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おばあちゃんと生活はじめました

よくある話ですが、大学卒業後に就職した会社が笑っちゃうくらいブラックでした。(というか、笑うしかない。 いや、泣いてたか)

残業と休日出勤は当たり前で、その手当は皆無。給料日に給与が入ることはまず無く、いつ振り込まれるのかも未定。

それでも善人であったわたしは朝目覚めてから夜寝るまで、仕事仕事仕事仕∞
そしてその合間に生活を詰め込むといった、地獄と言っても過言ではない日々を8ヶ月間続けました。

もちろん「辞めたい」と思う毎日でした。

そんなある日に「まだ21時か」なんて思いながらパソコンに向かっていたら、友人から電話がかかってきたんです。

「一緒にイスラエル行かない?」
「え……行く!!!!!!」

てな感じで2ヶ月後には仕事を辞めて、その1ヶ月後にはイスラエルへ行きました。

もうずっと、「この状況で辞めるなんて絶対無理(鬱)。やるしかないんだ(死)」と思い詰めていたのに、そうとなったら案外あっさり辞めることができたし(なんせ2ヶ月後に辞められたので)、「奉仕なんてやってられっか」の強気モードで仕事も早々切り上げてイスラエルに行く準備も進めちゃって、「なんだ、できるじゃん。」って気付きました。

イスラエルでは、キブツと言う共産村でユダヤ人帰還者とヘブライ語教室で勉強したりボランティアしたりして10ヶ月間楽しく暮らしました。
滞在期間の最後には戦争が起こってしまい帰国は難しいと考えていましたが、運よく自衛隊輸送機での帰国ができ、今はこうして日本にいるわけなのです。

「さて日本で何しようかな〜」と考えるのは楽しかった気がします。どこかに戻る必要はないし、こだわれるほどのキャリアもないし、つまり自由でした。
「また別の国にでも行きて〜」「日本語教育楽しそう」とかあれこれ考えたりして。

でも、これは何と説明すればいいのかわからないのですが、脈略もなく、おばあちゃんの家に行こ〜って思ったんですよね。仕事は後で何とかするとして。

それで今に至ります。帰国して2週間立ちましたが、相変わらず無職です。
でも、なんか毎日楽しい。

仕事がなくて、いつお金がなくなってしまうのかわからないのにこの生活をすること自体が楽しい。
この感覚をわたしは味わったことないな、と思います。
「生活そのものが楽しい」と言う感覚を。

特に大きなことが起こるわけでもない普通の生活ですが、よくみると味わい深いものがあります。特におばあちゃんの生活の知恵はおもしろい。

つい早足で歩いてしまって、色んなものを見落としてしまう(あるいは無視してしまう)のですが、今はちょっと速度を緩めて、それを見たいんですよね。

きっと生活が変われば、またわたしはアセアセしながら生きているのかもしれません。
でもちょっと振り返ってみた時に、こんな生活の豊かさがあったわって思い出せたらいいなって、思います。



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