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飛び立つ前がいちばんこわいんだよね
先日、2024年11月から始めた約3ヶ月間の旅を終えて、日本に帰ってきた。
これからまた、旅の中で見てきた色々なもののことを書いていけたらなと思う。
今回は、日本に帰る飛行機での景色について。
旅の終わりの感慨にふけりながら、いざ飛行機が出発というとき。
機体が滑走路をゴロゴロと進み出すにつれて、どこからか、ひどく荒い呼吸の音が。
すると、わたしのちょうど斜め前の座席のティーンエイジャーが、大すすり泣きに泣いている。
その子の母らしき人が、”She’s scared.(この子こわがってる。)”と、前の席からわざわざ言葉をくれた。
そのティーンエイジャーがあまりに震えてつぶつぶ涙を流していたから、わたしはもうとっても愛おしくなって、
”アンタがそんだけ泣いてくれたらこの飛行機はもうだいじょうぶよ。どこかの神様がきっと守ってくれるにちがいない”と、謎の安堵に満ちていた。
飛行機って離陸前の滑走路を走っている時間が意外と長い。
そのティーンエイジャーも、まだ飛ばんのかいと途中泣き疲れたりしつつ、それでも機体が完全に宙に浮いてしまうまで、必死に恐怖とたたかっていた。
離陸後。
無事飛んだ飛んだ〜と思っていたらティーンエイジャー、次の瞬間にはカードケースを広げて、お気に入りのアニメ(?)と思われるカードたちを広げては愛でていた。
なんと、切り替え早し。
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でも、なんだか勝手に共感しちゃう。
飛行機は飛び立つ前がいちばんこわいし、だいたいのことはやる前がいちばんこわいんだよね。
飛んじゃった後の方が意外と、もう自分ではどうにもできないことへの諦めとか、自分の想像と現実とのすり合わせとか、
そういったものたちが、さわやかな余裕を運んでくれるのかもしれない。
そう信じていたい。