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文学フリマ東京39 感想文

 文学フリマ東京39で購入、読ませていただいた御本の感想文をのせたいと思います。

『青音色 創刊号』
蒔田涼さん・渡邉有さん・吉穂みらいさん

 「なくて七癖」 蒔田涼さん
 はじめから気になる言葉が満載でした。異形化?、どういう意味なんだろう、わくわくした疑問符がたくさん浮かびます。異形化について解き明かされるにつれて思うことがありました。もしこの現象が本当に起きるならば、私は異形化しただろうなあ、と。思春期の心象風景がひしひし伝わり、私は当時を思い出し、ひりひり。異形化の終わり方がとっても好きです。それはあれっという内に、いつのまにか終わっている思春期のようでした。

 「過去情炎」 渡邉有さん
 重々しく、重厚な文章、怖々とページをめくる私。読み進めるにつれてわかってくる事実。穏やかに時間はすぎるのに絶対に何かあることが伝わってきて物語の行方に不安がつのりました。最後はひえっ、と思わず声が出てしまいました。このあとどうなってしまうの!?、と。人の心の中にある逢魔時をあらわしたような、そんな印象を抱きました。

 「リミッター・ブレイク」 吉穂みらいさん
 私の心にすごくささりました。日常、平穏に暮らして見える自分以外の皆。だけど何かしらを必ず抱えている。うわあー、と共感し、くっ、と自分の悔しかった過去を思い出し。文学フリマに集う皆さん、どうして参加したのか、きっと全ての人に物語があるのだなあと思いました。登場人物たちのその後、気になります。

 素晴らしいお話をありがとうございました!
素敵な出会いに感謝ばかりです。

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