「再生」
2022.12.09
8時半に大工さんが来る。
厨房の中に置いてあった机や台を出すのを大工さんに手伝ってもらって
床の全貌がわかるようにした後で
床の一部を切ってみる。
床の下に水道の配管が・・・・えええ?
配管の上の床を切らないようにしてしまったら
1/3が塞がれてしまう
これは困った。
全部見届けたいところだけれど、とりあえず今日は床を取ってみてその後どうするか考える、ということで
(立ち会いを手伝ってくれる) Mくんに後はお任せして
(ナグモクリニックの予約の時間が迫っているので)
名古屋に向かわせてもらう。
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新幹線の往復きっぷを買って名古屋へ。
車中にいる間も、Mくんが大工さんの仕事の様子を伝えてくれる。
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10時から患者会をやっています、途中参加で入り自由です、と連絡をもらっていたので 社会勉強だと思って参加してみる。
患者会というと お互いの「辛い話」をシェアする感じかなぁ、と思っていて 参加してみてかえって暗い気持ちになるようだったら 今後は失礼させてもらおうかな、、、と思っていた。
案内された会議室には
タレントさんみたいなおねーさまが一人いらした。
名刺をくれる。
患者会の理事長チエコさん。
南雲先生イチオシの「ごぼう茶」を淹れてくださる。美味しい。
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診察開始までの間、チエコさんの話を聞く。
12年前に罹患して患者会を立ち上げ
南雲先生と一緒に再建手術の重要性を訴え
保険適用にこぎつけた話など。
当時は再建手術に60-90万円かかり、本人にとっては重要なのに「見た目にそんなにお金をかけるの!?」と周囲から冷ややかな目で見られたり、主婦には工面しづらいお金だったり、、、
手術を受けることを考える以前に偏見や経済的なハードルが高く、肋骨が出るような手術だったとしても「諦める」というのが当たり前の時代だった。
愛知の名だたる大病院でも「そんな再建にこだわるなんて」と怒られたり、、、。
それでもこれから病と付き合いながら長く生きていくのは自分で、絶対に譲れないと闘ってきたそう。
女性としての誇りか、ただの肉片か。
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再建手術の前に、男性にとっては前立腺がんへの向き合い方が参考になるのでは、といくつか調べてみた。男性は癌の告知を受けて「切るしかないです」と言われたら すんなり受け入れられるのかな? 排尿は人工のをつければいい、とか もう役割を終えたし、見方によってはただの肉片だから要らない、と。そう思えるのかな?
男性の機能を失わずに手術する方法が山盛り出てきた。
成田病院の陽子線の治療症例は半分以上が前立腺がんだった。。。
(陽子線は高度医療だから、医療費は高額)
陽子線の治療は前立腺がんに向く、ということなのか、切らずに治したい願望のあらわれなのか。。
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チエコさんをはじめとした患者会の方々ご努力があって、私は初診の時でも「再建を希望されるならば紹介する病院はこことここです」という話を受けられたし、保険適用なのでより「選べますよ」という '今' になった。
黙っていたら昔のまま。タバコの受動喫煙の話とか、ジェンダー論とか、話題に出して動いたことってたくさんあって、最初に言い出そうと思った方の勇気が10年後、20年後「社会が動いた」に繋がるのですね。
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チエコさんは治療を受けて命を長らえてもらえたから、何か役に立てることがあれば、と患者会をつくったそう。今は南雲先生と月2回、クラブハウスで啓蒙活動の番組をしているそうです。
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患者会にもう一人来られた。
10月に手術を受けたばかりの方。
手術翌日に病院を出て一週間ホテルに滞在。
自分でコンビニに行ってたよー、などと
「どんなふうに過ごしていたか」を教えてくださる。
(ナグモクリニックは手術の翌日に退院する病院。入院がない。)
自分で起き上がるのだけは困難だけれど、後は結構普通に過ごせることなど。
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もう一人来られた。
今38歳で第二子を授かりたいので不妊治療をしていたら乳がんが見つかった、という方。不妊治療というのは女性ホルモンをMAXまで盛ることで、乳がんの癌細胞にとって女性ホルモンはエサになる。
予防的切除で癌が見つかっていない側の乳腺も全摘したそう。(母乳を諦めることにすごく抵抗があったけれど)
不妊治療と癌の治療の時間配分を悩んでおられた。
全体的に高齢出産化してきているので、本当に色々困難が出てきている。
みんなで「私なら先に不妊治療2-3年やってみるかなー」などと癌の治療も経験した上で重みのあるアドバイスが続いていた。
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