インテリアコーディネーターのいえ
私の投稿している記事が、コーディネーターっぽくないので(笑)、たまにはコーディネーターらしい記事を書きたいと思います。
私の今の住まいは、中古マンションをリノベーションした家です。4年程前に、築45年の中古マンションを購入し、リノベーションしました。
なぜこの選択をしたかというと、1つは、元々、新築分譲マンションのインテリアコーディネートをしていたので、正直「見飽きてしまった」というのが理由です。設計変更をしなければ、ほとんどのマンションが同様の間取り、仕様なので、そこに新しいことを始める時のようなワクワクを感じなくなってしまったのです…(私個人の感覚であり、新築分譲マンションを否定している訳ではないので、あしからず…見すぎて麻痺したと言ってもいいのかもしれないです。)
2つ目の理由は、資産性です。この点も様々な意見がありますので、詳しいことは省略しますが、中古マンションリノベにご興味のある方は、リノベ会社主催のセミナーに行ってみると良いかと思います。この点も「新築」を否定している訳ではなく、私達夫婦はこちらの価値観の方が合っていたので、中古マンションをリノベーションすることを決めました。
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リノベして住むまで、一時的に家なき子になったり(笑)、アスベスト問題があったりと、色々と予想外の出来事もありましたが、結果的にこんな感じに仕上がりました。
※詳細はインスタに投稿しています。良かったらフォローしてもらえると嬉しいです!
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よく聞く話ですが、ヨーロッパはビンテージ文化が根付いていて、古いマンション、古い家具ほど、価値が高くなります。一方で、日本は価値ある建物がたくさんあるのにもかかわらず、「新築至上主義」の文化で壊されて、新しい家が次々と建ちます。
現在、日本では、年間で約80~90万戸の新築住宅が建てられています。日本の人口を考えれば、諸外国に比べて多い数字であると言えるでしょう。一方、これとは対照的に、中古物件の購入や補修に対する需要や投資は非常に少なくなっています。日本では長い間、とにかく新しい家を持つことがステータスの1つとされてきました。このような新築至上主義が根付いている日本では、約30年の周期で建物を壊しては新築するという「スクラップ&ビルド」を繰り返してきたのです。また、総務省の調査(「住宅・土地統計調査」2008年)によると、既存の住宅(中古ストック)の1割超が空き家になっていると言われています。つまり、住宅の供給は過剰な状態なのに、新築の住宅ばかりが次々と建てられているという現象が起こっているのです。これは、戦後の高度経済成長期に都市部で大量の住宅が必要になった際の名残ですが、少子高齢化や人口減が進む現在の日本の状況には合っていないと言えるでしょう。出典:ヨムーノ「今、なぜリノベーションが注目されているのか?|リノベーションO-uccino」
こうなったのは時代背景もありますし、もちろん新築マンションの販売に関わっていた身としては「新築」の価値もわかります。ただ、今の日本の現状には合っていないなと、私は思うのです。
ここで古民家の話に繋ぎますが、日本の伝統構法の古民家は年数が経つにつれて「変化」はしますが「劣化」の速度は、現代の一般的な在来工法の木造戸建に比べたらかなり遅いです。だから、何百年も前から残って維持されている家もたくさんあります。逆に、在来工法の家でも、早い段階で維持できなくなっている家もたくさんあります。
そうなってくると、家の寿命というのは、本来はなくて「劣化してきたものを住人がいかに愛情をもって直しながら住んでいくか」ということになってくるのではないかなと個人的には思っています。
※一応、一般的な鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のマンションの耐用年数は、47年と法律で定められていますが、これは、寿命ではありません。ちなみに木造住宅の耐用年数は22年なので、もっと短いです。
耐用年数(たいようねんすう)とは、減価償却資産が利用に耐える年数をいう。長期にわたり反復使用に耐える経済的に価値があるものの使用又は所有の価値の減価を、各年度に費用配分していく場合の、計算の基礎となる。
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新しいもの、新しいサービスも、もちろん必要ですし、素敵なものもたくさんあります。ただ「気に入ったもの、良いものを長く、直しながら使う」といった、日本古来からの習慣も、現代でもっと意識してもいいのではないのかなと感じています。
私自身は、この価値観を大事にしたいなと思ったのと、リノベの工事が終わった後も、少しずつ手を加えて自分の家をつくっていきたかったので、中古マンションリノベという方法を選びました。
この記事が、みなさんの価値観に合った「住まい」が見つかる1つのきっかけになれば嬉しいです。