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竹五郎さんとマナティー〜FUKUSHIMA TRILOGY Ⅰ(54)

〈前回のあらすじ〉
 ようやく自力で静岡県の清水にたどり着いた諒は、タクシーの運転手の計らいで、T大学の近くにある民宿を紹介してもらった。民宿の前で女主人とタクシーを見送ると、その脇を自転車に乗った女の子が、颯爽と走り抜けていった。どうやら本業のかたわら下宿をやっているこの民宿で生活をしているT大生だと思われた。部屋に案内されると、諒はそのまま座布団の上に倒れ込んでしまった。女主人が布団を敷いて、部屋の明かりを消して出ていくと、諒は布団に潜り込み、深い眠りについた。

54・あとにも先にも進めない危うい綱渡りをしてきた

 かおりは食事を終えて何気なく横になった途端に、眠ってしまった。目覚めたときにはちゃんと布団の中にいたことから、黒尾が眠ってしまった自分のために布団を敷き、そこへ運んでくれたのだと、少し気恥ずかしくなった。居間の座卓や座椅子も片付けられていたので、もしかしたら手際のいい女将も手伝ってくれたのかもしれない。だが、起き上がり、部屋を見回しても、黒尾の姿は見当たらなかった。また、どこかの行きずりの女性と床をともにしているのではないかと想像し(例えば、フロントにいた旅館の娘と思しき女給とか)、かおりは何故か嫉妬に似た感情に苛まれていることに、顔を火照らせた。

 ナイロンジャケットとマフラーを手にとって階下に降りていくと、玄関の前で女将と鉢合わせをした。横目でフロントを見ると娘もしくは嫁と思しき女給もいたので、かおりはひとまず胸を撫で下ろした。

「私のツレを見かけませんでしたか?」

 黒尾のことを「ツレ」などと呼んだことも、なんだかくすぐったかった。しかし、婚前旅行のていなので、そうしたことも黒尾を真似て、平然とこなさなければならなかった。

「あぁ、旦那さんね。風呂に入ってのぼせたので、浜に行くって、出ていったわよ」

 女将が嬉しそうにそう教えてくれた。ふとチェックインカウンターに目をやると、道中で買ったカレーパンの包みが置かれていた。おそらく、昨晩のシティホテルのフロントクラークと手を振り合うような仲になったように、すでに女将や女給の懐にも、黒尾は飛びこんでいたのだろう。

 ナイロンジャケットを着て、外に出ると、かおりが吐いた息が、白い塊になって風に漂い、闇の中に消えていった。

 旅館の前庭を出ると、松林の中に続く遊歩道と浜に出る小径こみちがあった。小径を行くと、防波堤にぶつかり、それを越えると長い海岸線と黒い海が広がっていた。生憎、月明かりのない夜だったが、夜空には雲がなく、無数の星が輝いていた。遠くには夜通し稼働している清水港の光が見えた。

 黒尾はワンボックスカーに積んでいたと思しきラグマットを砂浜に敷き、スーツ姿で革靴を履いたまま足を投げ出してぼんやりとしていた。

「わたし、眠ってしまったんですね」
「あ、かおりちゃん。うん、かわいい寝顔だったよ」
「やめてください。恥ずかしいです」かおりは照れながら、靴を脱いで、黒尾の隣に腰を下ろした。「今日も運転、お疲れ様でした」
「かおりちゃんこそ、おつかれさん」

 そう言って、黒尾は傍らにおいてあったプラスチックバッグの中から、缶ビールを取り出し、かおりに差し出した。豪華な晩御飯を平らげたときには満腹で苦しいくらいだったが、ひと寝入りしたことで、胃が随分と軽くなった気がした。

 かおりは黒尾からビールを受け取り、タブを引いた。

「旅の道連れになったことは想定外だったけど、実際のところ、かおりちゃんがいてくれて助かった。挙げ句の果てにあのバカがトンズラしたもんだから、かおりちゃんがいなかったら、しんどい旅になってたよ」
「こちらこそ押しかけ女房みたいで迷惑だったんじゃないかって、心配してたんです」
「あはは、押しかけ女房ね。いや、優柔不断なまことには、それくらいのほうがいい」

 そう言って、黒尾は手に持っていたビールを口元へ運び、海からの冷たい風を受けながら、黙ってビールを飲んだ。その姿をじっと見つめていたかおりには、黒尾が遠い夜空の向こうに置き忘れてしまったものを探しているように見えた。もちろん、それが何なのか、かおりには見当もつかなかったが。

 一方黒尾は、かおりが諒を追いかけてこの旅に身を投じた決意を、どことなく想像できていた。もちろん、父親に殴られたこととは違う、別の理由だ。だが、かおりが自ら口を開くまでは、野暮な詮索はしないでおこうと黒尾は決めていた。それが、諒とかおりの間に横たわる壁であるのなら尚更で、それを彼らが解決できようとできまいと、まずは二人で立ち向かわなければならないと思っていた。

「今更なんですけど……」
「どうした?」
「なんで黒尾さんは、諒くんと旅に出て来たんですか?」

 かおりにそう尋ねられ、黒尾は軽く失笑した。あぁ、なんでこの歳のコたちは、何でも理由を知りたがるのだろう、と。

「なんだか、面白そうだから。そんな理由じゃだめか?」

 旅についていくと言ったときに諒にも同じ答えを返した。それは、黒尾の本心だったからだ。

「本当に、諒くんのお兄さんの友達なんですよね?黒尾さん」

 寝起きでビールが回ったせいか、かおりはつぶらな瞳でキッと黒尾を睨んだ。まだ少し瞼が腫れていたせいもあって、なかなか威圧的な目つきになった。

 黒尾は顔を天空に向けたまま、視線だけをわずかにかおりに向けて、ニヤリと笑った。

「もしも、あいつの兄貴と何も縁がないと言ったら、どうするつもりなんだ?」

 黒尾は脅すように声を落とすわけでもなく、年下のかおりを茶化すように軽薄を装うのでもなく、ただ感情を込めずに、淡々と言った。
「もしも諒くんを陥れようとか、騙そうとしているのなら、わたし、許しませんからね」

 しばらく睨み合ったあと、根負けした黒尾が吹き出して笑い始めた。

「やっぱりオレが見込んだとおりだ。かおりちゃんはいいお嫁さんになるよ」
「話をはぐらかさないでください」

 思いがけず大きな声で怒鳴り返されたので、黒尾は肩をすくめて、自省した。

「悪い、悪い。今のはオレの失言だ」そう言うと、黒尾はしっかりとかおりに向き直った。「オレとただしが友人同士だったことに、間違いはないよ」
「本当なんですね」
「ああ」

 黒尾は手に持っていたビールを飲み干し、空き缶を無造作にラグマットの上に放り投げると、座っている姿勢を少し傾けて、尻のポケットから二つ折りの財布を取り出した。そして、財布の中から古びた雑誌の切り抜きを取り出して、かおりに差し出した。それを受け取ったかおりは、スマートフォンのライト機能でそれを照らし、記事を読み上げた。

「『泉にちた天使、マナティー』……」
「もう十年以上前の話になる。家を飛び出して高校にも行かず、浮浪を続けていたオレを捕まえた直が、何故か一番にその記事を見せてくれたんだ」

 記事にはこう書いてあった。

(フロリダ半島沿岸に暮らしているマナティーは、約三千頭と言われているが、ホッキョクグマやパンダと同じく、絶滅の危機に瀕している。マナティーは寒さが苦手で、水温が十五度以下になると死んでしまうくらい繊細な動物だ。本来は天敵を持たないはずのマナティーがそのような苦境に追いやられたのは、他でもない人間が彼らの生息域に入るようになってからだ。むやみにボートで生息域に入り、接触事故を起こしたり、スクリューで傷つけたりして、その個体数を減らしてしまった。それでもマナティーは今でも人間に警戒心を持たず、好奇心と親愛を持って近づいてくる……)

 そこにはマナティーの生態や繁殖能力などについても記述があったが、かおりは冒頭の一節を読んだだけで、その先を読むことができなくなってしまった。

「直は、家でも高校でも爪弾きだったオレを、他の友人と分け隔てることなく対等に付き合ってくれた。オレが高校を中退しなくて済んだのは、直のおかげだと言ってもいいくらいだ。出席日数が足りなくなれば、オレの潜んでいるところ、それは直のような純粋なやつが出入りしちゃいけないところなんだが、そこにやってきては、厳しくオレを叱って、学校まで連れて行ってくれた。その時、どういうわけか、この切り抜きをオレにくれたんだよ」

 黒尾がそう言って、脇に置いていたプラスチックバッグを手で探ったが、そこには空き缶だけしかなかった。うっかりかおりに一本分けてしまったことを忘れていた黒尾が顔を上げると、かおりが手に持っていた飲みかけのビールを差し出していた。黒尾は子供のようににんまりと微笑み、「ありがとう」と言って、それを受け取った。

「初めは面倒なやつに見染められたものだとうんざりしていたのだが、気がつけば、実はオレの方が直の純真に惚れ込んでいたんだな。オレが失ってしまったもの、オレが与えられてこなかったもの。そういうものを、直は持っていた。う〜ん、それはうまい言い方ではないな。大袈裟かもしれないが、直という存在が、オレの純真そのものだったと言ったほうがいいのかも」

 とりとめのない昔話にかおりを付き合わせてしまい、柄にもなく黒尾は恐縮していた。でも、そうした何気ない仕草の中に、かおりは黒尾の、あるいは黒尾が直から授かった純真を見出したようで、とても嬉しい気持ちになった。

「このことは、諒くんには……?」
「まだ、話していない」
「どうして?」

 かおりは、約束していた家の手伝いを果たしていなかった子供を問い質すようにな口ぶりで、黒尾を責めた。

「あいつは、あいつ自身の力で、直を理解すべきなんだ」

 きっと、黒尾はその言葉の中に直だけでなく、諒の父親や母親のことも含めていたのだろうと、かおりは感じた。自分の力で家族を理解しなければ、この先自分自身も見失いかねない。そして、やがて自分が親になったとき、同じ過ちを繰り返さないためにも。

「会いたかったなぁ」
「直にか?」
「うん」

 かおりは直のことを自分の純真だという黒尾を羨み、直とともにピッピやベーブとの時間を過ごした竹さんのことも羨んだ。

 直は、言葉も話せず傷みも訴えられないマナティーを傷つける人の強欲を恨んでいたのだろう。そして、自分もまた無垢な動物を支配しようとしている人間の一人であるさがを恨み、それでも人間の営みを支えるために原発に従事しなければならないもどかしさの中で葛藤を続けていたのだろう。その結果、彼は人でいることを放棄した。決して死を選んだのではなく、直は人ではない他の何かになろうとしたのだ。それを思うと、かおりはとてもやるせない気持ちになった。自分でもわからないうちに涙がこほれ出し、一度こぼれた涙が、とめどなく溢れ続けた。

 かおりは身体を震わせながら、おもむろに隣にいた黒尾に抱きついた。黒尾の手にあった缶ビールが砂浜の上に落ちて転がり、下向きになった飲み口から、泡立ったビールが零れ、砂に吸い込まれていった。

「おい、どうした?かおりちゃん」

 様々な感情が交錯して自分の手に余るたび、セックスでしかそれを解消できない自分を殺してしまいたいと、かおりは何度も思った。心神を失ったままの父親さえいなければ、自分はこんな身体にならなかったかもしれないと思い、父親をも抹殺したい衝動に、何度も駆られた。だが、その領域に踏み込まなかったのは、もとは自分が死んだ母の身代わりになろうとした奢りがきっかけだったし、その後、自分自身がセックスの快楽に溺れて、父親だけでなく、高木をその捌け口としてきたことで、彼らの共犯者に落ちぶれたからだ。

 あとにも先にも進めない危うい綱渡りをしてきたかおりは、そろそろ大きな決断をしなければならないと自覚していた。

「わたし、お腹に赤ちゃんがいるの」

 黒尾の身体に馬乗りになったかおりが、唐突にそう言うと、思いがけず黒尾はその言葉を冷静に受け止めた。

「そういうことか……」
「えっ?そういうことって?黒尾さん、気づいていたの?」
「いや、確信はなかったけどな、かおりちゃんが取り乱した竹さんや乱暴を働いた親父さんのこと以外に、何か大きなものを抱えて来たんじゃないかって思ってた。そして、この旅でその何か・・にけじめをつけるんじゃないかって感じてた。なんの約束もしていないのに、寒空の下で来るか来ないかもわからない諒を待ってたんだ。よほどの覚悟がなきゃ、そうはできないよ」
「お見通しだったんですね」

 そう言って、かおりは頬の涙を手の甲で拭った。

「それで、腹の子は誰の子なんだ?諒なのか?」

 黒尾に問われ、かおりは小さく首を横に振った。

「主任です。お父さんは私の身体を求めたくせに、娘を孕ませることを恐れて、きちんとゴム・・してましたから」
「主任って、あのヘラヘラした高木ってやつか?」
「うん、黒尾さんが水族館へ柳瀬結子さんを連れてきたとき、私と一緒に出迎えた人」
「若い頃は、ああいうタイプの輩を見ると、理由もなく殴りつけていたもんだ」

 そう言って黒尾が鼻息を荒くすると、かおりは再び黒尾に縋りついた。

「悪いのは、わたしだから」
「もしかして、父親に殴られたのも……?」
「わたしからお父さんに打ち明けたの。遅かれ早かれわかることだし、お父さんとの歪んだ暮らしにも終止符を打ちたかったから」

 かおりがそう告白すると、今度は黒尾がかおりの小さな身体に腕を回し、その腕に力を込めて、かおりを抱きしめた。

「こんなちっこい身体で、そんなでっけーもんを背負ってたんだな。辛かっただろうな」

 黒尾がそう言うと、かおりは再び黒尾の胸で声を上げて泣き出した。そして、泣きじゃくったまま顔を上げて、酸素の届かない池の底から新鮮な空気を求めて浮き上がってきた鯉のように、黒尾の唇に荒々しく吸い付いた。

 自分が病気で母親を失ったのは、直がこのマナティーの記事を見つけたのと同じ歳の頃だ。直がマナティーの生息域を侵害する人のごうを悲観した一方、妻を失った心の隙間を埋めることができないまま自分の娘を独占しようとする父親の業を、かおりは悲観していた。ただ、直はそれを是正するがために立ち上がり、医学部ではなく、海洋生物とその環境を学ぶ道を選んだ。

 果たして自分は、どうであったか。

 父親の慰めの道具に甘んじ、職場の上司の玩具おもちゃに甘んじてきた。その中で、自分と同じように心の一部を欠落させた諒に出会い、互いに欠けた部分を補い合っていけば、生きていけそうな気になっていた。

 それは決して間違った展望ではなかったが、父親のことも高木のことも有耶無耶にしていたのがいけなかった。

 かおりは的確かつ迅速に黒尾のベルトを外し、スーツパンツのファスナーを下ろしていた。過去の自分と決別するのだと言っても、お腹に新しい命を宿らせていても、身体の芯から湧き上がる衝動に、かおりは抗えなかった。

 ボクサーショーツに左手を滑り込ませ、黒尾のペニスを探り当てると、かおりはそれを握り、弄んだ。しかし、ほどなくして黒尾のボクサーショーツの中に突っ込んだ手の動きを止めた。

 黒尾のペニスは諒や高木や父親のように憤らず、子ネズミの屍のように柔らかな形のままかおりの手の中にあった。静かに黒尾の唇から離れると、かおりの唾液にまみれた黒尾の顔は、マネキンのように無表情だった。

「悪いな、かおりちゃん。生憎、オレ、EDでね」 
「イー、ディー?」
「勃起不全だよ」

 そう聞いて、かおりの頭の中では、女性との交友に長けている黒尾と勃起不全がすぐに結びつかなかった。

「黒尾さんが結婚をしないのは、もしかしてその病気を気にして……?」
「そんなことはない。今では体外受精もできるし、養子だって持つことができる。たかが勃起しなくなったからといって、人生を悲観したりしないさ」
「昨夜の居酒屋の女の子とは?」
「あはは、挿入するばかりがセックスじゃないよ。オレもこの病気とは長く付き合っている。でも、EDだからって、誰かに感染するものでもないし、まして、女に興味がなくなるわけでもない。だから、挿入すること以外で女性を喜ばせるテクニックを、自分なりに磨いたつもりだよ」
「そうなのね……」

 誰もが傷を背負って生きている。浜辺に座り、一人で遠くの夜空を見上げていた黒尾も、決別した家族や自分の身体の病気を背負って生きていたのだ。

「じゃあ、黒尾さん」
「ん?」
「私を、慰めて」

 そう言って、かおりはナイロンジャケットやスウェットシャツをスルリと脱いで、自らブラジャーを外した。暗闇の中で、かおりの白い背中と大きな乳房が、羽衣を奪われた天女のように、光り輝いた。

「もう、誰かを可哀想だと思ったり、身体で慰めようとはしない。もう、これが最後」
「オレでいいのか?」
「百戦錬磨なんでしょ?」

 かおりにそう言われると、黒尾の中のいたずら心に火がついた。

「あぁ、泣く子も黙るゴールドフィンガーだぜ」

 そう言って、黒尾がかおりが穿いていたキルトのラップスカートの隙間から手を差し込むと、あっという間にその指はショーツの脇から滑り込んで、かおりの陰部に届いた。その刹那、かおりが小さく呻いた。

「わたしね……、んっ……、もう危うい綱渡りをやめるんだ。あっ……」
「綱渡り?」
「あちら側にはお父さん……、んっ……。こちら側には高木主任……、ハァ……。もうどちらにも進めない」
「でも、綱の下は奈落の底なんだろ?」
「うん、そうかもしれない。でも、きっと諒くんが受け止めてくれる……。んっ……」

 そして、黒尾が次第に激しくラグマットの上に仰向けになった小さな天女を責めると、天女は激しく悶え、黒尾の腕に爪を立てた。

「あ、あ……、諒くん……!」

 やがて天女は故郷の星に別れを告げるように、天に届くほどの喘ぎ声を発して、果てた。 

 竹五郎さんとマナティー〜FUKUSHIMA TRILOGY Ⅰ(55)につづく…。

〈あらすじ〉
 父親を心中で、兄の直(ただし)を自殺で立て続けに失った諒(まこと)は、塞ぎ込んだ母親を見守りながら、希望もなく、しかし絶望もない日々に、ただ身を委ねていた。ある日、父親の墓前で謎の女に出会ったことやその女から水族館に関する本が送られてきたことで、諒の心が少しずつ揺らぎ出した。やがて、水族館で働き始めた諒は飼育係の竹五郎さんや気立てのいい女性事務員、突如現れた直の友人と関わるうちに、兄が残した遺産を辿る旅に出る。生きづらさに翻弄される人々が、遠くの星の輝きを手繰るように、手放した希望や救いを取り戻そうとする物語。福島第一原子力発電所事故を記憶に留めるために筆者が書いた渾身の「原発三部作」の第一部。第二部は『出口は光、入口は夜』、第三部は『CLUB ONIX SEVEN STEPS』。

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