今までのマラソン計測事情
弊社は記録計測を生業にしている会社なので、まずは記録計測の「今まで」・「現在」・「未来」を少し説明させていただきます。
記録計測と一言で言っても、方法はさまざまあります。
以下は簡単ではありますが、説明となります。
手動計測
これは読んで字のごとく、ストップウォッチと目視による着順判定を組み合わせた方法です。
SEIKOのスーパーストップウォッチには記録をロール紙に印字してくれるタイプがあり、通過記録やラップタイムなど全て計測できます。
これに目視で着順判定していった選手のゼッケンを紙等に書いていき、先ほど印字したロール紙の記録を合わせてその人の記録を確定させていきます。
一見大変な作業だと思いますが、陸協の先生方は達人的にこの手法を使いこなし、選手の記録を確定させていきます。
この手法は実は現在も多く使われており、低コストで、既存の機材で計測できる事から今後も多く活用されていくと思われます。
私も学生時代(30年前くらい)は大会のお手伝いとして何度か行ったことがあります。
なんとか最終的に結果は出していましたが、何かしらも問題は毎回発生していました。ストップウォッチを押したり、押し忘れたり、目視の着順判定が一つズレれば全員の記録がずれていくとく問題は大きく大変な作業でした。
バーコード計測
次に出てきたのが、バーコードを活用した記録計測です。
手動計測に近い仕組みにはなりますが、取得した記録や着順をパソコンに取り込み、システム上で着順と記録を組み合わせるので、そこでの人為的ミスを軽減できる事が出来たのが一番大きかったと思います。
この頃から記録計測サービスを提供する会社が出てきました。
バーコードの方法も様々あり、ゼッケンに付いたバーコードを切り取り順番に並べていってから読込んだり、レーンを作ってゼッケンに印字されたバーコードをレジ方式で順番に読込んだり、離れたところからレーザーでバーコードを読込んだり、様々な方法がありました。
たぶん一通りのパターンを私も体験しましたが、手動計測と同じで、どうしても大人数や同時フィニッシュの多いレースでは大変な作業になりました。
私がこの業界に入った1998年は既にチップ計測に流れてきてはいましたが、このバーコード計測や手動計測のレースも多くあり、この頃のレースを経験できた事は、結構今につながっている部分も多くあります。
ただ、大規模レースではバーコード計測はもうやりたくないですけどね。
チップ計測
そして、今にもつながってくるチップ(ICタグ)による計測が始まります。
25年くらい前は、足に付けて計測するタイプが主流でほとんどの大規模レースで採用されていました。
40代50代の市民ランナーなら、ご存じだと思いますが、皆、靴紐にチップを通して足に付けて計測をしていました。
チャンピオンチップという製品名だったので、世間では計測用のICタグの事を「チップ」(チャンピオンチップ)と呼んでいました。この製品は今でもあって、長年の運用実績による安定性などで大きな評価を得ているシステムでもあります。
細かな問題は多々ありましたが、このシステムが世界中に広がったおかげで記録計測という業界が誕生したといっても過言ではありません。
この後、様々な計測用のICタグが出てきますが、チャンピオンチップの影響を何らかの形で受けている様にも思います。
※ちなみにチャンピオンチップでも使用されている技術は元々、牧場などで飼育している羊を数える為に開発されたものらしいです。
といった感じが、「今までの計測事情」となります。
非常に簡単に書いたので、追加・訂正などあると思いますので、ご指摘などあれば、お気軽にご連絡いただければと思います。
その他のマラソン計測事情
2.現在のマラソン計測事情
3.未来のマラソン計測事情
4.マラソン計測事情(ソフトウェア編)
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