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かばんとちんちん。

 悩んでいることがあって、それは鞄なんだけど、少し前に、根本の皮が切れてしまった。

 よく見れば反対側の根本もそう。で、なんか、どうしようかなって。修理しようかなって。でもね、安物なのね、そのかばん。

 で、修理の値段見たら、平均4000円から5000円する。もうね、安物なのだから、捨てて、買い替えればいいと思うじゃない。
 でも、ここで、鞄を壊れたからと言って捨ててしまうような人にはなりたくないとも思っている。

 合成皮の、単純なつくりの鞄。
 でもちょうど猫氏の器というか、人間としての規模にちょうどいい鞄でもある。前の恋人、前の前の恋人がいる時代から使っていて、一度修理に出したこともある鞄。

 どうしたらいいか悩んでいる。
 億万長者にはなった。だけど、浪費したらすぐ亡くなる長者でもある。
 合理的に考えたら絶対に、5000円でより多機能な鞄を買う方がいい。
 ただそこで、修理を惜しむような人間であっていいのか。
 しかしここで、浪費して5000円使ってしまう男であっていいのか。

 悩んでいる。
 これ、すごく小さいけど、自分の今後を決めるような決断な気がする。
 
 不合理だけど情を優先し、過去に浸ってて浪費するか。
 合理と押し通し倹約し未来を見、過去と決別して生きていくか。

 決められない。
 だから鞄は壊れたままだ。出かけるとき何も入れられない生活が続いている。
 たかが5000円とみるか。されど5000円とみるか。
 
 ちなみに猫氏の1日の稼ぎは2700円だ。これを20日やって生計を立てている。足りない分は、「お金をください」と恩人に頭を下げて生きている生活をしていた。たまたま先日大金が手に入って頭が狂っている。

 これ、本当に好きで気が狂わされている女の子に決めてもらおうかなあとぼんやり思っている。鞄。修理に出すか、捨てるか。過去か、未来か。死んで生きるか、このまま生きずに生きるか。

 運命の女に決めてもらいたい。自分ではとても決められない。どうすればいいか。ちんちん。ちんちんには決められないことがある。

 ちんちんはまんこに入る
 それ以外に期待されてたことはあったか

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【ちんちん短歌出版世界】藤田描
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