癌治療と心の持ち方
手術で腫瘍はキレイに取れたし、薬がよく効いて癌は死滅した。今の投薬は、「もしかして残っているかもしれない微細ながん細胞を叩くため」と理解して過ごしていた。
ホルモン療法の期間について、主治医と話したことがなかったので、薬剤師さんに聞いてみた。
(念押しなら、副作用でツラい期間は休薬してもいいかなー、という下心もあり。ネットで調べると5-10年と出てくるから、途方もない気持ちになってて)
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薬剤師さんから返ってきた答えは、自分が想像していたのと違った。
「いつまで続けるかは腫瘍マーカーの数値を見ながらですねー」
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これを聞いた途端に、ぐっと「死」が自分に近づいた気がした。
治療がうまく行ってたもんだから、能天気になってたところに
現実を見たような気持ちに。
ちょっと前まで治らない病気だったんですけど、いいお薬で治るようになりましたからねー、というのも 怖い病気に罹っていることを思い出させた。
(薬剤師さんの言い方が悪いわけじゃないです)
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この現実と心境を家に持ち帰った。
疲労感で「あと私、5年くらいかもしれないなー」と思う中。
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この感情を持った翌日、かなり早く寝て、とにかく休んだ。
次の日に東京に行く予定をしていたから。
疲労感であと5年くらいかもしれない、って思ってしまうのって、家で鬱々としている時に起こる。
とにかく、東京には行きたかった。
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診察の翌々日、東京でストーン付きシルバーリングを手作りするワークショップに参加することを予定していた。
そんなに歩かないし、体力を消耗することではないので、今の私に向く。
(あちこち見てショッピング! みたいなのは今は出来ない)
そして、モノをただ買うよりも 作ること、工程を知ることが好きなので。
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2-3時間、シルバーを切ったり、叩いたり、磨いたり。
合わせるストーンを選んで、ありたい自分を模索したり。
ふと気づいたら、一昨日の重苦しい気持ちを忘れていた。
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長い付き合いの闘病って、熱が出た時に「寝てて治す」のとだいぶ違う。
癌はじっと寝てても治らない。
生活が伴う。
闘病生活において「心の持ち方」がFactorの半分くらいなんじゃないかと思う。
それは、癌じゃなくても言えることかも。
健康な身体を持っていても、辛そうな人は辛そうだし
健康なんだから、ありがたみを知りなさい! と人に言われてそうなるものでない。
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自分が実感して得ることとというのは、影響力と定着力が大きい。
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50歳を過ぎた私の、見ていることと考えていること
淡々と日記を綴ります。私の日記のトピックが、人生の楽しみやよりよく生きるヒントに繋がれば幸いです。 シングルマザー | 第二の人生 | 乳…
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