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父の後ろ姿
僕は ‘世界旅行’を決心し、その想いを両親に伝えた。両親は僕が世界旅行をすることを、あまり良く思っていなかった。
しかし “子供に勝つ親はいない”という言葉のように、両親は僕の旅を認めてくれた。明安はいくら反対しても結局行く子だから最初から気分良く送り出そうという理由からだった。
世界旅行に出発する直前、父が仕事のため韓国に来た。僕は父と何日間行動を共にし、最後の日に父をバスターミナルまで見送った。別れのあいさつをし、父はバスに向かい歩いていった。父の後ろ姿を見た瞬間、目から抑えきれない涙が溢れ出てきた。
なんで泣いたのか?
様々な感情が複合的に作用してたようだ。
父の後ろ姿を見ながら、初めて父が老いているという現実を意識することによる涙。
23歳にもなりながら、いまだに両親に心配ばかり懸けているという申し訳なさから来る涙。
こんな自分のことを信じ、毎日のように祈ってくれている両親に対する感謝の気持ちから来る涙。
その時からすでに6年という時間が過ぎた。
父の白髪は当時よりもはるかに多くなった。
いまだに両親に心配懸けまくりの現実は同じだ。
しかし、両親は今でもこんな自分のために毎日のように祈り応援してくれている。
表現するのが下手くそな両親に似たためか?
僕も自分の気持ちを表現するのが苦手だ。
気持ちを伝えれる時に伝えなかったら、後々後悔する日が必ず来るはずだ。だから、勇気を出して一言だけ...
“お父さん、お母さんの息子として生きることが出来て、 自分は最高の幸せ者です”