伍 カベ、を乗り越える
《前回のあらすじ》「美大も出ていないのに絵を描いて売る」という自分の中の基準に抵触する自分の行動に苦しむ。けれど、本当はどうしたいのかという、そもそもの気持ちを確認することで、基準が変わることになった。少しずつ前へ進んでいる。→肆 私なんかが…という、カベ
ーーーさあ、今日のカベは!?
『なんで嬉しそうなの?』
ーーーだって毎回、カベに次ぐカベで、それを乗り越えていく話がなんだか楽しくて。
『それが今回、カベはありません。』
ーーーえっ!?
『いや、なんでショック受ける?w やりたいことをカベもなく出来たらいいな、と思ってるでしょう? その方がいいでしょう?』
ーーーいや、まあ、そうなんだけど、わかってるんだけど、カベを見に来たつもりだったから、ないっていうのはちょっとショックで。
『これが人生のコントラストですね。わたしたちは、本当の気持ちを見つけるためにコントラスト、つまり自分の本当の気持ちとはかけ離れた現実を作り出すらしいですよ。』
ーーーえっ。じゃあ、私はカベが好きってこと??
『そうかもしれないけど、違うかもしれない。これが欲しい!って思ったものを手にしたいっていう望みがあるんじゃないかな。カベ自体が望みじゃないかも。』
ーーーなるほど。
『カベもコントラストだしね。カベがあったおかげで、わたしの本当はどうしたいかが、これまで明らかになってきたから。』
ーーーじゃあ、今回はカベシリーズだけど、カベなしでいきましょう。むしろ、どんなことにカベがなかったの?
『いよいよオンラインショップを公開したときです。』
ーーーとうとう公開!
『そう。色々あったけど、ようやくここまで来た。完璧ではないけど、今の自分にできることはすべてやって完成した愛のあるショップ。今かな、ってタイミングで公開したのだけど、ポチってして、うん!オケ!って感じで。なんの感慨もなくw』
ーーーなんでだ。
『なんでだろう。超えるべきカベを超えてきたことと、ここにカベはなかったから、というシンプルなことだと思う。』
ーーーカベがなければ、物事がスルスルっと進むわかりやすい例だね。
『本当にそう。カベって、自分が自分の気持ちを確認したいときに現れる気がする。カベに向き合うことで、自分が自分のことをより深く知れるというか。だから、自分のことを知っていけば行くほど、カベは低くなるし、超えるのも簡単になる。』
ーーーカベはなかったけど、大事ことを聴けた。よかった、満足。
『ところで、インタビューだいぶ砕けてるけど、大丈夫?? これまで読んでくれた人が、えっ?ってならない?』
ーーーなるかもしれないけど。そもそもこれは自己対話だから。むしろ、初めの敬語とか丁寧な言葉使いのほうがちょっと異質だった。
『なんで敬語でやりとりしたんでしょうか?』
ーーー少し緊張してたから。かしこまってしまった。カベがあったのかも。それが前回の終わりの話で、こころ震えたきっかけで、本当はどうしたいのかわかって。そのカベを超えたのです!
『なるほどw インタビューアーの立場も逆転しているという。』
ーーーここは私の記事だし、私の基準でやらせてもらいます♪
『なるほどw』
ーーー次回、カベの話も最終回。カベの先にあるカベの話。お楽しみに。
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