【新すばらしきこのせかい】をクリアしました~!すばせかオタクの感想
「すばらしきこのせかい」(以下、初代)からは14年、
「すばらしきこのせかい Final Remix」(以下、FR)からは3年経ちました。
待ちに待ったというよりも、まさかまさかな新作でした。
そして、期待を裏切らず、最高でした。
序盤や、前作のネタバレはありますが、核心に迫ることは書かないつもりです。
※発売してすぐにクリアしておりましたが、諸事情でシークレットレポートを回収しきったのはつい最近でした。
ここは、あの時から変わった渋谷
「新すばらしきこのせかい」(以下、新すば)は前作から3年後の渋谷が舞台ではありますが、リアルタイムでは14年が経過しており、街や人々の様相が大きく変化しています。
現実世界とリンクして104ビルのロゴが変わり、2012年に開業したヒカリエもマップに加わっております!
以前、渋谷に遊びに行ったときに駅で軽く迷子になって、ハチ公口ではなくヒカリエの方に出てしまって、さらに迷った記憶があります…。が、回遊歩道(渋谷ストリームのあたり)からの眺めが素敵でした!宮下公園も空中庭園みたいになっています!!
人々の携帯電話もガラケーからスマートフォンに進化しています。死神ゲームの情報伝達にSNSが使用されるようになったのにも、“今”を感じました。
概要
ある日、高校生のリンドウとフレットが渋谷で突如、「死神のゲーム」という謎のデスゲームに巻き込まれてしまいます。理不尽なゲームの中で成長していく主人公のリンドウの姿が必見です。
キャラ
前作すばらしきこのせかいでも、主人公のネク君の成長が主題の一つでした。ネク君の抱える悩みと、リンドウの苦悩はまた別物です。
悪く言えばリンドウは、自分の意見を出すことなく人の意見に乗っかりきりな、主体性のない子です。さらに、行動の責任を負うことを避けているフシがあります。
ヘッドホンで人の話を聞く耳を塞いでいたネク君、そして今作のリンドウはマスクで自らを語る口を隠しています。デザインに主人公の問題点が表れているのがとても面白いです。
ゲームのストーリーが進むにつれて、パーティーメンバーが増えるのが今作の特徴。前作は終始パートナーと二人きりでしたが、今作の最終的なパーティーはかなり賑やかなものになります。戦闘中のキャラクター同士の掛け合いや、ストーリー中の会話も温かくコミカルで、わちゃわちゃした仲良し具合がとっても良いです。飲食店に立ち寄った時の反応もそれぞれの個性が表れていて好きです。
最もプレイ前後で印象が変わったのはナギちゃん。とっつきにくそうな印象とは打って変わって、弁えのある古き良きオタクです!チームの参謀として大活躍します。
そして、特に最近のゲームらしさを感じたのは、彼女の扱われ方。ナギちゃんはパーティーの中で貴重な女子だけど、紅一点的な扱いがされることもなく、頼れる仲間・戦力として、あまり性が意識されない扱いだったなと個人的に思います。ビジュアルに関するリンドウ達からのコメントは「中学生だと思った……」というもので、オタク特有の垢抜けなさから来る年相応に見られないやつです……。無駄に生々しくて爆笑しました……。以下、ネタバレは序盤の部分くらいの各キャラの雑感。
リンドウ
顎マスクの少年。人に迷惑をかけるタイプではないが、しっかり成長が描かれるまでめんどくさい部分がある。個人的な意見として、自分自身が「天才」「優秀」でなくとも、優れている人の力を素直に認めて頼ることができる、という点ですごいと思う。仲良しのフレットと白スニーカーでおソロになっていて微笑ましい。フレット
マフラーのイケイケボーイ。本名がカッコイイ。パーティーで貴重なコミュ強の陽側の者。空気が読める。ナギ(ナギセン)やライバルチーム「ヴァリー」のカノンさんに絡んでる時が輝いている。
ナギ
推しの尊みが深い女性。正直、プレイするまではビジュアルでドン引きしていたものの、ギャグ・ブレイン担当をやりつつ空気の読める才女で、メンタルも強い。相手の気持ちが推し量れるという点でコミュ強。実はパーティーで最年長説がある。推しのトモナミ様本体はおそらくグリーンがイメージカラーなので、印象的な痛リュック本体の紫は補色に近い色になっていて、おしゃれな推し方してる。ミナミモト
円周率をずっと言い続けられる男。前作から続投し、さらにプレイアブルキャラに昇格する。スタッフから寵愛を受けている男。前作よりコミュニケーションが取れなくなってるけど、協調性はある気がする。実は甘党という衝撃事実。飲食店では始終黙ってるのかと思えば、たまにコメントを言う気がする?!ショウカ
にゃんタンパーカーのツンデレ女子。ネタバレウーマンなのであまり書けない。MC■のリュックを愛用してそう。同じノムリッシュのFF14のガイアちゃんやショウカの系統が今の野村さんのトレンドと思われる。ネク?
バチクソにネタバレマン。なにもコメントをすることができない。なお、公式サイトはネタバレ満載で注意です。
なお、キャラデザインが何名かのスタッフさんで分担されているため、キャラそれぞれのファッションの傾向が細分化されていて、とても良いなと思いました(小並感)
前作との繋がりなど
今作は主人公のリンドウ視点で物語が進むので、そういった意味で前作を未プレイであっても楽しめるようになっていると言えます。前作をプレイしていれば最高~に楽しめますが、やや問題点があります。
気にならない程度ではあるもののアニメオリジナルの要素と、前述のFRによる追加要素が混ぜこぜになっている点です。以下、すばせかシリーズの発売年表です。
すばらしきこのせかい(2007年、ニンテンドーDS)
備考:DSの2画面を活かした、ボタンとタッチ同時操作のバトル。両手が忙しすぎて脳汁が出る。すばらしきこのせかい Solo Remix(2012年、Android、IOSアプリ)
備考:初代のリマスター版といったもので、キャラのグラフィック刷新とともに、1画面のみのタッチ操作に。スマホ横持ち。パートナーの操作、ミニゲームは実質削除でかなりシンプルに。エンディングで次回作を仄めかす1枚絵が出る。すばらしきこのせかい Live Remix(2013年、ソーシャルゲーム)
備考:あまりストーリーが掘り下げられないまま2014年にサ終。操作等はSolo Remix準拠、スマホ縦持ち。アタラシココの本格的な登場はここから。すばらしきこのせかい Final Remix(2018年、ニンテンドーSwitch)
備考:Solo Remixの移植+ストーリーの追加。リモコン操作か、タッチ操作を選択できる。ここで、マイク機能を使用した操作が無くなる。リモコンおすそ分け機能で、パートナーの操作も可能(1人での同時操作で初代のような脳汁バトルも可能)。追加ストーリーが新すばに繋がっている。すばらしきこのせかい The Animation(2021年、テレビアニメ)
備考:初代のストーリーをアニメ1クール分に圧縮。かなり親切にストーリーの説明がなされているものの駆け足気味なので、初見の方向けと言うより、既プレイの方のストーリーおさらい向け。初代のかなり細かい裏設定に準拠している部分があったり、オリジナル設定が新すばに繋がっていたりする(ただし、ストーリーに関わらないとても細かい点)。ややヨシュアの出番が優遇されているきらいがある。新すばらしきこのせかい(2021年、ニンテンドーSwitch、PS4、Steam)
備考:初代の続編というよりも、FRの続編と言える。マルチプラットフォーム化により、タッチ操作は削除されて完全ボタン操作になっている。
すばせかシリーズは全部プレイ・視聴経験がありますが、ソーシャルゲーム「すばらしきこのせかい LIVE Remix」(以下、LR)以外は初代の移植+α(アニメも初代ほぼ準拠ストーリー)になっています。しかし、FRにて追加された後日談がかなりの急展開なので、いくら過去作をプレイしていても、これを見ていないとモヤッとする部分があるかも....…
個人的なストーリー全般の感想として、前作では死神のゲーム中にイレギュラーが起こりまくるのですが、今作ではしっかり死神のゲームを体験できたのが良かったなと思います!
ゲームシステム
バトルやステータス、グラフィックやBGMに関して書いていきたいと思います。
バトル
今作は3DアクションRPGです。ボタン1つ1つにアクションが割り振られており、直感的な操作が可能です。
また、コンボによってシンクロゲージが溜まり、強力な必殺技(マッシュアップ)が発動可能!
また、パーティーにいるキャラクター全員に、好きなアクション(サイキック)を装備させられます。サイキックはそれぞれ缶バッジになっており、対応したアクションが発動できるようになっています。
過去作では、主人公のみが様々な缶バッジを装備して、パートナーは固有のサイキックで戦っていたので、今作のシステムはかなり面白い試みだなと思いました(小並感)
なお、パーティーメンバーの数がそのまま使用可能なアクション数に繋がるので、序盤の少ないパーティーのままでレベル上げや金策をするのはかなり非効率的です。かと言って、フルパーティーになるまで、かなーりプレイを進める必要があります....…。自分は中盤~後半くらいからステータス上げを頑張ってた記憶があります。
すばせかシリーズは、2周前提のシークレットエンディングがあるのが恒例で、さらにクリア後に開放される要素も多いので、1周目はバッジ集めやピグ討伐などあまり気にせずに駆け抜けるのがいい気がします(それでも、クリアに6~70時間ほどかかりました)。
フィールドやグラフィック等々
リアルな渋谷の街並みが再現されており、今作では3Dでの表現になったということで、よりマップもリアルになっていますね!マンガアニメ的なグラフィックがそのまま3Dになっている「トゥーンレンダリング」というやつでしょうか。ゲーム内でのムービーもまさにアニメ調なグラフィックで、作風にピッタリで素敵です。
装備やステータス
装備品はおしゃれな服!ステータスを上げるのは食事!と、リアルながらもゲーム性のあるシステムが何と言ってもすばせかの醍醐味!
よりファッショナブルで強力な装備を身に付けるには、「センス」のステータスが必要になります。センスは他のステータス同様、食事によって上げられます。リアルに則していながら、尖ったシステムに仕上がっているのがとても好きです。
食べ物は店内で実際にキャラが食べるので、その反応を楽しめるのが面白いです。各キャラに好きな食べ物の傾向が違ったりするので、1つのお店で皆が楽しめる食事を考えるのに苦労したり…!
このような、様々な場面で必要になる買い物は、かなりスムーズに済ませられる上、食事に関すれば「いつもの」によって前回と同じものをリピートできる機能があるので、ゲームのテンポを損なう感じはありませんでした~。
BGM
様々なジャンルのボーカル入りBGMがガンガン流れるのがすばせかの醍醐味!!
新曲から、前作でもお馴染みのものまで揃っています。なんと言っても、ボス戦で用いられる、「各ボスを象徴するような曲」がそれぞれとても良かったです…!
以下余談。
すばせかというIPについて
出るまでの経緯
初代の発売からは14年が経っての発売となりましたが、それまでに上記のように初代のリマスターや移植等が出ていました。そして、2020年にアニメ化発表と共に、発売が発表されました。
リマスター・移植等が発表されるという予告がある度にカウントダウンがあり、毎回ファンが「続編か否か」で盛り上がっていたのが恒例行事みたいになりつつあったところ、2020年に突如アニメ化が発表!!そして、新作まで来てしまうということでホントにびっくりしました……
また、以下が開発スタッフさん方の語る制作の経緯です。
FRの時から既に開発が始まっていたということで、実質3年ほどの開発期間となるのでしょうか~。
また、同時期に「FINAL FANTASY IX」(以下、FF9)、「聖剣伝説 Legend of Mana」(以下、聖剣)のアニメ化についても発表がありましたね。2022年には「NieR:Automata」(以下、ニーア)のアニメ化が発表されて、執筆現在、テレビで放映されています!
スクウェア・エニックスさん(以下、スクエニさん)でのゲーム作品のアニメ化は、古くは「勇者アベル伝説(1989)」(厳密にはエニックスさん)や、「FF:U(2001)」(厳密にはスクウェアさん)など、人気シリーズの世界観をベースにオリジナルストーリーというものであったり、
※アニメ放送の年をカッコで記しています。
「ガンストリンガー ストラトス(2015)」や「ロードオブヴァーミリオン(2018)」等のアーケードゲームもアニメ化していますが、大体がオリジナル展開を盛り込んでおり、原作そのままなアニメ化でなかったはずです。(LOVアニメに関する情報が少なくて、はっきりと断定できません笑)
また、ソーシャルゲーム系からも「スクールガールストライカーズ(2017)」(以下、スクスト)や「叛逆性ミリオンアーサー(2018)」や「グリムノーツ(2019)」等もアニメ化しており、特に「叛逆性ミリオンアーサー」はゲームと同時展開されるという面白い試みがされていたとのこと!スクストに関しては、私も一部視聴しておりましたが、原作の設定を軸にオリジナル展開がなされていたと思います。(調べたこれら中でも、主人公がプレイヤーというソシャゲの性質上、大体がオリジナルストーリーであったり、原作のストーリー準拠でも途中で終わるような感じでした~)
そんな中で、コンシューマーゲームが原作のすばせかや聖剣、ニーア(現在絶賛放映中なので2023 3月現在のところ)は原作準拠で、更にエンディングまでストーリーをアニメでやりきる感じです。その流れで恐らく、FF9も原作のストーリーを追っていくものになるのだと思われます。
「なぜ、今になってすばせか(聖剣)のアニメ化?」というような声がよく見られましたが、聖剣に関して言えばソシャゲの「ECHOES of MANA(2022)」との同時展開によるメディアミックス戦略なのではないでしょうか。
すばせかのアニメ化に関してははっきりとした経緯は不明ですが、初代の発売から数年おきにすばせかに関する新展開があり続けていたこと(上記の表)が関係していると言えます。また、「キングダムハーツ」シリーズ内でもすばせかのキャラクターが登場したり、(ネタバレ!)で(ネタバレ!)が出てきたりするので、スタッフさん達もずっと大事にすばせかの世界を温めていたのだと思います……
売上など
以下は、ファミ通さんで上がっていた初週売上です。
初週売上は合算して、2万8047本ということになりますね。
同じスクエニさんの、最近の作品の初週売り上げを見てみましょう。
ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン
備考:ドラゴンクエストシリーズ10作目かつ、オンラインゲーム。とうとう運営が10年を超えたオンラインゲームのオフライン版。現在Ver.6までストーリーが続いている中の、1~2までがコンシューマーRPGとしてリメイクされた。Switch、PS4、PS5。
ヴァルキリーエリュシオン
備考:ヴァルキリープロファイルシリーズの5作品目。コンシューマーゲームとしては、14年ぶりの新作。過去作との直接的なストーリーの繋がりはないものの、世界観を共有している。PS4、PS5。
こちらの合算本数は4万362本となりますね。最後に、もう一本引っ張ってきます。
スターオーシャン6
備考:6年ぶりのスターオーシャンシリーズの最新作。こちらも過去作とは直接的な繋がりがないものの、世界観を共有している。PS4、PS5。
合算本数は、4万4178本。
新すばは上記のゲームの中ではメタスコアも一番高かったりしますが、売り上げは振るわなかったと言えます。他のゲームと比較した際に、アニメ展開やリアルイベントの開催など、様々な宣伝がなされていたというような点も含めて、厳しい結果になったと考えます。(素人考えです)
NEO: The World Ends With You Critic Reviews for Switch - Metacritic
『新すばらしきこのせかい』売上は、「当初の想定を大幅に下回る」結果に。ユーザー評価とのギャップ - AUTOMATON (automaton-media.com)
2021年11月5日開催 第2四半期決算説明会概要 (square-enix.com)
個人的なコメントです。私も知り合いにすばせか(初代)のプレイを勧めないということはないのですが、途中で詰まってしまうということが少なくはありませんでした。
「操作が難しい(独特である)」、「敵が強い」、「ミッションの缶バッジをどこで入手できるか分からない」というような部分で詰まってたかなと記憶してます。すばせかは独自のシステムや設定が尖っていて、ドラクエのような王道RPGとはゲーム性の部分で方向性が違うのが特徴と言えます。
新すばは過去作から、より遊びやすくブラッシュアップされ、現代的にアップデートされていると言えます。ゲーム性に関して、ユーザーからの評価は決して低くないものでありました。
しかし、すばせからしさを突き詰めていく方向性は、ゲーム性の観点から言えば正当進化と言えますが、新規のプレイヤーやライトなゲーマー層にとっての入りずらさに直結すると言えます。また、続編が出るまでの14年という年月も、少し長すぎたのかもしれません。個人的には、最近のスクエニさんでもこんなに激アツなゲームを作れたのか…!という感動でいっぱいだったので、もっと売れて欲しいなと思っています。
🐱読んでくれたすべての存在に愛をこめて感謝しよう🐱
🐱この先のすばせかに期待している🐱