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インシデント

あるsnsにおいて、インシデントが起きて、インシデントレポートを書いたら何時間か怒られた。と書いていた。

まず、インシデントとは、アクシデント(実際に事故になってしまった)が起こる前の段階のことを言います。
航空業界や、医療業界で頻繁に使われます。

例えば

コードに躓いてシリンジポンプの電源が抜けた。
床にアンプルを落として破片が飛び散った。
薬剤を持って滑ってコケた。
血液を浴びた。
などなど、些細なことも書くのがインシデントレポートです。

ハインリッヒの法則というのがあります。
一つの重大な事故には、29の軽い事故が隠れていて
300もの異常(ヒヤリハット)が隠れている。
というもの。
これは、実際にそうなります。
感覚的にもですが、インシデントが重なってくると、そろそろ危ないな…あ…やっぱりと。
計算してみるとだいたい1:29:300に収束します。

そこでインシデントを解析して、インシデントの段階で数を減らす施策を考え、実行すればアクシデントは減らせるのではないか?
というのがインシデントレポートを書く理由です。
何が、どこに、どんな危険が潜んでいるのかを洗い出し、とにかく色んな意見を出して安全に近付けるのです。

安全とは危険な状態が一切ないことを言うのですが、人間という不確定なモノが介在する限り、安全管理学上の安全はありません。
それだけ人間は不確定なのです。

本題に戻りましょう。
発言者の詳細はわからない。
発言者の不注意の連続で何度も同じミスを繰り返しているのかもしれない。
それなら感情的に怒られても仕方な…いことはない。
インシデントレポートを書いた本人を詰めても全体の安全には寄与しないし、インシデントレポートが書きにくくなり、隠れてしまっては無意味なのです。
軍隊みたいな医療業界ではありがちなんですが、インシデントレポートを書いた人が怒られる、でもその対策はチェックを増やすだけ、チェックのためのチェックのためのチェックみたいな馬鹿な構造が生まれる→対策が愚策なので同じことを繰り返す。
チェックのための…
みたいな。
時間の無駄ですよね(笑)
ただ適当にチェックする人が量産されていくだけ。
ハンコを捺す欄が増えるだけ。
なんの対策にもなっていない。

実際は、じゃどうしましょうか?と広く意見を聞き、複雑な構造をシンプルにデザインしなおす、整理する。というのが、よくとられます。

でも実際はみんな萎縮してしまうし、発言すると仕事増えるし、システムを変えるなんて面倒すぎてやりたがりません。
なのでチェックのチェックになります。
行き着く先は変なコンサルが入ったりします(笑)

我々の世代が上の役職につく頃にはAIが判断してくれるようになるでしょうし(指示間違い)、手順に関してもAIが理想の手順を考えてくれたりするでしょう。
しかし、実際に作業するのは一番の不確定要素である人間なので安全への追求は続けないといけませんね。
なんの話や(笑)

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