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未来のマラソン計測事情

最後に未来の計測事情の予測です。
未来といっても、既に実運用されている物もあるので、数年内に予想される、これから計測事情でもあります。

UHF帯の計測タグ

既に現在も多く使われだしているUHF帯を活用した計測タグが、もう少し一般的になっていくのではないかと思っています。
海外では既に大きなシェアを獲得しているUHF帯計測タグですが、日本では電波法により、出力に制限があったり、申請が必要だったり、免許が必要だったり様々な制約がありました。
しかし2019年には電波法の改正により、いくつかの制限がなくなったので、これまでよりも高い品質で計測できる事が可能になっています。
最初に見たのは10年前くらいでしょうか。当時は環境依存が大きく、レースで使うのはあまりにもリスクが高すぎるシステムだと感じましたが、最近はタグ側、レシーバー側、それぞれアンテナの形状や設置方法とかが改善されたりして、かなり高いレベルまで精度は上がってきています。
今後、多くの大会で利用されることで運用実績を重ね、今後、主要な計測タグになっていく可能性が一番高いのではないかと思います。

ビーコンタグ

ビーコンタグも徐々に使われるシーンが増えてきているタグです。
一般的になっているBluetoothと同じ周波数を使ったタグです。
タグ側にも電池を内蔵しているアクティブタグなのですが、Bluetoothの特徴として消費電力が物凄く小さい事もあり、電池消費を小さくできる事も特徴になります。
またスマホなどにビーコンのレシーブ機能がついている事が多く、スマホをレシーバーとして活用するという超便利な使い方もできます。
またビーコンタグとのレシーバー間の距離をとる事もでき、計測する場合は、単純に受信するだけではなく、距離をシステム上で確認できる事でソフトウェア上でもいろいろ工夫ができるという優れモノになっています。
電池内蔵という事で、大規模レースで全員に持ってもらうという使い方は難しいかもしれませんが、レシーバーを低価格でそろえる事ができる為、5km毎の計測とかではなく、100m毎に計測ポイントを設置するといった、これまででは難しかった事が可能になるかもしれません。
レースイベントにおいて、これまでとは違う次元で多くの情報を本部に伝える事ができます。通常レースでこれまでの延長線上のシステムとして使う事も出来ますし、観客にレース状況を伝える手段としても非常に魅力的なシステムです。
これから細分化されていくであろうレースシーンにおいて、より面白い使い方が増えていくのではないかと思っています。

GPS

腕時計やスマホでは、ランニングでも普通に使わてれいるGPSですが、ランニングイベントでも活用が増えてきています。
最近、開催が目立つようになってきたバーチャルレースもこれらのサービスを使ってデータを集約する形で運営している事が多いようです。
今後も、こういった使われ方はしていくと思いますが、それとは別に計測タグとしてのGPSの活用も可能性があるのではないかと思っています。
計測タグそれぞれにeSimを入れてデータを遠隔で取れるようになれば十分可能だと思っています。
リアルタイムに選手位置を確認できるので、トレランやOWSなどでも有用なサービスになります。
今後、5Gが広く普及する頃には、更に面白くなりそうな気がします。

画像解析

画像解析による計測も可能性を感じています。
10年前くらいにフィニッシュ時のゼッケン番号読み取りを画像解析で行うという事をやっていました。
正常にフィニッシュする場合は、思ったより高い精度で読込めていたのですが、レース現場では選手は重なってゴールするし、ゼッケンの上から服を着ている人もいるし、それだけに全てをカバ―させるのは難しい状態でした。
カラーバーコードを使ったり、複数のカメラを同期させながらチェックしたりすれば可能かなと思います。ただ、これは実運用している話は聞いたことないです。

といった技術が今後、展開していくのではないかと思っています。
私たちもいろんな製品を見るようにはしていますが、きっと他にもいろいろあるんだろうなと思います。
ここに記載した技術もそうなのですが、一般社会で普及しているソリューションをランニングにどう落とし込むかが大事になってきています。
そうする事で高い技術を比較的低いコストで導入できます。
あと、上記のような技術を「既存のサービスにくっつける」、「それぞれの特徴を組み合わせる」といった発想で新しいサービスを作っていく事が大事なると思います。

その他のマラソン計測事情
1.今までのマラソン計測事情
2.現在のマラソン計測事情4.マラソン計測事情(ソフトウェア編)




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