーを設定しています。ポモドーロテクニックという時間管理術に従って、25分作業・5分休憩 のサイクルで設定をしています。集中できない場合は「25分間だけ作業をしてみよう」と向き合え、逆に過集中が起きることも防ぐことができています。
コツは、絶対に5分休憩を無視しないことです。どれだけ作業が良い感じでも、必ず一定間隔で休憩を挟むことで、集中しすぎることを防ぐことができます。

休憩時間をApple Watchで通知する

普段タイマーはiPhoneで設定し、Apple Watch側に通知が来るようにしています。集中するあまりiPhoneの休憩通知を見逃すことが多かったのですが、Apple Watchの通知は必ず見る、という習慣があるので休憩時間を見逃すことがなくなりました。
過集中は異様に集中ができて良いですが、私は終わった後にぐったりしたり気分が悪くなったりしてしまうので、できるだけ避けたいと思っています。

会社の音から身を守る

Macのホワイトノイズを流す

特に出社している場合、私は周囲の音がとても大きく聞こえます。そのため、音や気配から気を逸らすためにPCでホワイトノイズを流しています。TickTickのポモドーロタイマーを設定すると集中時にホワイトノイズを流すことができるのですが、この機能はモバイル版でしかまだ提供されていません。
Macであれば、システム設定>アクセシビリティ>オーディオ から、バックグラウンドサウンドを設定することができます。私は「海」というサウンドがお気に入りです。有線のノイズキャンセリング機能のないイヤホンをPCに接続して、周囲の音が半分、バックグラウンドサウンドが半分耳に入るようにしています。試した中で、この方法がいちばん音が気になりませんでした。
私は「Macを使用していない時はバックグラウンドサウンドをオフにする」をオンにしています。ミーティングなど100%音を聞きたい時には、いちいちシステム設定を開かなくても、一度PCを閉じることでバックグラウンドサウンドをオフにすることができるからです。

耳栓を使用する

特に何も音を聞きたくない時は、ノイズキャンセリングイヤホンか耳栓をしています。最近はLoopの耳栓を使っています。一目見て絶対に私は失くしてしまうな、と思ったので「Loop Link」という紛失防止のコードを買い足しました。紐の先端にはマグネットがついているので、手軽に首にかけておくことができます。

かわいいね

使わない時は「Loop Link」の付属ケースの中に、くるくるまとめて収納しています。

簡単にしまえてありがたいです

おわりに

自分が学生や新卒の頃に知りたかったなあということを書きました。なにか生活に関するアイデアが見つかれば幸いです。

おそらく発達障害が由来して、私はずっと人間に化けているような感覚があります。他の化けている仲間たちにもどうかすこやかな日々がありますように、と願っています。


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