Step by Step 9月4日(今日も長いですよ) ■□何によって憶えられたいですか□■
あなたがたに命じておいたように、つとめて落ち着いた生活をし、自分の仕事に身をいれ、手ずから働きなさい。そうすれば、外部の人々に対して品位を保ち、まただれの世話にもならずに、生活できるであろう。1テサロニケ4章11-12節
経営学の巨人ドラッガーの言葉にこういうのがあります。
「私が13歳のとき、宗教の先生が、君たちは何によって憶えられたいと願っているのかね?と問うてきた。誰も答えられなかった。すると、今答えられると思って聞いたわけではない。でも50歳になっても答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよと言った。」続けて彼はこう言っています。「運の良い人は、私の宗教の先生・フリーグラー牧師が問いかけてくれたように、この問いを人生の早い時期に問いかけてもらい、一生を通じて自らに問い続けていくことができる」。
深いですね。意味ある人生を生きるためには、この問いを自分に問い続けなければならないでしょう。そして自分が「憶えられたいテーマ」を握り続け、そこを極め続けることが重要なのです。
例えば、蕎麦屋に求められているのは、食後のコーヒーやデザートではありませんよね。それは、どこにも負けない美味しい蕎麦を打つことです。もし蕎麦屋の主人が、蕎麦以外でもうけられる仕事を探し始め、蕎麦打ちをいい加減にしてしまったら、その店は繁盛しなくなります。運良く転職できても、恐らく、その主人はうまくいかない可能性が高いです。蕎麦屋は「蕎麦で憶えられて」しかるべきです。
これはどの職業でも同じです。プロは仕事で自分自身を表現し、仕事で成果をだし、仕事で社会と人々の生活に貢献することを追及します。でもアマチュアは仕事以外のことで自分自身を表現し、人生を楽しむだけです。ここがプロとアマチュアの違いです。こんなことを自分で書きながら、自分自身が鋭く切られています。
僕は牧師です。牧師の仕事は多岐に渡りますが、それでも最も重要な働きは「祈りと説教」です。「祈りと説教」において神と人々に貢献することを追及していきたいと願っています。
また、パートやアルバイト、専業主婦でも同じではないでしょうか。プロ意識をもって仕事に取り組むことです。仕事を通して自分を高め、仕事を通して自分を表現し、仕事を通して家族や周りの人たちに貢献していくことです。
数年前の朝ドラ「まんぷく」の主人公・立花萬平のセリフにこんなのがありました。「自分の仕事を愛し、一緒に働く仲間を幸せにして、それが他人様の役に立つことなら、こんな幸せなことはない」。僕はこの言葉にしびれました。
仕事というのは、反社会的な仕事でない限り、どの仕事も人々の問題解決や幸せに貢献しています。だから仕事として成り立っているのです。そういう意味で、どういう仕事に就くのかは大事なことですが、それよりも大事なことがあります。それは、どういう心で仕事をしているかです。
思うに、社会全体で就きたかった仕事に就けている人はほんの一握りではないでしょうか。仕方なくその仕事に就いた人が殆どだと思います。けれども、その仕事のプロとして懸命に自分を磨き、その仕事を通して社会と人々に貢献しようと頑張っている人は、必ずいい人生を生きているはずです。そしてその生き様が人々に憶えられることになります。
あなたは何のプロですか?何のプロを目指そうと日々精進していますか?ここをしっかり握りましょう。
■祈り■
神よ、あなたは私達に仕事を授けられたました。それは生活していくためであると同時に、その仕事を通して自分を成長させ、社会と人々の幸福に貢献するためでした。自分の仕事を正しく理解して働くことができますように。イエスの御名によって、アーメン。