視点提供録 vol.751:時間的相対性理論

「仕事は速い方がいい」

一般的にはこう思われているように思います。

たしかに、いろいろな情報がものすごい速さで動いている現代。

情報が速いと有難いことでしょう。

では、

「速い」

とはどれくらいを指すのでしょうか。


たとえば、100メートルを10秒で走る選手が1秒時間を縮められたとします。

割合で言えば10%。

これは非常に大きなことではないでしょうか。

一方で、研究期間が1年の研究が1秒速く終わりました。

これはすごいことでしょうか。

おそらく、ほとんどの方が

「別に大したことではない」

と思われることでしょう。

速くなった割合も計算したくないため計算していませんが、非常に小さな割合になるでしょう。


では、なぜ同じ1秒なのに意味合いの差が変わるのでしょうか。

それは、

「期待される単位が異なる」

からではないでしょうか。

100メートルを走る選手は秒。

一方、研究は年単位。

速さではありませんが、売上が1,000万円の企業にとっての1万円と売上が1,000億円の企業にとっての1万円は、同じ1万円でも意味合いは異なるのではないでしょうか。


「いったい私はどの単位での進歩を求められているのか」

これを予め考えておくことが大切なように思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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