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私のThird Place 「すずめ珈琲」(練馬区・富士見台)

練馬区、富士見台の商店街。
その一角に珈琲の匂いが漂う小さな自家焙煎店がある。

「すずめ珈琲」

"ココロ踊るコーヒー時間"をコンセプトに、
若い夫婦が営むこだわり珈琲と焼き菓子のお店。

今日は、そんな素敵な珈琲店を紹介したいと思います。

古風で色むらが味をだす青色のタイル。

常連のお客様や遠くからお店目当てに訪れる人で
お客さんが絶えない地元の人気店となっているすずめ珈琲。

私も通い始めて半年が経ち、今ではすずめさんの珈琲、焼き菓子、店内の雰囲気、音楽、お店での新たな出会い、ご夫婦とのたわいもない会話。。
全てに虜になっています。

そんなすずめさんに普段は聞けない開業のきっかけをお聞きしました。

「都会に行かなくてもわくわくできる場所」

旦那様は不動産業、奥様は専業主婦として働きながらいつかお店を構えることを夢見ていたお二人。
コーヒーに元々興味があり、自分で焼いてつくるコーヒーの安さと美味しさに魅力を感じた旦那様と食への興味からかつては学校給食で調理の勉強をしていたこともある奥様。そんなお二人が縁あって富士見台に昨年オープンした自家焙煎店。今年の8月でオープン1周年を迎える出来立てほやほやのお店です。

イマドキのカフェは若者が集う渋谷や表参道ばかり。「都会に行かなくてもわくわくできる場所をつくりたい!」
そんな思いで始めたお店は連日お客様で大盛況。
その秘密は、店内に詰まっていました。

新しいものより年季の入ったもの

床屋として営業されていた場所を改装し、今ではとびきりお洒落な珈琲屋として再スタート。店内を見渡すとどれもこだわりの詰まった家具や食器ばかり。
このお店のこだわりをお聞きしたところ、
「新品がなく、全て年代物を再利用している」ことだそう。

昔は別の用途として使われていたものを、
こうして再利用して新たな息を吹き込んでいく。
年代物だからこそでる味。
どこか懐かしい、落ち着く雰囲気がでているのはあえて全てが洗練された最新のものではない歴史を感じるあたたかい物たちのおかげなのかも。

ゆっくりとした珈琲時間を届けてくれるレコードと音楽。
お店の主役、焙煎機。
閉店後にお店の前を通ると、時々豆の良い匂いがすることも。
こだわりの豆と年代物の珈琲豆ショーケース。

お二人の出会いは。。?

いつも笑顔で優しく出迎えてくださるお二人。
そんなお二人の出会いを教えていただきました。
(実はずっと知りたかった)

ご夫婦の出会いは、「ルームシェア」だそうです。

旦那様が同居人と別々の暮らしを始めることをきっかけに募集したルームメイト。
当時流行していたミクシィで募集をかけたところ、
多数の応募の中から選ばれたのが今の奥様だそうです。

奥様をルームメイトに選んだ理由をお聞きすると、
当時奥様は夜勤+日中も働いており、
「ルームシェアをするけど顔を合わす機会が少ない」
ことに魅力を感じたそう。
もう一つの理由は、出身が静岡県同士だったこと、
だそうです。

その出会いがきっかけとなって今ではご結婚され、
素敵なお店をオープンするなんて。
漫画みたいなお話で憧れを抱きました(笑)

前の職業とはがらりと変わる環境。

「安定より、やりたいことを優先する」

好きなことを仕事にできる歓びを身に染みて感じる。

そう、熱い思いを語ってくださいました。

お店が生み出す新たな出会い

店内は、4席のカウンター席。
すずめさんと対面でお話できる素敵な空間。

私が通い続ける理由の一つは、
お店から始まる素敵な出会いです。
すずめさんの1つの特徴として、
訪れる人同士も話し相手になれるところ。
初対面の私にも話しかけてくださる素敵なお客様ばかり。
すずめ珈琲さんで出会った方に悪い人は決していません。
上京して友達が少なかった私も、すずめさんの輪の中に入れたようで嬉しい気持ちでいっぱいです。

数分前まで他人だった人が、瞬く間に話し相手になる。

そんな感覚が実現する。
それは、ご夫婦の気さくさと訪れる方の優しさで成り立つものです。

どんな方にも目線を合わせて
その人にあったサービスを続ける姿は、
誰からも愛されるお店になっている一つの鍵だと思います。

心配事とこれから

地域の人に愛されているすずめ珈琲さん。
そんなすずめさんにも悩み事が。

それは、
「人の流れが少なく、呼ばないと人が来ないこと」
だそうです。

かつては人でにぎわっていた商店街も
いつしか人通りの少ない閑散した通りに。
‘’少し寂しさを感じる商店街をすずめ珈琲を起点に盛り上げていく’’
それがすずめさんの今の目標であり、お二人の願い。
コミュニティを広げるために拠点を広げ、これからはフリーマーケットやイベントも開催するとか。。。
まだまだ進化を続けるすずめさんに目が離せません。。!

お店の中で一際輝く絵画とランプ。
「ここからの角度がお気に入り」
旦那様が推すカウンター席から見える店内の様子。

【おまけ】

私がすずめさんに出会ったのは2022年3月。

グーグルマップでふと検索にヒットして
1人で立ち寄ったのが始まりでした。

初めて行くお店はいつも緊張しがち。
携帯を眺めることしか出来なかった私に、
そっと焼き菓子を差し出してくれたのが奥様でした。

「失敗しちゃったので、良かったら食べてください。」

そう笑顔で話しかけてくださった姿が、
今でも記憶に残っています。

「また来たい。」

そう思えるお店は、初めてでした。

記事内で紹介したお店でのお客様との出会い。
実は今回、このような記事を書くことになったのも
お店で出会った方とのお話から始まりました。
記者やライターさんのお仕事を夢見る私にnoteを勧めてくださり、夢の第一歩を応援してくださる素敵な方。

そんな一つ一つの出会いが、今の私を支えています。

今ではお店の扉をあけると笑顔で出迎えてくださるお二人に会いに、美味しい珈琲と焼き菓子を食べに、お店で出会う素敵なお客様とお話をしに、通い続けています。



「行ってらっしゃい。」

音楽祭に出かける前に立ち寄ったある日曜日。
お店をあとにしようとした私に、
そう声をかけてくださいました。

1人暮らしでもう当分聞いてなかった
「行ってらっしゃい」の言葉。

懐かしさと嬉しさに涙をこらえながら
「また、来ます。」と精一杯言ったあの日。

そんな温かいすずめ珈琲さんは
私にとっていつまでも憩いの場、Third Placeとして
なくてはならないかけがえのない場所です。


(撮影 tina)

「すずめ珈琲」

住所:東京都練馬区富士見台 2-18-14
営業時間:8:00〜18:00
定休日:日曜、月曜


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