初めてのケンカ②
前回書いたところまでのケンカにも入らないようなケンカは今迄にもあった。
今回ヒートアップした原因は私を宥めようとした彼氏の一言。
「俺は君に“なんでも言うことを聞いてくれる優しい彼氏”であることを求められてると思ってたし、それに応えてるつもりだった』
なにそれ。
今まで一緒にしてきたことは私に言われたから行っただけなの?
優しくしてくれてたのも?
サプライズも?
好きって言ってくれてたのは?
ってな感じで、疑心暗鬼になった私は彼氏のなにを信じればいいのか分からなくなってネガティヴ一直線。
彼氏がなに考えてるのかわからない。
何て言ったらこの違和感が伝わるのかもわからない。
些細な違和感を伝えたかっただけなのに。
待ってる私を知って欲しかっただけなのに。
一緒に居られる時間は見てて欲しいってだけだったのに。
気持ちの整理が出来ないとどうしても涙が出てきてしまう私。
電話をしてもしゃくり上げてしまって話ができる余裕がない。
時間をかけて整理して文章にまとめて送ってた。
(毎回メンヘラLINEみたいで本当にめんどくさい女だと反省)
既読がついてもすぐに返信は来なかった。
多分、これからのこととか彼なりにいろいろ考えてたからだと思う。
朝送って昼に既読がついて夜になっても返信は返ってこなかった。
私は別れることは選択肢に無かった。
別れたくなかった。
でもその時はもう別れるしかないのかもしれないとまで思った。
彼氏と行った綺麗な場所、楽しかった思い出、初めての体験、わくわく、どきどき
そういう全部が「私が彼氏にやらせたもの」にしか見えなくて。
大好きな彼にずっとそんな生活をさせてたこと、一緒に居たらきっとまたそうさせてしまうだろうことを考えると、振られても仕方ないと思った。
毎日泣いて、泣き疲れていつの間にか寝て、腫れ上がって目やにだらけの目を薄く開けて起きて。
そんな数日間を過ごしてた。
「動物のドキュメンタリー見てたら号泣しちゃって笑」って言い訳を何度もいろんな人に話した。
駐車場で同期と別れて車に乗るとすぐに涙が溢れた。一度こぼれると止まらなくて本当にずっと泣いてた。
どこを見ても彼氏だらけだった。
彼氏からもらった腕時計、キーケース、カバン、ネックレス。
彼氏を乗せて海に行った車、彼氏の好きな歌、彼氏と遊んだアプリ、彼氏といこうと思ってた場所のパンフレット。
「振られても仕方ないだろうな」ってどこか諦めようとする自分もいて。
でも本当は一緒に居たくて
既読だけついて返ってこないトーク画面を開いて付け足した。
「本当は仲直りしたいのに…」
既読はすぐついた。
返信もすぐにきた。
『俺も仲直りしたい』
でもうやむやにはしたくなかった。
ちゃんと話し合いたかった。
「どこまで踏み込んでいいのか分からない」
って送ったらすぐに電話がかかってきた。
でも出なかった。
前日『ごめん』って言った彼氏に
しゃくり上げながら「何に謝ってるの?」って聞いた。
『また泣かせて、ごめん』って彼氏は言った。
違う。
私が泣いているのは感情の整理が出来ないから。
私に合わせさせてた事に申し訳なかったと思うから。
泣く事が彼氏の謝る理由になるなら、もう二度と彼氏の前では泣かないようにしようと思った。
だから彼氏の電話を拒否して「今電話したら泣いちゃう」って送った
「毎日の電話も、させてたのかと思っちゃう」とも。
そしたらこう送られてきた
『そうじゃないよ。したかったからしてたんだよ。好きだから、してたの』
今なら嬉しくなるこの返事も、あの日は怖くて受け入れにくかった。
これも私が言わせてるんじゃないか?こういう返事をさせるように誘導してなかったか?
信じて傷つくのは怖いし、でも仲直りしたいし。
「仲直りして、もう少しだけ側にいたい」
これを送って、彼氏に判断を任せようと思った。彼氏は好き嫌いはっきりする人だから、嫌ならもう無理だと言うだろうと思った。
最後の判断は怖くて私にはできなかった。相手に押しつけたとも思ってる。
すぐに既読がついて
すぐに送られてきた返事が
『俺だって一緒に居たい』だったから
私たちは今も一緒に居ます。
今思い返すとたいした事ないよね。
ここまで読んでくれた人、期待外れでごめんね。
これからも、私たちを見守ってくれると嬉しいな。