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感想文、Don't Look Up

あと半年で地球は終了します、って言われたらどうするか。ノストラダムスの時はスピリチュアルで不確定だったけど、学術的に本当に終わりが来ると予告されたら?わたしは、まあもう滅びてもいいんじゃないっていう気持ちになっていたと思う。

わたしたちの今の時代、このくそコロナ禍になったことで地球の問題がより重要視されるようになって、地球に少しでも良いことを、と考える世界の動きが増えたように感じている。それはすごくいいことだ。それ反して自分のマインドの方はというと、もう全然どこにもいけないし約束された未来なんてないし、何してもしょうがないと考えてしまうことが増えた。ヒステリックになるわけでもなく、漠然とした虚無感がそこにあった。素晴らしい取り組みも、もう手遅れなんじゃないの。何千年も生きてきた人間が世代をこえて積み重ねてきてしまったものの報いを待つことしか、現代の私たちはできない。そんなふうに感じていた。

でも映画が終わった時にはその気持ちは少し変わっていた。正直言ってこの作品にはくそみたいな人間がいっぱい出てくる。ジョークも交えてるけど自分勝手で、人間の愚かさをが凝縮したようなシーンばかりだ。地球は終わるのに、そういう奴は死ぬまでそういう奴らしい。やっぱり人間は滅びるしかないよな〜。そう思いながら中盤まで観ていた。映画の終わりが近づくにつれて、世界を滅ぼそうとする彗星と地球の距離を縮まっていく。ついに地球から彗星が見えた時に、自分の中で抵抗感が広がるのがわかった。え、嫌かも、と思った。
わたしはどちらかというと、いわゆる人類の歴史や自然にはそこまで興味がないタイプだ。身近な人がいなくなるのは悲しい。でもみんないっしょに滅びるならもうそれはそれでありじゃない?エヴァ(世紀末系作品、エヴァしか思いつかなかった)も、そこまでして人類という種族を守る理由って何?と楽しんで見ながらも心の片隅で感じてしまった。
それにも関わらず、今回、人が築き上げたものや人そのものが消滅することに強い悲しみを覚えた。作品の中に出てくる人類の死を悲しいというのは初めての感覚だった。
わかんないけどこんなに悲しいなら、滅びて欲しくない。

エンドロールでのスタイリッシュなジャズがこれまた映画の良い締めになっていた。
なんだかお洒落な刑事ドラマみたい。これは虚構だけど現実に起こりうる出来事だよ、と言われてる気分になった。
結局はいつか人類は滅びる。でもそれは今すぐじゃないほうがいい、気がする。

映像にはたぶん映ってなかったけど、きっとみんなの印象に残ったフィンガリングポテトを添えて。

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