メタゲームを回せ!エルドレインの森編〜凡人のスタンダード備忘録〜

普段はイタコさんに取り憑いて動画にしているけれども、これからのスタンダード大会が増えるという話を受けて、デッキを組むための下準備みたいなものを残しておこうと考えて記事にしています。


1.まず初めに

エルドレインの森にて環境は激変!…………というわけではなく(そもそもローテーションが長くなって今回は落ちがないので当然ではあるが)依然としてエスパー、5cランプの時代である。(23年9月末現在)

その他、デッキは多数あれどもこの2種デッキがメタに食い込んでいるというのは大多数が納得してくれると思う。

2.デッキを作るにあたって

一番大事なことは
・メタデッキに対して不利であってはならない。
ということ。メインは不利でもサイドで巻き返せるなら良い。
トップメタということは当然のことながら、最大勢力である。対面する可能性が高いのにそれには勝てないでは少し無謀ではある。当然地域メタというのもあるので絶対ではないが、せめて五分にできるように準備しよう。

3.相手を考える

まずはエスパーミッドレンジと5cランプ、どちらの牙城を崩すかを選ぶわけだが、ここではエスパーミッドレンジを見ることにする。(地域メタ)

エスパーミッドレンジの特徴
・質の高い軽量生物
・打ち消しも含む質の高いインスタント
・ゲームを決めるシェオル、放浪皇、忠義の徳目、ラフィーン

もう少し詳しく見ると、このデッキの強さは
テンポとしての強さ(デニック、ラフィーン、シェオル)
フラッシュとしての強さ(かき消し、喉首狙い、忠義の徳目出来事面、フェアリーの黒幕、放浪皇)
横並びとしての強さ(駆け抜け候、婚礼の発表、放浪皇、忠義の徳目本体)になる。

レジェンズならフラッシュ要素が減る分テンポの良さが増えるしコントロールならテンポはないがフラッシュが強くなる。
どちらにせよ強みが多く、対応力があるのがメリットだ。

では苦手な部類はなんだろう。
まずはハンドアドバンテージを稼ぎにくいというのが挙げられる。
ラフィーンは手札入れ替えなので質は良くなれどプラスにはならず、婚礼(入っていればカイト)で引けるぐらい。
また、強みが多いということは噛み合わない時もある。
それを解消するのがラフィーンの謀議であり、前環境ではそれを潰してくるグリクシスミッドレンジに食われてしまった。

大体こいつらのせい

それらが禁止された今、エスパーミッドレンジに対する手はないのか?

4.メインボードを考える

3で考えた通り、ラフィーンに対応できるようにする。
先手番のラフィーンに謀議されずに対応できるのは切り崩し、シェオルドレッドの勅令(条件付)、かき消し含む打ち消しとなる。

これに加えて喉首狙いでスタンダードインスタント四天王です。今決めました。

この場合、青か黒のどちらかが必要。
ターンが返ってきたなら石術の連射、ヴェールのリリアナ、喉首狙い、魔女跡追いの激情、石化、力戦の束縛等等、色々とあるがここでは割愛。

ハンドアドについて、ドローが出来るカードは今や各色に多数あり、列挙してもしょうがないので割愛しよう。好きなように取ろう。

ここで私が候補に残したのは
・エスパーコントロール(フレンズ)
・ディミーアテンポ(フェアリーでも可)
・ゴルガリミッドレンジ

結論から言うとゴルガリを選んだのだが、わかりやすい理由は
新カードを使いたかった

いや意外とバカに出来ないもので、意欲が違うんですよね。
候補のエスパーフレンズは特に顕著で、フルスポイラーを見ても新規カードが殆ど入らないんじゃないかと考えていました。
実際新規カードを使ったデッキはメタに食い込んできますし(環境初期に顕著)皆さんも似たような感情はお持ちと思っています。

ディミーアとゴルガリについてはそれぞれ新カードが使えそうでしたが、選んだ理由はこれまた簡単で
・眠らずの小屋(緑黒ミシュラランド)が使えるから
ミシュラランドの強さは知れ渡っている通りで、何度全除去の返しにミシュラランドで詰め切られたか分かりません。
それを採用できるか否かは結構な利点でした。

さて、これでカラーと方針が決まりました。
・ゴルガリ
・メインボードでエスパーミッドレンジと戦える
・サイド後にランプとも戦える

では組んでみましょう。
これは私の癖みたいな物なのですが、まずはネットで調べずに組んでいます。
採用するべきかどうかを判断しやすくなります。
さて、さっそく組んでみましょうか。

デッキ 1 耐え抜くもの、母聖樹 (NEO) 266 3 苔森の戦慄騎士 (WOE) 231 4 死天狗茸の林間地 (VOW) 261 3 木苺の使い魔 (WOE) 164 2 闇滑りの岸 (ONE) 250 1 沼 (LTR) 267 2 喉首狙い (BRO) 102 1 見捨てられたぬかるみ、竹沼 (NEO) 278 3 黙示録、シェオルドレッド (DMU) 107 2 シェオルドレッドの勅令 (ONE) 108 1 島 (KHM) 395 1 ミレックス (ONE) 254 1 森 (LTR) 271 2 切り崩し (DMU) 89 2 グリッサ・サンスレイヤー (ONE) 202 2 難破船の湿地 (MID) 267 1 一巻の終わり (WOE) 87 2 執念の徳目 (WOE) 115 2 ファイレクシアの肉体喰らい (BRO) 121 2 ラノワールの荒原 (BRO) 264 3 眠らずの小屋 (WOE) 258 1 強迫 (MID) 98 1 天上都市、大田原 (NEO) 271 1 有角の湖鯨 (WOE) 53 1 完成化した賢者、タミヨウ (NEO) 238 1 ガチョウの母 (WOE) 204 1 眠らずの蔓茎 (WOE) 261 2 夢根の滝 (VOW) 262 1 月の後裔、ナシ (MAT) 39 2 レンと次元壊し (MOM) 217 2 漆月魁渡 (NEO) 226 1 ヤヴィマヤの沿岸 (DMU) 261 1 英雄の公有地 (DMU) 252 1 ギックスの命令 (BRO) 97 2 ガムドロップの毒殺者 (WOE) 93 1 シェオルドレッド (MOM) 125  サイドボード 1 覆い隠し (MAT) 12 1 沈黙を破る者、スラーン (ONE) 186 2 軽蔑的な一撃 (GRN) 37 2 強迫 (MID) 98 1 切り崩し (DMU) 89 2 危難の道 (VOW) 124 2 強情なベイロス (BRO) 187 2 否認 (ZNR) 71 1 眼識の収集 (MID) 241 1 温厚な襞背 (MAT) 24

スゥルタイじゃねーか!

いやいや、ゴルガリ系にタッチ青として組んでいるのでセーフです。(?)
メインボードにカウンターがないので実質ゴルガリです。

たわ言は置いといて、実際に出回っているゴルガリと比べてみましょう。
2マナ
しつこい負け犬の不採用
苦難の影
木苺の使い魔の採用
これは簡単で、2ターン目の影や負け犬よりも木苺を選んだだけです。
ハンドアドの話をしておいて負け犬採用しないのかよと思われるでしょうが、墓地から奇襲する時は押している盤面と判断。
2ターン目に出した時に生き残ったらメリットがある方を選びました。
出来事も強いですしね。
苦難の影の追放能力が必要になるかどうかは今後どれだけゴルガリが増えるかにもよると思います。割とすでに多いので検討。

3マナ
ここは採用候補が多いので採用カードを見ていきましょうか。
・ファイレクシアの肉体喰らい
・ガムドロップの毒殺者
・グリッサ・サンスレイヤー
・月の後裔、ナシ
・漆月魁渡(PW)
・レンと次元壊し(PW)


割と個性が出まくってますね。
ガムドロップの毒殺者は回復していればマイナス修正を与えられる、ETB除去持ちとして使ってみたかったカードです。
実際のところ先に肉体喰らい、4シェオル、食物などの下準備がいるので3ターン目にポン置きはあんまりないですが、待ってられないアグロ相手には有用でした。


レンと次元壊しはパイオニアで使って好感触だったので採用。
開花の亀枠をこれが食ってるのかな。
亀と違って即座にアドが取れないけれども壁を用意できるので奥義は割と狙えます。
これも3マナだけど土地1枚はアンタップしてる状態で出きたい。
月の後裔、ナシはデッキに多くなったので採用。
1枚なのであんまり目立った場面がない。

4マナ
開花の亀の非採用
いやまぁ単純に持ってない()
他のお試し枠がなくなったらそのスペースに採用されそうではあります。
一巻の終わりの採用
デッキから抜本的対処ができるというのは大きい。
ラフィーンには遅くてもシェオルドレッド、放浪皇など抜きたい相手はいくらでもいる。ただ重いので1枚だけ。

5マナ以降
ガチョウの母

お試し採用。
こっちはナシと違って活躍したシーンもあるのでまぁまぁ理解はしている。
サイズは大きいがライフ回復やドローのタイミングが遅いハイドロイド混生体と考えられるが、実際のところサイズが大きいことでのメリットはあまり感じていない。
やはりハイドロイド混生体の唱えたとき誘発という「打ち消されてもいい」という強さには及ばない。
メリットとしては切り上げなので奇数マナで唱えるのが最大効率となり、3ターン目に3マナ3/3飛行にフード付きとして扱えるのが一番ではないかと思う。
あと地味に伝説なのでナシや英雄の公有地で対応できる。

有角の湖鯨

同じくお試し。
最初は2枚入れていたけどデッキの構成上伝説でない青青が結構厳しかったので1枚に。
疑似除去内臓の生物として考えれば十分強いので1枚さしは悪くないと思う。

除去札
・喉首狙い
・切り崩し
・執念の徳目(出来事面)
いずれも軽量で条件はあるもののエスパーを見るなら必要な除去。

完成化した賢者、タミヨウ
ゴルガリに強かった。
持久戦になった時のPWが欲しくて、ヴラスカは1点失うのが痛いときがあったので採用してみました。
3ターン目のグリッササンスレイヤーに対してφ支払いで出してプラスで止め続けるなど、コンバット関係での一体タップは強いです。
ただ除去ではないのでシステム生物はきつい。


その他

今までは対抗色はスロウランド、ダメージランドしかなく
トライオームに対応していない色は使いにくかったですが今回の眠らずの土地のおかげで対抗色は逆に選ぶ価値が出てきました。

緑黒はそのサイズ、墓地追放、食物産出から使い勝手の良い土地です。
レンを採用した理由の一つ、墓地追放と食物産出は土地固有の能力なのでマナを払わなくても誘発するということですね。これは他の土地も同じなのでどこかで活用できるかも。
ここは開花の亀とは違うメリットではあります。
そのほか土地は緑黒をベースに散らしています。枚数は適当です。

5.サイドボードを考える

さて、メインボードでエスパーミッドレンジと戦える(と思っている)デッキを組みました。しかしこのデッキはランプに対しては弱い(と思っている)です。
細かい除去が多いため死に札が多いこと。
かき消しを採用していないためアトラクサの着地を防げないこと。
そしてアグロプランは余り考えていないため、「序盤に押し切る」ということが難しいからです。
なので私はサイドボードで対応することにしました。
強迫、軽蔑的な一撃、否認はランプを見たものです。
逆に言うとこれだけはマストと思って入れていますが、他はまだ調整段階です。
1 覆い隠し
1 切り崩し
2 危難の道
1 沈黙を破る者、スラーン
2 強情なベイロス
1 眼識の収集
1 温厚な襞背
広く浅くで除去を多め、除去対策1枚、墓地対策兼置物破壊1枚、ドロソ1枚、ライフ回復兼ハンデス対策を2枚としています。
サイドボードに関してだけはこれで大丈夫という回答がないと考えています。必要なことは考えがあってサイドボードを作ること。
例えば覆い隠しは以前から入れている流用で、追放除去が欲しかった(アオウが邪魔だった)ので入れていました。
今なら一巻の終わりでいいかもしれませんね。
もしくは1マナ軽いシェオルドレッドの勅令でもいいかもしれません。
また、これからはアガサの魂の大釜対策も考えたほうが良さそうです。
具体的には羅利骨灰でしょうか。
1枚メイン、1枚サイドに仕込んでも良さそうです。
また、ゴルガリを見て下水王や墓地の侵入者を仕込んでも良さそうです。

こうして色んな相手にサイドを追加しようとするとすぐに枚数オーバーになります。
サイド15枚というのは絶妙ですね。

サイドボードはある程度は切り捨てる事も大事だと思ってます。
これはゲームを捨てるわけではなく、勝てる相手に過剰に取らないということ。
元々の相性が悪くないなら(今回で言えばアグロ系)思い切ってサイドを減らすのも大切です。

6.終わりに

さて、そんなこんなで文字起こししてたら改良が見つかったのでver2

こうして少しずつ改造して、自分の手に馴染むように取捨選択をしていきます。
これがデッキを作ってる最中で一番楽しい。
この作業に終わりはなくて、また1に戻って考え直しです。
よく、「このデッキは固定枠はこれであれだけ自由」みたいなのを聞きますが、本当にそうなのか、こうして試してみるのも一興です。
将来のトップメタを作るのは貴方かもしれません。

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