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アベックラーメンと高菜

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「アベックラーメン」

知ってます?熊本のヒトはおそらくわかるでしょう。五木食品が出している塩味スープの棒ラーメンです。アッサリ目の塩味なので、どんなトッピングも受け止めてくれます。調味油のあの風味も独特でとても美味い。麺がスープを吸ってすぐ柔くなるんですが、それもまた良い。😚🍜

私はこのアベックラーメンが、うまかっちゃんに次いで好きなのです。実は、少しだけ思い入れがあったりします。

私の実家で作る家ラーメンと言えば、専ら野菜がたっぷりのうまかっちゃん豚骨味でした。ちゃんぽんレベルでたっぷりの野菜とかき玉卵が麺と一緒に軽く煮込まれた、どちらかというと健康志向で、育ち盛りの私にとっては少々刺激にかけるような、それでも今思い返すと優しくて味わい深い「お母さんが作る家のラーメン」でした。🏠

私はそのラーメンをなんの疑問もなく、普通に美味しく食べていました。たまーーーにカップヌードルとか、サッポロ一番とか、出前一丁とかを味わった記憶が薄くありますが、実家にいる間はうまかっちゃんの1強でした。

時は中学1年生のお正月過ぎ。お母さんの実家に泊まっていた時のお話です。お正月の帰省という事で、私たち家族に加え祖父母、さらに叔父叔母に加えいとこが揃い、総勢10人ほどとそこそこの人数でお正月ののんびり時間を過ごしていました。私の家では、朝や夜はおせちなんかの和食ごちそうが出るんです。美味しいのですけど、和のものが続くと、もっとガッツリ系を食べたくなるのは真理やと思います。その時もそうでした。

ふと、叔母がお昼ご飯の話題を振りました。

👩「お昼ご飯、何にする?ラーメンでいい?」

こんな感じだったと思います。今は正月、親戚大集合で大人数。大鍋で一気に手早く作れるラーメンは、最適なチョイスだったのでしょう。

私はと言うと、初めてお母さん以外が作る「家のラーメン」を食べられるとあって、内心ワクワクしていました。今でも覚えてます。昔から食いしん坊だったんやね。その時の私はうまかっちゃんに染っていたので、勝手に「ラーメンはうまかっちゃん」という前提の元、叔母はどんなトッピングをするんやろ??などと考えておりました。

叔母は鍋を用意して、ラーメンが入ってると思しき袋に手を入れます。そして、取り出します。すると、見慣れないパッケージと見慣れないカタチ、今まで見た事もない袋麺が出てきました。

「アベックラーメン」

これが、私が人生初のアベックラーメンとの出会いです。

あとから聞いたのですが、お母さんとこの叔母が子供の頃、家ラーメンというとアベックラーメンだったと言います。大人になったお母さんが初めてうまかっちゃんを食べたとき、あまりに美味しかったので、そこからうちの家ラーメンがうまかっちゃんになった、とのこと。

そんなこととはつゆしらず、初めて見るアベックラーメンに興味津々のショタ時代の私。着々とラーメンが作られていきます。真っ直ぐな麺をお湯に入れ、少ししたらスープを入れる。そのまま煮込み、規定時間の少し前で丼に盛っていく...初めて見たそれは、細長くて白い麺に、透明のスープと透き通った油が美しい、塩ラーメンでした。

もうこの時点でテンション爆上がりです。ですがこの後、さらなる衝撃が待っておりました。

叔母が買ってきた袋の中には、ラーメンの他に「高菜漬け」が入っておりました。なんだこれは?と。正月用の漬け物の足しかな。と思っていたのですが、叔母はそれをたっぷりと、ラーメンにトッピングしたのです。

衝撃でした。それまで私の中の家ラーメンとは、キャベツやら玉ねぎやらもやしやらがクタクタに煮込まれた優しい色をした野菜ラーメンのイメージだったのですが、それは透明で美しい塩ラーメンに、濃い紫だか緑だかの高菜がドカドカ乗った、なんともパンチの効いたビジュアルなのです。キャベツなんて1枚も入っておりませんし、卵もとかれておりません。ただの、麺と、スープと、高菜です。

そんなこんなで早速食卓に持っていき、実食です。高菜と共に熱々のを頬張ると............

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........最高に美味い。☺

あっさりだけどコクがある塩味スープに、スープを吸い込み少し柔らかくなった麺の風味が香り、その後調味油のこってり濃厚な味が連続で感じられます。これがアベックラーメンの味か....と安堵したのもつかの間、強烈な塩味と独特な風味の高菜が攻め込んできます。こんなパンチのあるラーメンは初めてです。

虜になりました。もう文章書くの下手なんで上手く伝わらないでしょうから、高菜とアベックラーメン買ってやってみて欲しい。マジで美味いから。

夢中で食べていたら、すぐに丼が空になりました。感動しました。初めて食べるお母さん以外の家ラーメン+アベックラーメンの塩味スープの新しさ+念願叶った高菜トッピングのパンチ力

この3つの衝撃により、この体験とあの時の味は脳裏に焼き付いていつでも思い返せますいいでしょ。10年ほどたった今でもここまで思い出せるので、当時の私にとっては相当なものだったんでしょうねぇ。ただ一言、最高の体験でした。

そんな体験をしてから今まで。実家の家ラーメンは前と変わらず野菜たっぷりのうまかっちゃんです。帰省した時はたまーに作ってもらいます。最高に美味しい世界一のラーメンです

そして一人暮らしで好きなものを作るとき、私はときどきアベックラーメンを作ります。塩味スープで麺を煮込み、最後に高菜をどっさりトッピングして、熱々のうちにすすり倒します。しょっぱくて濃い味の高菜がたっぷり載っているので、実家でしようとすると怒られる、ちょっと悪いことしちゃおう系メニューですが、1人の時くらいはいいよね。

アベックラーメン、こんな思い入れがあったのです。この先もずっと、何かあれば高菜をトッピングして食べるのでしょね。最高だな。

今日の夜ご飯、これにするのいいね。😚🍜


では。




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