『雨の幽霊』あとがき

『雨の幽霊』完結しましたー!お付き合いいただきありがとうございましたー!

初出が2022年5月ということで、概ね2年半での完結になりました。ひとつ前の話を放流したのが2022年10月だったので、長い空白期間でしたね・・・。
ずーっとなんとなーく心の片隅にあった物語で、完結編(?)を書き始めるまでに折本作ってみたりとかもしていました。幽霊さんの正体についてもなんとなーく頭の片隅に置いていた感じ。

ということで、本格的なあとがきの前に、X(旧twitter)のスレッドを置いておきますねー。

カクヨムにも放り込んだのでこちらからでも。


(以下ネタバレを含みますので読了後推奨ですー。)


私は多分、幽霊というものを「人間の魂」みたいなものとしては信じていないような気がしています。(はっきりしない表現で我ながらもやもやするけれども)
どちらかというと、「妖怪」に近い存在として見ているのかな。場所の記憶だったり誰かの思い出だったり、そういうものの塊みたいなものとして、見ているような気がします。
で、今回の「雨の幽霊」さんですが、大伯母さんの思い出と家の記憶が混ざりあったものだったのかなぁと思っています。大伯母が亡くなった頃から少しずつ姿を薄れさせていったのかもしれない。名前を呼んだのは消えるきっかけになったのか、あるいは偶然だったのか、それは分かりません。
これから先、主人公の思い出がうっすら像を結ぶこともあるかもしれないけれど、はっきりした存在としての幽霊さんは現れないんじゃないのかなぁと思っています。いたかもしれないし、気のせいだったかもしれないし、そんな感じ。

某所でちらっと話しましたが、『雨の幽霊』は私にとって、少し寂しい物語でした。「少し寂しい」を下敷きにして、色んな場面を描いてきた物語だったなと思います。
終わりもまた、私にとっては少し寂しい終わりとなりました。
語り手の庭からは幽霊がいなくなり、代わりに小さな動物たちがやってくるようになりました。
これもある意味日常は続くエンドかな。まぁ大抵の物語はそういうものですね。
2022年当初からの方も、最後の物語をきっかけにしてくださった方も、皆様お付き合いいただきありがとうございました。
またいつかどこかで、お会いできましたら幸いです。