【重要】空手道とカラテ
もくじ
はじめに
当方は空手道やフルコンタクトカラテの経験者ではなく、一日体験入門を2度ほどしたり、若い頃に空手道を取り入れたエアロビ「ボディコンバット」をスポーツクラブでたしなんだり、一時期K-1にハマっていただけです。
当方の知人や推し(メンバー6名中4名が経験者)に空手道やフルコンタクトカラテの経験者が多いため、今回のニュースは他人事ではないと感じたので、記事にさせていただいた次第であります。
未経験者による記事のため、間違いや不快な点がありましたら、何卒御容赦願います。
まずはこちらのニュースを。
ニュース記事
流派
毎年秋から冬にかけて、全国では武道やアマチュア格闘技の大会が頻繁に開催される。
特に、空手道や、空手道の要素を取り入れた直接打撃制格闘技の「フルコンタクトカラテ」は、全国の大中小様々な流派で大会が開催され、普段の練習の成果をいかんなく発揮できる貴重な機会となっている。
記事には、フルコンタクトカラテの大会だと記されていたので、当方は真っ先に以下の大手団体のいずれが主催する大会を思い浮かべた。
【フルコンタクトカラテ】
新極真会
国際空手道連盟極真会館(松井章奎館長)
正道会館
大道塾
しかし、X(Twitter)で拡散されている問題の場面の動画(モザイク入り)を見たら、これらの団体ではなく、無名の団体が主催する大会だと判明。
無名の団体による大会だと判断した根拠は
・選手の頭部への防具未着用(大会参加者募集要項には、頭部の防具着用は「任意」と記されていた)。
空手道やフルコンタクトカラテ問わず、基本的に少年や女子や中高年の組手練習や組手試合では、頭部の防具の着用が義務付けられている。
・審判技術の甘さ(相手の背後からの攻撃を未然に食い止めることができるはず)
・審判団がブレザーや制服を着用していない
(後述の組手試合の動画にあるように、空手道やフルコンタクトカラテの大手団体による試合や大会では、どんな小さな大会であっても審判団にはブレザーや制服の着用が義務付けられている)
問題の動画を見たが、待ての合図の有無関係なく選手の背後に攻撃を加えるのは、スポーツマンシップ以前の問題。
いくら子供であっても、これは攻撃した選手の指導者マターではなく、選手本人の性格やメンタル面ならびに保護者のしつけマター。
普通は、いけ!の合図をきこうと、相手の背後への攻撃など容易にできやしない。
また、実戦を想定した組手稽古時間の不足が、加害側被害側の両方に露見されている。
大手フルコンタクトカラテや空手道では、特に小さい子供は大会の組手試合に容易にエントリーさせない。指導者が総合的に判断したうえでエントリーさせている。
大会に出場するからには、実戦を想定した組手稽古を重ねさせるべきだった。
今はただ、被害を受けた子の回復を願うばかり。
きっかけ
騒動のきっかけは、この大会と無関係の第三者が問題のシーンの動画をSNSに掲載して問題提起したことだった。動画は第三者が大会の会場内にて撮影したものなのか、SNSや動画サイトに掲載されているものの無断転載なのかは明らかにされていない。
普通は、大会のルールについて思うことがある場合はSNSにいきなり掲載などせず、ブログで事細かに主張するなり、大会の主催者側に動画やブログのURL添付で意見を送るはず。それどころか、第三者は、問題のカードでのその後についての未確認情報や誤解を招く投稿をも投稿していたらしい。
第三者はその後、一連の投稿のすべてを削除された。
それに、空手道やフルコンタクトカラテ問わず、武道の大会のエントリー時には免責事項(試合中の怪我や死亡の場合は、主催者側は一切責任を取らない)への同意が義務付けられていて、加害選手と被害選手と彼らの保護者と指導者はあらかじめ同意したうえでエントリーした。
よって、第三者は大会関係者や被害選手と彼らの保護者などからの依頼を受けて代理で投稿したわけではなく、あくまでいち個人の主観として主張したに過ぎなかった。
おそらくは、第三者が何の意図もなくほんの軽い気持ちで個人としての見解を投稿したつもりが、陰謀論者的なネットユーザーや、炎上インフルエンサーや拡散屋的な悪意あるネットユーザーに何かの拍子で投稿が第一発見されてしまい、そこからあれよあれよと一気に拡散されてしまった可能性もある。
せめて、良識あるネットユーザーが第一発見者だったならば、SNS上に拡散などされず、大会の主催者に大会ルールの改善要求メールしただけで終わったはず。
悪質な行為
今回の騒動を受けて、いわゆる陰謀論者寄りの一部ネットユーザー達が、Xや動画サイトで以下の悪質な行為をしでかしている。
・大会を主催したフルコンタクトカラテ団体に対する悪質な誹謗中傷やデマの投稿。
・同業者による、最初に問題提起した第三者に対する過度の誹謗中傷(多分にジェラシーもあるかと思われる)
・加害選手の指導者の実名とデマの掲載、指導者のSNS画像の無断転載ならびに、指導者の外見に対する悪質な誹謗中傷。
・道着の下に長袖インナーを着用するのは寒暖対策やウォームアップの為なのに、デマを交えた誤解を招く誹謗中傷の投稿。
・加害選手の実名が割り出され、学校に行けなくなったとの噂
これらに対しては、加害選手と指導者の所属団体側が刑事告訴を検討中。
加害選手とその指導者の所属先とされる団体の公式サイト
大分県空手道連盟(上記の団体とは一切無関係)
・大会と無関係な、全日本空手道連盟や日本空手協会や宮崎県空手道連盟に対する苦情や苦情リプの送信。
これらについては、各団体が次の通り声明を出している。
全日本空手道連盟
日本空手協会
全日本空手道連盟会長による、全空連傘下連盟への通達文(熊本市空手道協議会公式サイトより)
宮崎県空手道連盟
また、フルコンタクトカラテ団体からは、国際空手道連盟極真会館(松井章奎館長)および正道会館が今回の件を受けての声明を発表している。
国際空手道連盟極真会館(松井章奎館長)
正道会館石井和義館長の公式X(Twitter)より
※ほかにも、大学の空手道部や他の武術に関わる方達による、安全性などについて見直す方向にある旨の投稿が散見される。
なかには、「無関係の団体だよ」と他のネットユーザーに指摘されてもなお、「隠蔽だ」などとSNS上で誹謗中傷し続けているネットユーザーもいた。
彼らネットユーザーは、苦情や苦情リプを送る前に各団体の公式サイトできちんと確認しなかったのか、はたまた確認の仕方がわからないのか、いずれにしても想像力がなさ過ぎる。このようなネットユーザー達こそが、闇バイトや芸能人偽広告詐欺や振り込め詐欺や陰謀論や悪質商法にひっかかりやすい。専門機関に相談するなどして早急に改善すべき。
悪いのは
当日の動画のSNSへの掲載の有無は別にして、反則行為が発生したのは紛れも無い事実。
具体的に誰が悪いのかは、次の通り。
・少年部の組手試合での頭部の防具着用が「任意」となっていたなど、大会参加ルールにおいて安全面のルールをきちんと定めなかった大会主催者。
・おそらくは、実戦(ケンカや試合)を想定しての組手稽古不足のまま試合にエントリーさせた、加害側被害側双方の指導者ならびに保護者
・問題のカードの審判の甘さ。
・大会の主催者側に安全管理義務を徹底させなかった、大会の会場と会場を管轄する都道府県
・悪意を持って問題のカードの動画をネットに掲載した、動画撮影者
・最初に問題提起した第三者が、確証の取れない情報や結果的に事実と異なっていた情報をSNSに不用意に掲載した点
・最初に問題提起した第三者を必要以上に英雄視する陰謀論者的な野次馬ネットユーザーや、第三者を過度に嫉妬混じりに誹謗中傷した同業者
・大会主催者や加害側所属団体を誹謗中傷したネットユーザー
・明らかに無関係の「空手道」団体に間違いクレームを送りつけたネットユーザー
・「フルコンタクト空手」や「フルコンタクトカラテ」、「直接打撃制の空手」などと補足しなかったり、大会主催団体を管轄する団体などを明確に記さなかった、一部のネットニュース記事やテレビでの報道。
今回の影響
今回の影響により、SNS上にはフルコンタクトカラテそのものの安全性を問う意見や、無関係の「空手道」に対する誤った認識が多数掲載されている。
一部ネットニュース記事やテレビの報道による説明不足により、空手道の大会で発生した事件だと誤解されたり、武道や格闘技のファンや経験者でない外野による「しょせん空手は空手。危険で野蛮で怖い」的な空手道とフルコンタクトカラテを一緒くたにした誹謗中傷がSNS上に散見されました。
特に小さい男の子をお持ちの親御さん、
これから「空手」を始められたい方達には、次の予備知識をきちんと頭に入れていただきたいです。
「空手」は
おもに
「空手道」
「フルコンタクトカラテ」
の二つに大きく分類されます。
空手道とフルコンタクトカラテの違い
まずはじめに
型とは
仮想敵を想定した攻撃。
いわば、シャドーボクシングのようなもの
1名〜3名で演武される
(参考動画)型
組手とは
実際の対戦。
大相撲の取組のようなもの。
空手道は寸止め(相手の身体の目の前で攻撃を止める)
フルコンタクトカラテは直接攻撃(相手の身体に直接攻撃を当てる)
通常、大会の子供の部や女性の部や中高年の部の組手試合では、空手道、フルコンタクトカラテともに頭部などに防具をつけて展開されている。
空手道
【おもな団体】
・全日本空手道連盟傘下の流派(松濤館流、日本空手協会、剛柔流、和道流、糸東流、他)
・沖縄系の琉球空手
【特徴】
・漫画「なつきクライシス」に詳しく描かれている
・2021年の東京オリンピックで採用された
・公共性が高い
・運動生理学や心理学などを熟知している指導者が多い
・歴史ある流派が多い
・筋肉や関節への負担が少ない
・学校や大学や企業にクラブが多い
・安全性が高い
・老若男女向け
・型稽古に力を入れている
・投げ技や武具を用いる流派もあり
・組手試合は寸止め
(参考動画)空手道の組手(スピード重視)
※寸止めルールであってもかなり激しいので、ラフプレー時に審判団さんとドクターさんは、攻撃を受けた選手のもとにすぐに駆けつけています。
・道場数が少ない
・おもに、テレビ局や新聞社主宰のカルチャーセンターや大手スポーツクラブの子供クラス、体育館やスポーツセンターなどの公共施設で稽古が展開されている
フルコンタクトカラテ
【おもな団体】
・新極真会
・国際空手道連盟極真会館(松井章奎館長)
・正道会館
・大道塾
【特徴】
・劇画「空手バカ一代」で有名
・団体数が多い
・個人経営など、歴史の短い流派も多い
・芸能界や格闘技団体とのパイプが太い(実際、芸能人を広告塔にしている団体もあり、アクションスターやプロ格闘家を多数輩出している)
・男性向け
・筋肉や関節などへの負担がかかる
・学校や大学や企業のクラブが少ない
・組手稽古に力を入れている
・投げ技や組み技を用いる流派もあり
・組手試合はフルコンタクト
(参考動画)フルコンタクトカラテの組手(パワー重視)
・駅前や繁華街の一角に道場が多い
・おもに、雑居ビルやゴールドジムなどのボディビルや格闘技に特化したスポーツクラブ、民間の貸しスペースなどで稽古が展開されている。
入門
このように、ひとえに空手道やフルコンタクトカラテといっても、スタイルがそれぞれ異なる。流派によって、型の内容や順番が微妙に違うケースもあり。
特に、ゲームや映画やアニメの影響で、小さい男の子の大半は空手道よりもフルコンタクトカラテのほうに魅力を感じやすいと思われる。
しかし、単純に「電信柱に門下生募集広告が貼られていたから」「駅や家から近いから」「友達が通っているから」との理由だけで、フルコンタクトカラテをいきなり習わせるのは、あまりおすすめできない。
どうしても小さいうちから入門させたいのなら、あらかじめ、柔道や剣道や空手道やテコンドーや少林寺拳法などの武道、器械体操や水泳やダンスや球技などのスポーツである程度の基礎体力を蓄えてからが適切。また、スクールやクラブなどに入会させず、保護者監督のもとでの、なわとびやキャッチボールでもOK。
特にフルコンタクトカラテは、持久力と攻撃力と股関節の柔軟性を最重要視している。
空手道、フルコンタクトカラテともに、一番良いのは、身体や精神がある程度発達した18歳になってからの入門。
実際、空手道もフルコンタクトカラテも、18歳過ぎてからの入門者が圧倒的に多い。近年は定年退職後に入門して、80代で黒帯取得される方も多い。
しかし、空手道は小さい子供からでも安心して始められやすく、世界に通用する正しい型を学べることができ、安全性が高いのが魅力。
道場の見つけかた
空手道、フルコンタクトカラテともに、次のポイントに注意して道場を探すことが適切
ポイント
・道場へのアクセス手段(家や学校から近いか、など)
・道場のある街並みの風紀(歓楽街や◯事務所のある街は要注意!)
・道場が入居するビルやカルチャーセンターやスポーツクラブの雰囲気と安全面(会員の客層、ビルの耐震性や他のテナントの顔ぶれなど)
・道場入居フロア(災害発生時を予測し、古い雑居ビルの地下や上層階に入居している道場は考えもの)
・AED設置の有無(ここ、重要)
・道場内外の環境(道場内の清掃は行き届いているか、人数に対して適切な広さか、床の安全面、入口にゴミや酒瓶やタバコの吸い殻やラーメンの器など散乱していないか)
・指導者と練習生や保護者の品格や価値観(特に幼児や小学生の髪型や身だしなみ、指導者の私服や保護者の服装)
・自分自身や子供と同年代や同性の道場生の有無と数(ここ、大切!)
・練習メニューや道場の雰囲気が自分自身や子供の体力や性格に見合っているか
・技術面だけでなく、礼儀作法や他者への思いやりなど道徳面の指導を行なっているか
・道場が地域の社会貢献活動(町内会との連携など)を行なっているか
・道場近隣の店舗にそれとなく評判を尋ねてみることもおすすめ
・各道場や流派や団体の公式サイトや見学だけでなく、実際に一日体験入門してみることが大切。
・小さい子供の場合は、あくまで子供本人の意向を最優先させて入門させるかどうか判断すること。
ちなみに、車椅子でなかった頃の筆者は、空手道とフルコンタクトカラテそれぞれに一日体験したことがあるが、意外にも?空手道のほうが稽古がハードだった。
もしも
・空手道に入門させたいが、近くにはフルコンタクトカラテの道場しかない
・空手道、フルコンタクトカラテの道場が多過ぎて、どこが良いのか絞りきれない。
・子供にフルコンタクトカラテを習わせているが、空手道に転向させたい。
・子供(女性、中高年、型)の指導にチカラを入れているのは、どこの支部か
そのような場合は、まずはお住まいの地域の都道府県の空手道連盟や体育協会、体育館やスポーツセンター、沖縄県人会、入門を検討している流派・団体の総本部にメールや電話で相談してみることが適切。
お子様や自身の体力に応じた適切な指導者や道場にきっと出会えるはず。または、子供や自身の学校の先生に尋ねてみるのも安心。
改善
今回の件を契機に、空手道、フルコンタクトカラテともに改善すべき点が見つかった。
コロナ禍後と少子高齢化や趣味の多様化により競技人口が減っているのはわかるが、いずれも日本発の世界的な競技だけに、抜本的な改革をお願いしたい。
【空手道】
・道場数の増加と、駅前や繁華街などの交通利便な場所への道場や教室の開設
・フルコンタクトカラテ劇画の「空手バカ一代」(芦原英幸編)でも描かれたように、マンツーマンの訪問空手道制度を創設。ちなみに、「天才バカボン」のコミックス第一巻にも、イヤミ似のノリの良い訪問空手道師範が登場した。
オンライン稽古では正しい技が身につきにくいので、有段者の指導者やボランティアの学生空手道家が個人宅や学校や企業を訪問して、基本稽古と型を指導する制度があっても良いのでは。
・一般への幅広いPR(空手道経験者のアイドルや俳優をアンバサダーにし、フルコンタクトカラテとの明確的な違いを広く伝える)
・公立の義務教育の学校への空手道の普及。
自由組手や約束組手は教えず、空手道の歴史などの座学と基本稽古と移動稽古と型のみの指導で。
・基本稽古や型の技を交えた簡単な健康体操を作る。老若男女、椅子や車椅子に座った状態でもできるような体操に。
【フルコンタクトカラテ】
・稽古や大会での安全面の強化
・審判方法の明確化(型、組手問わず)
・入門時に簡単な体力チェック(身長と体重の測定、過去の武道・スポーツ歴、柔軟性・筋力・持久力のチェック)や面談(入門の動機と目標、過去の怪我や持病の有無、配慮して欲しい点などの確認)の実施
・指導者や道場生や選手、保護者へのコンプライアンスの徹底
・女性の審判や支部長、道場責任者を増やす(フルコンタクトカラテの場合、女性の審判や支部長、道場責任者が極めて少ない)
・公共のスポーツ関連施設や空手道の道場など他競技の練習場やチームなど無い地域や、他の武道やスポーツを経由させずにフルコンタクトカラテから習わせたい子供のための、プレバレエ(バレエ入門したての幼児から中学生までのクラス)のように、プレカラテのクラスを設置。
ゲームを交えた簡単な体力造り主体で、カラテの稽古は各子供の上達や成長に応じて段階的に始めさせる。
また、女性や高齢者や体力に不安のある方向けの健康コース(基本稽古と移動稽古と型のみ)も設置。
【カルチャーセンター、スポーツクラブ】
カルチャーセンターやスポーツクラブには、空手道のクラスとフルコンタクトカラテのクラスの両方が設けられているケースもあります。
しかし、センターやクラブ公式サイトや紙パンフレットの講座案内には、空手道なのかフルコンタクトカラテなのかきちんと明記されていないケースがあります。
クラスを間違えて入会しないためにも、講座内容を詳細に記す(型主体、組手主体)などの工夫をお願いしたいです。
また、講師や受講生への稽古中の安全面の徹底をお願いしたいです。
【公共の体育施設、民間の貸しスペース】
今回反則事件が発生した大会は、いわゆる公共の体育施設で開催されました。
体育施設側は単純に利用規約のもとに、主催者に会場を貸し出ししただけにしか過ぎません。
しかし、稽古や大会で貸し出しする際には、空手道・フルコンタクトカラテ問わず、団体および利用者(道場生、大会の出場選手)側への安全面の徹底の遵守と、団体代表者や大会主催者へのAED講習の義務付け、自然災害発生時の避難経路の周知をお願いしたいです。
また、これらのルールを遵守できない団体には貸し出しをしないことが無難です。
おまけ「メディアと空手」
ここでちょっと息抜き。
メディアで空手道やフルコンタクトカラテが取り上げられた数少ないケースを。
芸能人
・安室奈美恵さんが東京に上京したての頃の雑誌「オリコン・ウィークリー」での1ページインタビューにて。当時スーパー・モンキーズという、琉球空手の型の動きを振り付けに取り入れたアイドルグループに所属していた。
インタビューで「稽古で瓦は割るのか?」と聞かれ、「割ったりとかではなく、女子は型稽古が主体ですよ」と回答。安室さんの発言により「日本のすべての空手≒極真カラテ、瓦割り」との先入観が消えた。
・長嶋一茂氏は幼少期に「空手バカ一代」に憧れてご両親(!)と共に極真カラテの道場を見学したが入門を猛反対された。
国際空手道連盟極真会館(松井章奎館長)への入門を果たせたのはプロ野球現役引退後で、その後黒帯を取得された。このように、元スポーツ選手が健康の為に空手道やフルコンタクトカラテを習い始めるケースも意外と多い。
・宝塚歌劇団星組の極美慎(きわみしん)さんは新極真会の経験者。芸名は本来は「極 真」にするつもりだったが劇団内の芸名審査にひっかかり、現在の芸名に。
アニメ
2024年10月に放送された「サザエさん」に、花沢不動産物件に入居した空手道場の客寄せ目的で、サザエさんとフネさんが短期間だけ空手道場に入門したエピソードが。
波平とマスオは(おそらくは)フルコンタクトカラテを予想して怪我の心配をしたり、庭で鬼のような形相で瓦割りするフネさんの姿を想像するなど強い難色を示していたが、型稽古と基本稽古のみだと知らされ安堵。
サザエさんはストレッチの影響で、稽古初日に脚が高く上がるようになったと豪語。残念ながら、アニメでは空手の稽古風景シーンは割愛されていた。おそらくは空手道の道場か、フルコンタクトカラテの組手なしクラス(健康コースや女子コースなど)だったと推測。当方のサザエさん歴◯十年にして、フネさんの運動神経の良さを初めて認識した回(フネさんのスポーツといえば、火曜版サザエさんのオープニングやエンディングで、ジャージ着て軽い体操やフィールドアスレチックに興じる姿しか知らなかった)。波平とマスオもフネたちに対抗して合気道の一日体験に参加したが、クタクタになって帰宅した模様。
ちなみにコミックス版には、サザエさんが昭和30〜40年代に柔道や護身術を稽古するシーンが複数回描かれている。
こと昭和30年代は女性の武道への進出が少なかっただけに、今思えばかなり貴重な描写。
サザエさんはコミックスでY字バランスを何度か披露したり、180度以上の前後開脚ジャンプで水たまりを飛び越えるなど、昔から身体能力が高い。マスオと二人でテレビの海外アクロバットの物真似して怪我したり、自宅にバーと鏡を設置して美容体操を始めたが、すぐにバーが洋服掛けと化したり、背筋運動で鍛えた技で木に引っかかったカツオの帽子を拾おうとするエピソードも。「やせる美容体操教室」にも、何度か通っていた。サザエさん、スリムなのに…。
ちなみにカツオも柔道か空手かはわかりにくかったが、道場での鏡開きで道着姿で外国人の道場生に汁粉か雑煮を振る舞った描写が昭和40年代のコミックスにあった。
まとめ
記事をここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
小さい頃の習い事は将来の貴重の財産になるだけに、お子様それぞれに適した習い事が見つかり、かけがえのない人生を歩めることを願うばかりです。
特に、空手道やフルコンタクトカラテといった武道や格闘技は、指導者の質や道場の雰囲気、そして、安全面対策が重要です。
ひとりでも多くのみなさんが、良き師や良き仲間、良き道場に出会え、安全かつ快適に稽古できることを願ってやみません。