視点提供録 vol.807:9月入学は必要なのだろうか

コロナウイルスの影響により、学校がオンライン授業になったり休みになったりしているところがほとんどだと思います。これにより、学習機会を確保するため9月入学が案に上がっています。欧米では9月入学が一般的であるため、過去も同じようなテーマが議題に上がったこともあったと思います。ただ、個人的には不要かと思います。

1つ目の理由は、4月でも9月でも留学する人はするためです。9月入学のメリットの1つは留学がしやすいことではあります。たしかに、開始月が揃っていると留学もしやすくなると思います。ただ、開始月がずれていても留学する人は留学しています。現状でも日本から海外留学する人もいれば、海外から日本に留学する人もいます。

2つ目の理由は、4月留学と9月留学の両方ある学校があるためです。そもそも、4月留学か9月留学のどちらかに揃える必要はあるのでしょうか。両方設置するということも制度として考えられるのではないでしょうか。2つの入学制度をつくることは大変かもしれませんが、現にできている学校もあります。他の学校もできなくはないと思います。

3つ目の理由は、そもそも9月にコロナウイルスが収束しているとは限らないためです。今回、仮に9月入学に制度変更したとしても、そもそも9月に始められる見通しが立っておりません。この前提で制度変更をしたとしてもそもそも制度どおり始められるとは限りません。

今回の9月入学は形式的な議論のように感じております。もちろん、上記以外にもポイントはあると思います。ただ、氣持ちがある人は制度に関係なく留学はすることでしょう。大切なのは形式よりも本質なのではないでしょうか。