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87.面倒を上回る豊かさ(2023/12/15)
こちらに来てから知り合った友人がインフルエンザになった。めちゃくちゃつらそう。かわいそうに。
自分が先週体調を崩した時に大量に買っていたしょうがや果物、おかゆやお味噌汁をおすそ分けしておせっかいおばさんになった。
今日は大学の図書館に行ってレポートを書いた。書くというよりほとんどの時間は読んでいた。21~25ページ書かなければならない。アウトラインをしっかり作らないとそんなに書けない。まずは読んで知識を入れて構成を考えるしかない。地道。
ルームメイトがお昼ご飯を一緒に食べないかと誘ってくれて、ドイツ人コミュニティの中に入れてもらって食堂でお昼を食べた。みんなクリスマスは実家に帰ってしまう。なんとなくキャンパス内がいそいそと忙しないような浮足立っているような感じがするのは、みんな授業が終わる時期であることや試験期間であること、それからクリスマスが近づいていることが大きいのだろうなと思う。
ずっと年末の忙しなさがあまり好きではなかったのだけれど、今のところあまりネガティブな感情はない。今年が終わってしまう…という恐怖にも似た現実逃避したくなる感覚もない。淡々と穏やかに過ごしている。日本にいた時ほど日々に追われていないからかもしれない。あと、デンマークでは、クリスマスの商業的なイベント感が日本より薄いというのもあるかも。年中行事のひとつとして、ただクリスマスという特別な日を心穏やかに楽しむという意識が強い気がする。(パーティをするとなったらお酒を飲んで踊って激しいのかもしれないけれど。)大学や街や公園が徐々にクリスマスに向けて飾り付けられていく。思っていたよりも地味ながら、キラキラしているというだけで気分が明るくなってテンションが上がる。スーパーに行くといろいろな種類のアドベントカレンダーが売られていて、クリスマスに向けたわくわく感を高めようというアイディアであふれている。こういうイベントごとは、何をするにしても時間やお金がかかるわけで、正直面倒くさいという気持ちがないわけではない。日本にいた時は特に、なんでわざわざイルミネーションや飾り付けをするのあまりわからなかった。でも、こちらに来て人々がクリスマスの飾りつけをすることの意味が少しわかった気がする。こちらの人だってみんな、面倒くさいという気持ちがないわけではないと思う。キラキラがなくても別に生活に支障はない。それでもその面倒くささを上回る心の豊かさを得られるのだろうなという気がしている。
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