実写版ワンピースめっちゃ良い!!!
ネットフリックスの実写版ワンピース見ましたか!?
わたしは字幕版と吹き替え版で両方見ましたよーー!
実写版が楽しみすぎて、ジャンププラスで空島編まで読み返してました。。。 キッズの時はミス・オールサンデー(敵時代~仲間として馴染みきれていないW7くらいの頃)が大好きすぎて、グッズを集めていましたが、今となってはクロコボーイもキャラデザが良すぎて、クラクラします。。。
現在のエッグヘッド編も面白いんですが、イーストブルー編のワンピースはまさに黄金時代といった時期で、2~3巻程で1つの島の冒険というペースで進行するのが今ではあり得ませんね~!せっかくなので、今回は実写版の個人的な是非を記していきたいと思います。オリジナル展開のネタバレ含みます。
実写版ワンピのここがスゴイ!
医者の俺が言うんだから間違いない
麦わらの一味の再現度
既に各所で評価されまくってますが、本当に麦わら一味の再現度が素晴らしいです。個人的には、一味全員最高にハマっていると思いました。
その中でも、ウソップの俳優さんのハマり具合が神がかり的としか言いようがないと思います。長鼻の再現がされなくても、雰囲気のみで似せられるのは本当に素晴らしいです。特にアニメ版(新世界編前)ではロビンと同様で漫画版の設定とは別に、浅黒めに肌が表現されていたので、その点がキャスティングの方にも反映されていたのかもしれません。SBSの方で以前、尾田先生が語られていた麦わらの一味のイメージ出身国(もしくはキャラそのもののイメージと合う国)はキャスティングにも影響があると考えます。ゾロの俳優さんに日本人の方がキャスティングされたのも、SBSでのこちらの設定と関連性は指摘できそうです。
また、ゾロは原作よりもギラついたおっかない人物として描かれている点が、賞金稼ぎという設定が活かされていてとても面白かったです。原作ではウイスキーピーク編の台詞の中で語られるのみだったバロックワークスのMr .7と対峙する一幕も、ゾロの狂犬っぷりを強調する良い改変だったと思います。その上、SBS上で描かれていた当時のMr.7の姿とされるイラストがそのまま再現されていて、細かさに感動を覚えました。
道化のバギー(本物)
バギー編はオリジナル展開がメインになるものの、原作の雰囲気が損なわれていないという改変が素晴らしかったと思います。バギーの出番の優遇は、現在のワンピースのエッグヘッド編に至るまでの展開を考えると理解できます。
バギーの描写がほぼケフカ、もとい狂気の殺人ピエロで、人の感情すらも物として扱っているような恐ろしさが原作オダセン聖の尊厳破壊の文脈を受け継いでいるようにさえ思えます。また、バラバラの実の覚醒なのか、耳だけを飛ばして忍ばせる盗聴器のような使い方をしている点が印象的でした。バラバラの実って、可動範囲(尚且つ当人がコントロールできる有効範囲)に限界があったはずでは…?
シャンクスへの重い感情が強調されている点も良かったです。
消えた ドン!
ワンピと言えば、「ドン!」 背景に空白があれば書かれがち。他にも、びちょびちょに鼻水を垂れ流しながら泣いたり、シリアスなストーリーの中にもギャグが差し込まれがち。
この辺りの描写で好き嫌いが分かれがちですが、実写版ではこの辺りが淡泊に描かれていて、より見やすくなっているのではないかと思います。
ロマンスドーンのDNA
本作のルフィは、良い海賊と悪い海賊とを区別しているようです。良い海賊にはシャンクスが挙げられルフィもこちらを目指しており、悪い海賊にはアルビダやバギーなど弱者を虐げる奴らを挙げていました。ここまでだと、読み切り版ワンピ(ロマンスドーン)の“モーガニア”と“ピースメイン”の設定を思い出します。
原作においてのルフィ達は、困っている人には手を差し伸べるスタンスではあっても、町で盗みを働いたり(主に食い逃げ)、暴れる描写は多々あった気がします。そしてルフィは魚人島編のセリフで、「海賊は肉で宴をやるけどヒーローは肉を人に分け与える奴の事だ!! おれは肉を食いてェ!!!」とジンベエに語ったように、自分自身は正義の味方というわけではないと自覚しているようです。
ルフィの行った決定的な悪行の例としては、インペルダウンに収監されていた極悪人達の脱獄に加担したことでしょうか。あくまでもルフィは、自分本位で生きたいがゆえに海賊という生き方を選んだということなのだと思います。また、バスターコールの例のように、海軍達も絶対的な善とは描かれていないので、そのような正義のあり方の世界ゆえに、夢を叶える手段として海賊になっていると捉えられるかもしれません。
実写版では、徹底的にルフィの描写の中からコンプラ違反ともいえるような言動が削除されているように感じました。そういった点では、ある意味上記の魚人島編のセリフの「ヒーロー」という概念は実写版ルフィに当てはまりそうです。例えるなら、ドレスローザ編までが実写化されたら、ルフィがピーカの声を笑うシーンがカットされるとか。
また実写版の新機軸として、海軍においてもこの善悪の視点のある点が面白かったです。イーストブルー編ではモーガンやネズミなど、分かりやすく腐敗している海軍将校が登場しますが、そういった悪に対してガープとコビーたちは信念を持った海軍として描かれていたと思います。本編の直情的で粗野なイメージのガープと比べると、かなり理知的だったと思います。海賊になることを強制された海軍将校志望のコビーと、祖父に海兵になることを強いられていた海賊ルーキーのルフィという対照的な2人の運命が交錯しているように感じられる構成が面白かったと思います。
失ったものばかり数えるな!!!
全体的なクオリティは高かったゆえに、気になった部分について
アーロンパーク編全般
他の部分がクオリティ高めだったために、特にこの話の改変の仕方だけ気になってしまいました。
冒頭からコビーに出会うまでの流れの中では、幼少期ルフィとシャンクスの回想を後ろ倒しに、アニメ版と同様にルフィの旅立ちが先行して描かれる点が印象的でした。ルフィとゾロ、ナミがシェルズタウンで出会うという点も、ドラマ版の限られた話数と進行のテンポの観点からもとても良い再構成に感じました。シロップ村の話の部分の改変は、ウソップとカヤの関係性が主軸に置かれて語られていて、これはこれで良かったと思います。バラティエ編も、ミホークが本編よりも少し本気を出したという程度の、本編と別の可能性の世界だったと言えるかもしれません。なにより、コビーとガープによる海軍側の話がルフィの冒険と並行して語られる点は、原作の扉絵連載を彷彿させるので、原作へのリスペクトを強く感じました。
そういった流れの中で、アーロンパーク編でココヤシ村の住民達がナミの実情を知らずにアーロン一味に加わった点を憎んでいるという改変は、原作を読んでいる人間からすれば悲しかったです。そのような改変のために、原作では村人たちとナミの事情の両方を知りながらも唯一直接ナミを支えていたノジコの存在意義も希薄になってしまっているように感じました。
ノジコの刺青の意味
アーロン編のストーリーが改変された都合で、ノジコの刺青が単なるファッションの一つになってしまったことが惜しく感じました……
ノジコの刺青は、村のためにアーロン一味に入らざるをえなかったナミが、幼いながらに一味の証を肩に彫られたことに対してねぎらう意味のものです。
話題に挙がりがちな、実写版でノジコがナミに唾を吐くシーンと相まって、単なる不良女子みたいになってしまっている気がします。個人的には女優さんのキャスティングも良かったと思うので、本当に惜しく思います。
全体的に見やすいのでオススメ
個人的には、これまでのアニメ実写版系列の中でもトップクラスで面白かったです。程よい再構成・改変によってより見やすくなっているように感じました。
背景美術も世界観にきちんと説得力を持たせていて素晴らしかったです。個人的には、オリジナル展開のゼフの活躍を含めてバラティエ編が好きでした。今から続編が楽しみです。