親権が取りたい男親!有利に進めるには?離婚の流れと離婚回避の可能性
こんにちは。ゆりです。
※はじめにお知らせしますが、この記事は単独親権をベースにお伝えしています。
2026年に施行予定の共同親権には触れておりませんが、親権を考える時に非常に重要なことをすべてお伝えします。
ぜひ最後まで読んでいただき、悔いのない選択をしてください。
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親が子どもの親権を意識するとき・・・
それは、夫婦で離婚について話し合わなければならなくなったときでしょう。
以前の記事で、親権の具体的な内容についてはお伝えしました。
私はこの記事の中で、親権者の決定に浮気は大きなマイナス要素にはならないとお伝えしました。
では、何が親権者を決めるときに重視されるのでしょうか?
親権者には母親が有利という話を聞いたことがある方もいるでしょう。
最初に言っておくと、この認識は正しくありません。
今回はそのあたりの話を詳しくお伝えしていきます。
また、親権(離婚)を決めていく流れも整理しながら、その時点での離婚回避の可能性についても触れていきたいと思います。
あなたの望む未来を手に入れるために、ぜひ最後までをお読みくださいね!
◆親権者の決定に重視されることとは?
親権者を決めるためには何が重視されるのでしょうか?
この答えは、あなたがどのような状況におかれているかで変わってきます。
主にこのような3つの段階が考えられますが、ポイントは裁判所が関与しているかどうかです。
1. 夫婦で離婚について話し合っている段階
夫婦で離婚の話をしている段階(離婚協議中)では、親権を決めるために従わなければならないルールや重視される条件などはありません。
いわば、夫婦二人が納得するのなら、離婚届を出せばどんな条件であっても離婚は成立します。
ここで、離婚協議で話し合うべきことをまとめてみました。
離婚となれば、子どもの親権者となれるのは父母のどちらか一方だけであり、もう一方の親には親権はなくなります。(単独親権)
親権者ではない親は子どもと離れて生活するのが一般的であり、これは親として辛い現実ですね。
なので、親権は簡単に決めることができず離婚時に揉めることのひとつとなっています。
私の相談者の中には次のように言われた方もいらっしゃいました。
「パートナーの強い離婚意思に離婚は仕方がないのかとも考えたが、子どものことがあるので離婚できない。」
ここで忘れてはいけないのは、子どもの気持ちです 。
離婚や親権をめぐる話し合いでは、父母にとって一番大切であるはずの子どもの心が置き去りにされがちです。
あなたは今、自分の子どもがどんな気持ちで過ごしているのか想像できますか?
子どもは親の様子にとても敏感ですよ。
特に大人が気を付けたいのは、子どもは自分自身でも気づかないうちに心の中にストレスを溜め込んでしまうという点です。
こういう時だからこそ、子どもをよく観察しその声を聞くようにしてください。
間違っても「パパとママのどっちが好きか?」なんて心ない質問を投げかけたり、パートナーの悪口を子どもに言ったりするのはやめてくださいね。
親が離婚で揉めているときの子どもの気持ちをブログにまとめています。ぜひ読んでみてください。
2. 離婚調停中・離婚裁判中の場合
調停や裁判になっている場合に親権を得たいのなら、裁判所の考える親権者の判断基準を知っておきましょう。
そして、裁判所から親権者にふさわしいと判断してもらえるような行動、発言、考え方を積み重ねていくことで親権を有利にすることができます。
◇ 親権者となるために1:親権者としての前提
まずは、裁判所が親権者を判断するための前提からお話します。
裁判所が最も重要視しているのは 「子の福祉」、つまり「子どもの幸せ」です。
その子にとって幸せであるために、今後も健全に成長してくためにベストな選択は何かを裁判所は考えます。
では、具体的にどんなことから裁判所はその判断をするのでしょうか?
要するに、
・今、子どもは誰と一緒に過ごしていて、誰が世話をしているのか?
・子どもがこれまで育ってきた過程でどちらが世話をしてきたか?
こういったことが重視され、実際に子どもとどのように関わってきたのかがとても需要です。
子どもにとって環境の変化は大きな負担となります。
親の離婚というだけでも子どもへの負担は相当なものです。
なので、離婚後の子どもの生活環境や監護する人にできるだけ変化がないことが望ましいと裁判所は考えています。(継続性の原則)
また、親子関係は昨日今日といった短期間でつくられるものではありませんよね。
子どもと 小さな頃から世話をしてきた親との心の結びつきには、とても強いものがあります。
なので、現在の監護状況とともに過去の監護状況も十分に考慮されるのですね。
これらのことが調停で聞かれたり、家庭裁判所の調査を専門にする調査官から、親子関係や子どもの養育環境に関する調査を受けたりします。
あなたの監護実績が過去と現在においてパートナーに劣ると感じる場合は、次のことを意識しておきましょう。
家庭裁判所の調査官に関する情報は少なく、不安に思うことも多いでしょう。
私のブログでは調査官についてもまとめていますのでご覧ください。
◇ 親権者となるために2:親権の5大原則
つぎに、裁判所が親権を判断するための5大原則を紹介します。
継続性の原則についてはすでに説明した通りです。
● 15才以上の子どもの親権を裁判(訴訟)で決める場合、裁判所は必ず子ども本人の意思や考えを確認し、尊重します。
最近は、10才~12才頃から子ども本人の意思を確認されるケースが多く、裁判所は親権者の決定に子ども自身の意思をかなり重要視していることが分かります。
ただ、子どもの年齢が幼い場合、親からの影響を強く受けた考えになることがあるため、その時の生活状況や子どもの精神的な年齢が考慮されたうえで子どもの意思確認の判断がされているようです。
● 基本的に、兄弟姉妹も引き離さないほうが良いと考えるのが裁判所です。
● 面会交流への積極的な姿勢は親権者の決定に評価される要素となります。
裁判所は、面会交流が円滑に行なわれることが離婚後の子どもの心に安定を与え、健全な成長のために必須であると考えています。
● 子どもが幼い時期は、母性的な愛情(子どものすべてを受け入れ、愛を示すこと)が必要であり、その役割を担う人に親権が有利になる傾向があります。
なので、優先されるのは”母性を持つもの”であり、母親ではありません。
その愛情を父親が注ぐことも十分に可能です。
しかし、いまだに日本では親権争いには圧倒的に母親が有利だという声を耳にします。
その理由は、実際に親権を得ている母親の数が多いからでしょう。
事実、令和元年の親権の獲得状況では、9割もの母親が親権を得ています。
しかし、これは母親だったことが親権者に有利になったのではありません。
では、なぜ9割もの母親が親権をいているのでしょうか?
◆親権者に母親が多い理由
以上は私の考えですが、日本の家庭にこのような傾向が強いからだと思います。
下のグラフは、男女別の育児休暇の取得率を調べたものです。
日本全体における育児の現状は、母親が大部分を担っている家庭が多く、それが9割もの母親に親権がわたっている結果に表れているのだと思います。
もちろん、父親が主体となって育児を行なっている家庭や、父親が育児休暇をとらなくても積極的に子育てに関わっている家庭もあると思います。
あなたの家庭の状況はどうでしょうか?
近年の裁判例をみると、母か父かということではなく、ここまで説明してきたような以下の要素が総合的に考慮され、親権者にふさわしいのはどちらかという点で判断がなされています。
あなたが子どもの親権を得たいのなら、これらのことを考えしっかりと準備をしておく必要があるでしょう。
◆離婚・親権者を決める流れと離婚回避について
ここからは、親権者を決める流れについて解説していきながら、その時点での離婚回避の可能性についても話をしていきます。
まずは、離婚の決める流れを図にしてみました。
1. 協議(夫婦の話し合い)
離婚についても、親権についても、まずは夫婦で話し合うのが基本です。
その話し合いにおいて、離婚や親権者が決まれば、離婚届けに記入し役所に提出することで離婚が成立します。(協議離婚の成立)
日本の離婚では、協議離婚が最も多い離婚方法であり、離婚の全体数の約9割を占めます。(厚生労働省 令和元年人口動態調査より)
離婚届には、未成年の子に対し誰が親権者になるのかを記入する欄があります。
引用:品川区
この欄に対象となる子(未成年の子)の名前がすべて記入されていなければ、離婚届は受理されません。
離婚時に親権以外の話(財産分与、年金分割、慰謝料等)は決まっていなくても離婚することは可能ですが、親権だけは必ず決めておかなければなりません。
ですが、親権以外の部分を離婚後に話し合うのは想像よりもとても困難なことです。
特に、子どもに関する面会交流、養育費に関して話し合っておくことは、あなたにとってとても重要なことですので、離婚前にきちんと話し合っておくことをおすすめします。
また、協議離婚では後々の「言った」「言ってない」等のトラブルを防ぐためにも、離婚協議書や公正証書といった書面に残すことも考えておきましょう。
◇ 離婚協議での離婚回避の可能性
あなたの望む未来に関してですが、この協議中が離婚回避できる可能性が一番高い段階と考えていいでしょう。
私がそのよう考える理由には以下のことからです。
あなたへの怒りや許せない気持ちから、離婚への強い決意があったとしても、母親としてのパートナーの心には迷いがあります。
また、時期が早ければ、あなたに対しての情があったり、感謝も僅かに残っている場合もあります。
この段階で別居している場合は注意が必要です。
(例えそれが関係改善のための前向きな別居であってもです。)
このデメリットを解消するためには、別居中も定期的に連絡を取ることがとても重要です。
また、子どもとの面会交流も途絶えないようにしてくださいね。
パートナーと何の連絡も取らずほったらかしにしておくと、心の距離はどんどん離れていってしまいます。
また、日々の連絡はLINEやメールでもかまいませんが、パートナーとの関係改善のために私がおすすめする連絡手段は”本気の手紙”です。
私が相談を受けた方々の中には、パートナーに手紙を書いたことのないという男性も多数いらっしゃいました。
ですが、大丈夫です。
記事の中で解説しているコツに沿って、あなたの言葉で心を込めて書いてください。
そうすればあなたの思いはきっと伝わります。
(不安であれば、私は手紙の添削も行なっていますので、よろしければご相談くださいね。)
2. 調停(家庭裁判所での話し合い)
夫婦の話に決着がつかなければ、離婚調停に進む可能性が高くなります。
離婚調停を一言で表すと、家庭裁判所で行なう夫婦の話し合いです。
夫婦のどちらかが家庭裁判所に調停を申し立てることで始まります。
協議と調停の違いは次のようなものです
調停で親権をとりたいのなら、あなたが親権者になることで子どもが幸せになる、ということを調停委員に納得してもらうよう考えるといいでしょう。
調停申し立て時に別居している場合、”子どもの監護者の指定調停”も同時に申し立てられることが多いと思います。
監護者指定調停は、別居中にどちらの親が子どもと一緒に住み、世話をすることが適当であるかということを調停で正式に決めるものです。
調停で監護者として認められた親は、現状の監護実績が積み上がっていくので、この先離婚となった場合、親権者としてとても有利になります。
監護者指定調停では、以下の内容をもとに話が進んでいきます。
また、監護者指定調停では、家庭裁判所の調査官による調査が行なわれることが多く、父母それぞれの自宅訪問をされる場合もあります。
離婚調停は、夫婦の間で合意ができなければ成立しません。
一般的に離婚調停といわれますが、正式には「夫婦関係調整調停」といいます。
ですから、夫婦が”離婚しないことに合意する”というかたちでも成立させることができます。
その他にも、調停の終わり方はいろいろとあります。
つまり、
・あなたが離婚したくないと主張する
・あなたが親権は絶対に譲れないと主張する
このようなあなたの思いを貫き、パートナーからの歩み寄りがない場合、調停は不成立で終了します。
◇ 離婚調停での離婚回避の可能性
あなたが協議で離婚したくない、親権も譲れないと主張し話が進まなければ、離婚したいパートナーから調停を申し立てられる可能性は高くなります。
調停で離婚回避ができたという人もいるようですが、それはごく少数です。
ちなみに、調停には「夫婦関係調整調停(円満)」という、夫婦関係を回復するための話し合いとしても利用できるものもあります。
ですが、この夫婦円満調停をあなたから申し立てることはおすすめできません。
その理由は以下になります。
私は調停には基本的に弁護士は必要ないと考えています。
ですが、最近はパートナーが弁護士を雇って調停に対応するケースが多いように感じます。
そうなれば、弁護士を通してでしかパートナーに連絡できなくなることも多々あります。
その結果、あなたの思いはますますパートナーに伝わりづらくなり、離婚回避の道は遠のいていくでしょう。
ですから、離婚回避をしたいと思うなら、パートナーが弁護士に依頼する前に行動を起こすことがとても重要です。
3. 審判(裁判所が判断を示す)
離婚調停が不成立になった後、家庭裁判所の裁判官が審判によって親権者を指定することがあります。
調停は父母の合意を目指すものですが、
審判はここまでの事情を考慮したうえで裁判官が判断を下すものであり、調停とは大きく異なります。
ですが、その判断に不服があれば、2週間以内に不服申し立てを行なうことができ、その審判を無効にできます。
この場合のあなたの異議申し立てが却下されることはありません。
審判が利用されるのは、父母に離婚の同意ができており、親権者の判断は裁判所に委ねたいというケースです。
そもそも、あなたが離婚に反対しているのであれば、親権者を指定したところで意味がありませんよね。
なので、一方が離婚回避をしたいという主張の場合は、審判が行なわれないのが一般的です。
4. 裁判(裁判所が決定を下す)
調停が不成立となれば、離婚訴訟(離婚裁判)に進む可能性が高くなります。
裁判になれば、父母それぞれが言い分を証拠として提出し、裁判官がそれをもとに、離婚か否かや親権者はどちらかなどを定めます。
法定離婚事由があれば離婚という強制力のある判断が示される可能性が高くなるでしょう。
不貞行為と認められる証拠があればもちろんアウトです。
悪意の遺棄となる具体的な行動の中には、生活費を渡したとしても全て自分のために使ってしまったり、一切家事を手伝わなかったりという行動も該当する場合があるのをご存じでしょうか。
民法には、日常生活や経済面で互いに協力して助け合うのが夫婦だと定められているからですね。
離婚裁判は、離婚・親権が争いとなりどうしても決められないときの最終手段でしょう。
裁判は時間もお金も精神的な負担もかかる、とてもたいへんなものです。
パートナーが離婚裁判を起すということは、そうまでしてもあなたと離することを強く望んでいるということです。
◇ 離婚裁判での離婚回避の可能性
離婚裁判まできてしまうと、離婚回避はとても難しくなります。
法定離婚事由があれば、離婚が認められる可能性が高いでしょう。
親権についても裁判所の基準をもとにした判断が出されます。
裁判にまで進んだ場合の一番の心配事は、お互いを傷付け合う争いが長期間続いてしまうことで、夫婦(父母として)の関係が悪化してしまうことです。
パートナーは過去を蒸し返され、辛い思いを更に重ねることになります。
その結果、子どもとの面会に暗い影を落とすことにもなりかねません。
ですが、離婚となっても子どもの父親はあなた。
それが変わることはありません。
離婚となってもあなたにできることはありますよ。
非親権者となった場合、これらを確保することが子どもの健全な成長には欠かせません。
ですが、それが叶わず苦しむ父親も少なくないのが、今の残念な日本の現状です。
そして、そのような父母の関係の犠牲となるのは子ども達なのです。
以前は両親のことが大好きでそれを口に出すことも自由にできたはずなのに・・・
そうなりたくないと思うのなら、あなたができることを今すぐに始めてください。
◆あなたにできることは、望む未来を想像し、そのための一歩を今すぐ踏み出すこと
親権はあなたにとって、とても重要な問題だと思います。
ですが、子どもにとっても親権は一生に関わるとても重要な問題です。
離婚時に揉めることのひとつにお金の問題もありますよね。
しかし、お金や財産などはあなた次第でまた築くことは可能でしょう。
ですが、親権はそうはいきません。
これまで意識していなかったかも知れませんが、やはり家族はあなたにとって大切なものですよね。
簡単に諦めたり、早々に結論を出したりせずに、今のあなたにできることが何なのか?考えてみてください。
離婚しようが、しまいが、子どもの父親はあなたしかいません。
父親として今のあなたに必要なことは、
このことを考え、そのためにできる行動をひとつひとつしていくことだと思います。
私の知人に、ひとり息子が5歳のときに離婚をした男性がいます。
それから彼はずっと子どもに会うことができていませんでした。
時が過ぎ、子どもの成人後しばらくして彼は子どもに会うことができるようになったそうです。
そんな彼が私に離婚していることを話してくれたとき、次のような胸の内を明かしてくれました。
「僕の人生最大の悲しみは、息子の成長する姿を見逃したことだ・・・。それは一生取り戻すことができない。」
あなたにはこのような悲しみを味わってほしくありません。
ここを訪れてくれたあなたならまだ大丈夫。
あなたの子どもが心からの笑顔になれる日々を取り戻せますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。