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コンプライアンス

【注意】
本文中に一部過激な描写を含みますので、苦手な方はご退場願います。

まずはこちらの記事を。

ライブハウスで油をまいて火つける 危険行為受けガールズバンド出演取りやめ「普通に放火事件」

2024年8月26日 10時36分
声優、コスプレイヤーなどとしても活動する羽生ゆかがボーカルを務めるガールズバンド、LYLの公式X(旧ツイッター)アカウントが26日までに更新され、都内ライブハウスに出演した際の出来事について報告した。

公式Xは【お詫びとお知らせ】と題した文書をアップ。25日に出演した東京・三軒茶屋にあるライブハウス「HEAVEN'S DOOR」でのライブイベントで「予告や警告なく、フロアに油を撒いて火をつけた演者さんがいらっしゃいました」とし、「この時、予告が無かったため、ドラム機材総額150万円相当がセミハードケースにてフロアに置かれたままで、大変危険な状況になっており、仕切るための防火のカバーなども用意がない状態で、引火のおそれも多大にある状況でした」と説明した。

この出来事を受け、今後は同ライブハウスで機材を持ち込んで演奏を行うことを見合わせるとし、31日に予定されているイベントについては、羽生がソロで出演することになったと報告。「ご予定されておりました皆様、大変申し訳ございません。何卒ご理解をお願い申し上げます」と呼びかけた。

この投稿は26日午前10時現在までに閲覧数が700万件を超え、一般ユーザーからは「普通に放火事件じゃん・・・」「火を吹くだけでも怒られるやろうに。。床に油撒いてて普通に放火」「安全第一…観客含めてご無事でなによりです。東京消防庁がめちゃくちゃ怒りそうな気がします…」などといった声が寄せられた。

反響を受け、公式Xは「何が言いたいのか分からないというご意見もありましたが、まずは私共もあまりにも想定外の事がおきたため、事態を飲み込めずに拙い文章で取り急ぎのスケジュール変更と理由のみで発表してしまい申し訳ありません」と謝罪しつつ、先に公開した文書についての補足として、「このような演者さんがいることへの下調べ不足により、決まっていたイベントを出演取りやめにする決断したことのお詫び 

・人命や建物に関しては当然言うまでもないことであるため割愛しての報告となった 

・事態が深刻である旨や警察等への届出は箱の判断となるため、私共は今決まっているものは機材なしに切り替えて今後の出演は見合わせることのみの報告を取り急ぎ行った」と説明した。

日刊スポーツ

以前アメブロのアメ限記事

にライブハウスのオーナーのあり方や健全なライブハウス運営について記したが、今度は対バン相手(共演者)による度を超えた演出。

「いったい、どこのZ世代?いまどき過激な演出する若い衆なんて聞いたことないが…」と思って検索したら、筆者が名前を聞いたことあるバンドなので複雑な気分。年齢的に違う意味での「“Z”世代」。御年配のバンドだった。

このバンドのリーダーは若い頃、今をときめく人気お笑いコンビと全く同じ名前(表記も同じ)のバンドをやっていて、TVアニメの主題歌に抜擢されたほど。数年前、まだ全国的に無名だったお笑いコンビのほうのネットニュースを初めて見聞きした際、てっきりバンドのほうの再結成かと思った。ちなみに筆者は「少年忍者」なるキーワードで同様の勘違いした経験あり。

現在、リーダーはインディーズで活躍し、飲食店経営など多岐にわたる活動を展開中。芸能人にもフォロワーが多い。

13年前、筆者は諸事情あって、リーダーが参加するバンド(今回の騒動とは別のバンド)のアメリカ公演のライブ動画をたまたま視聴した。演奏前に長い蛍光灯で自らの頭をバチーンとぶっ叩き、ベースやギターのリズムに乗って割れた蛍光灯で腹部をぶっ刺し、流血状態でそのまま演奏していた。きっと、過激なパフォーマンスをするには何らかの理由や彼なりの哲学があると思われるが、対バン相手や対バン相手のファンにとっては微妙。
アメリカ公演時のバンドメンバーのひとりが自身の生前のブログで「心臓の悪い人は来ないで」と予告していたように、かなり過激な演出をするメンバーだった。

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その後、筆者はリーダーについてしばらく見聞きしなかったが、こんな形で久々に名前を見聞きするなんて、かなり複雑。
前述のように過激なパフォーマンスをするメンバーということは昔から承知しているが、まさかライブハウス内で日常的に放火までしているなんて知らなかった。せめて、消防署許可のもとで屋外で撮影した火気使用シーンをライブハウスのスクリーンに投影するなど、別の方法は思い浮かばなかったのか?
別の日のライブ動画での放火行為を見たが、パフォーマンスというより、犯罪そのもの。一歩間違ったら大惨事必至。下手すりゃライブハウスが入居するビルのみならず、近隣まで延焼しそう。果たして、(放火行為を催された)ライブハウス達は事前に周知していたり、管轄の消防署に申請を出したのだろうか。また、バンド側はライブハウス側に、演奏中に火気を使うことを事前に申し出たのだろうか。
仮に消防署に申請を出さなかった場合、ライブハウス側は消防法違反になり、場合によってはライブハウスが入居するビルオーナーや管理会社まで罪に問われる。バンド側がライブハウス側に火気の使用を事前に届け出なかった場合は、バンド側の施設利用規約違反になる。
いくら過激なパフォーマンスが売りでも、対バン相手のメンツや届け出云々以前に、神聖なるライブハウス内で放火行為を行なうのは言語道断。

ライブハウスには神様が宿っている

また、別の日のライブ中にリーダー自ら大怪我を作っておびただしい流血状態で救急搬送されるシーンを武勇伝のごとく、嬉々として動画チャンネルにあげている。どうしてもステージ上で過激なパフォーマンスをし続けたいのなら、コンプライアンスだけはきちんと遵守して、くれぐれも安全にやってもらいたい。
昔は外タレのライブでバラードの際、示し合せたかのようにお客が一斉にライターをペンライト代わりにしたり、かの西城秀樹氏が振り付けの一環で点火したライターを用いてはいた(テレビで視聴したちびっこが真似して大火事になったため、すぐに中止された)ものの、これらはおそらくは事前に消防などに届け出たと思われる。
ライブハウスの大半は古びた雑居ビルの地下にあり、狭い階段や小さなドアをかいくぐって入るもの。
それに、楽器や機材はデリケートなので、火気などが少しでもあるだけで、たちまちダメージを与えてしまう。

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音楽人にとって楽器や機材は我が子のようにかけがえのない存在で、アルバイトや仕事に汗を流しながら数年分のローンをかけて購入したユーザーが大半を占めると思われる。

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加えて、ピックや弦やシールドなどの消耗品も決して安いとはいえない。

おそらくは、加害バンドはキャリア的に全国のライブハウスと忖度していたり、放火行為が催されたライブハウスを管轄する役所や保健所、消防署や警察などによる行政指導が甘いと思われる。

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今回被害を受けたバンドは、加害バンドとは子や孫ぐらい離れていて、かつてのバンドブームや昭和〜90年代前半のライブハウス事情(ライブハウスのスタッフと出演者、ライブハウスやバンドのスタッフと客、出演者と客、出演者同士、客同士、客と通行人(主に10〜20代の男子)による喧嘩は日常茶飯事。過激な演出あたりまえ。セックス・薬物・泥酔あり。出演者は対バン相手や客を全員敵とみなしていた。大乱闘付きの打ち上げあり)を知らなかった世代だろう。
昔のライブハウスシーンは、令和の現在のように「みなさん仲良くやりましょう。ツーショット撮ってインスタにあげましょう。あとでLINE交換しましょうね。打ち上げはありません」などと生っちょろくなんかなかった。

しかし、世代云々ではなく、今回の責任の所在は全員にあり。

【被害バンドのファン側】
・おそらくは、ファンの親や祖父母世代には、加害バンドのことを存じ上げているひとが多いと思われる。
ならば、事件の発生したライブの対バン相手のメンツを見て、ファンの誰かしらが被害バンド側に注意喚起メールぐらい送っても支障ないと思う。

・事件の発生した対バン相手のメンツを見て、親や祖父母から参戦を反対されたり、自らの身の安全のために泣く泣く参戦を取り止めたり、出番終了後に会場を後にしたファンもいるはず。

【被害バンドとスタッフ側へ】
・事件の発生したライブに限らず、事前に対バン相手の音楽性やコンセプト、ステージ上での立ちふるまいと彼らのファン層を普段からリサーチする習慣をきちんと身に付けているか。

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今は動画チャンネルやSNSが普及しているので、容易に調べられるはず。
仮に筆者が被害バンドのスタッフならば、うまく理由を付けて出演キャンセルさせる。
今後は、事前に対バン相手のリサーチをしっかり行なうべき。

・それと、加害バンドは一応大先輩で大御所なのだから、被害バンドの公式ツイッターでの最初の書き方が全然なっていない。
ストレートに「今後、同会場での最大限のパフォーマンスをお届けできないと判断したので」や「演出の都合上」、「諸般の事情により」、「慎重に協議を重ねた結果」とだけ書けばよかった。
今後は対音楽関係者のみならず、目上の人間に対する敬意とライブハウス界のしきたりも身に付けてもらいたい。

日本のロック界は依然として年功序列の縦社会なので、若いバンドやスタッフがまかり間違っても先輩バンド側に「当日は過激な演出を差し控えてくださいよ」などとは口が裂けても言えない。仮にクチが滑って言ってしまったものなら、業界から村八分にされるのがオチ。
古い世代が昔の悪しきしきたりを廃して思考をアップデートするか、Z世代がライブハウス界のしきたりや上下関係を身につけるしか道はない。否、それでは前回の記事同様、日本ロック界()の絶滅につながってしまう。なんとかならないか?

【加害バンド側へ】
・主催云々に関係なく、毎回の対バンライブの際、対バン相手の音楽性やコンセプトやファン層をきちんとリサーチしているのだろうか。特に音楽性がかけ離れていたり、初顔合わせの対バン相手や子や孫ぐらい歳の離れた対バン相手を含む場合は、演出内容を臨機応変に変更することが大切。たとえば、対バン相手すべてのメンツが幼稚園児バンドでも、放火行為をするつもりなのか?
過去記事の、ステージの規模の都合上振り付けからアクロバット部分を割愛したアイドルグループについての記述参照。

・対バンライブで初顔合わせのメンツがいる場合は、開演前に「◯時◯分頃に危険なパフォーマンスをするから、機材は早めに撤去して」とバンドメンバー側が事前にひとこと話すべき。

・対バンライブで火気を必要以上に使用したい場合は消防署監督のもとに、無観客状態の会場や野外で前撮りした映像をステージ上のスクリーンや壁面に投影する方法を採用するのもよろしいかと。

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・いまはコンプライアンスの遵守が求められ、昭和や90年代のような過激な演出をすれば一発でアウトになる世の中なので、バンドメンバー自らの安全のためにも、コンプライアンスを遵守した上でパフォーマンスを繰り広げるべき。くれぐれも放火行為だけはやめて欲しい。
いくら、「ロックは自由」「ロックは怒り」であっても、くれぐれも「自由」と「ルール・コンプライアンス違反」を履き違えないで欲しい。

件のメンバーによる最新の投稿より。

くれぐれも、コンプライアンスだけは遵守を

【ライブハウス側へ】
・古くから出演してもらっている常連であっても、だめなものにはきちんとNO!と意思表示すべき。

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・ライブハウス側が対バンライブを組む際には、出演バンドのブッキングを慎重に考えるべき。

・ライブハウスは小三時間人命を預かる場所なので、管轄の役所や保健所、消防署や警察と緊密に連携を取りながら健全運営すべき。特に雑居ビルに入居するライブハウスは、ビル内テナントや周辺住民への配慮を忘れずに。
消防法などコンプライアンスを遵守した運営を常日頃から心がけて欲しい。

今回の件のみならず、日常生活のいかなるシーンにおいて
「お互いに声を掛け合うこと」
これが大切。

筆者は最近は昔ほど聴いてはいないが、ロックが好き。特にいにしえのジャパメタや、2010年代のヴィジュアル系。

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バンドマンからの激励のおかげで大学受験に合格できたり、ロック好きの同僚とロック談義で盛り上がったり、昔長期入院していた頃には推しバンドの配信ライブやオンラインインストに励まされた。ロック好きの医療スタッフ様達や患者様達とも熱い会話を交わせていただけた。
しかし、なんといっても、会場で生演奏聴けるのが一番の醍醐味。クーッ(川平慈英氏ふうで)!
車椅子ユーザーになってからはまだ会場に行けていないが、リハビリを重ねて長時間の外出が許された暁には、是非参戦したい。

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