【ジョーカー】不幸マウントもこの作品の花
超話題作、映画「ジョーカー」を遅ればせながら私も見てしまいました。その雑感です。
被害者としてのジョーカー
今作で際立っていたのは、バットマンの宿敵であるジョーカーの被害者的な側面です。元は持たざる不幸な青年であったという点が強調されていました。
「ダークナイト」の悪のカリスマ的な描かれ方や「スーサイド・スクワッド」のスタイリッシュな描かれ方とはまた違ったジョーカーが生まれました。
先天的な脳の異常で、感情に関係なく笑ってしまう障がいに悩まされるアーサー。働きながらも日々母の世話をして、いつしかコメディアンになることを夢見ます。しかし、全てを踏みにじられ、どん底に落ちる不幸なアーサー。悲劇的な人生の中、アーサーはジョーカーとして生まれ変わり、悲劇は喜劇に塗り替えられていきます。
しかし、そのように持たざる者から持てる者(暴力的な意味で)にアーサーが変貌できたのは、悪としての才能があったからこそだと思います。物語の後半、ジョーカーを模したピエロ仮面の暴徒が多く現れます。政府批判に地下鉄殺人のピエロ(ジョーカー)を担いだのが事の発端で、彼らはジョーカーを崇拝する集団に化していくのでしょう。
誘発される不幸マウント
アーサーの境遇に対して「自分の方が不幸だ」とか「自分の方が辛い」とかって思えてしまう人もいると思います。自分も、「自分なんか、アーサーの家の半分くらいの広さの家に、4人でギチギチで住んでる!辛い!」とか「大道芸人の給料で、母を養いつつ家を借りて暮らせるし、ショーパブに行く金もあるなんて恵まれてるな!!」などと少し思ってしまいました笑
こういった不幸でマウンティングしても非建設的でキリがないというのは、日々生きていてしみじみ思います。幸せ、不幸せはその人の受け取り方であり、絶対的な幸せ(もしくは不幸)は無いと言えましょう。
しかしながら、不幸マウントで勝つことなんかより、本人が幸せになることの方が絶対良いはずです。みんなで幸せになる道が一番いいに決まってるよね?!
笑顔の仮面をかぶれ
めちゃくちゃ余談ですが、
「Put on a happy face:笑顔の仮面をかぶれ」
この表現どこかで見たな、と思いました。
(Put on your happy face!:幸せな顔をしよう!)
WE HAPPY FEW
インディーズゲームの「We happy few」をご存知でしょうか?!インディーズゲームながら、とんでもない作り込みのゲームです。ジャンルはホラーサバイバル。
(↑このゲームのイメージを掴める曲。とても好きです。)
薬漬けで洗脳されるディストピアから逃げる話、といったところの本作に出てくるポスターのssでした。
さらにこのゲーム偶然にも、最初の主人公の名前がアーサーです…。