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Tiny bubbles
5.ロックン・ロールの自殺者
<Rock’n roll suicide
by David Bowie (1972)
Time takes a cigarette, puts it in your mouth
You pull on your finger, then another finger, then cigarette
The wall-to-wall is calling, it lingers, then you forget
Ohhh, you're a rock 'n' roll suicide
You're too old to lose it, too young to choose it
And the clock waits so patiently on your song
You walk past a cafe, but you don't eat when you've lived too long
Oh, no, no, no, you're a rock 'n' roll suicide
Chev brakes are snarling as you stumble across the road
But the day breaks instead, so you hurry home
Don't let the sun blast your shadow
Don't let the milk float ride your mind
They're so natural, religiously unkind
Oh no, love, you're not alone
You're watching yourself, but you're too unfair
You got your head all tangled up, but if I could only make you care
Oh no, love, you're not alone
No matter what or who you've been
No matter when or where you've seen
All the knives seem to lacerate your brain
I've had my share, I'll help you with the pain
You're not alone
Just turn on with me, and you're not alone
Let's turn on and be not alone
Gimme your hands, 'cause you're wonderful
Gimme your hands, 'cause you're wonderful
Oh, gimme your hands
(大意)時が君にタバコを手に取らせる
口でくわえ、何度か灰を落とし、又次のタバコを
君はロックの自殺者だ
失うには年を取りすぎ選ぶには若すぎる
壁の時計は君の歌を辛抱強く待っている
君はロックの自殺者だ
君は一人じゃない
君は自分のことを見てるけどその見方は余りにも偏ってる
君は混乱しているから、僕さえ君を気にかけてあげられたら
僕の持っていたもので君を手助けしよう
君は一人じゃ無い
僕と一緒に始めよう、君は一人じゃ無い
さあ始めよう一人じゃないんだから
手を貸してくれ、君は素晴らしいんだから
手を貸してくれ、君は素晴らしいんだから
君の手を>
昔々、と言ってもそんなに大昔では無い、今から50年ほど前、はるか西の国の倫敦という町に“星屑ジギー“という美青年がいました。“星屑ジギー“は、当時の男性としては珍しく派手な化粧をしたり、カラフルで体にピッチピッチのジャンプスーツを着たりして、“火星出身の蜘蛛たち“というバンドを従えて音楽を演奏しました。“星屑ジギー“の歌と“火星出身の蜘蛛たち“の演奏とは本当にカッコよくて、誰もこれまでに聴いた事の無いような音楽でした。「僕は宇宙から地球のみんなを助けに来たんだ。」、“星屑ジギー“は歌詞の中やインタビューでよくそんな事を大真面目に話していました。もちろん大人たちでそんな事を信じる人はいませんでしたが、若者たち、特に女性たちは、“星屑ジギー“が余りにも美しく、中性的で、彼が汗をかいたり、排便をしたり、セックスをする所などとても想像できなかったので、「もしかしたら、本当に宇宙から来て、私たちをこのつまらない日常から解放してくれるのかもしれない。」と思い“星屑ジギーと火星出身の蜘蛛たち“のコンサートに出かけ、熱狂し、泣き叫び、そしてよく失神してしまいました。彼らの音楽は倫敦だけではなく米国の紐育や黄金の国ジパングの若者たちをも熱狂させ、多くの若者たちの人生に影響を与えたんだそうです。
“星屑ジギー“はその後、「僕はやっぱり人間でした。」と人間宣言をして多くの若者をガッカリさせましたが、それからも普通のカッコいい男性として音楽活動を続け、かつての自分のような偶像崇拝を否定し「君たち一人一人がヒーローなんだ。」などと言って若者たちを励まし続け69歳で亡くなってしまいました。
本当にありがとう、ボウイ。