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【#踊らないTikTok】TikTokはいま「好奇心」であふれている。
「若い子が踊ってるやつでしょ」
「口パクの動画、おもしろいよね」
TikTokのイメージを聴けば、よくこんな言葉が返ってきます。実は「いまのTikTok」はちょっと違うんです。朗読に料理、メイクにライフハック、果ては物件紹介まで。たのしく、おもしろく。踊らなければ口パクもしない動画コンテンツが、増えています。
そんな「いまのTikTok」のリアルを体感してもらうため、このたび、3人のnoteクリエイターにTikTokをはじめてもらえないかとお願いしました。快諾してくれたのは、夏生さえりさん、岡田悠さん、山口祐加さん!
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夏生さえり:フリーランスライター。取材、エッセイ、ショートストーリー執筆など、女性向けコンテンツを多く手がける。現在は、CHOCOLATE Inc.にてプランナーも勤めている。著書に『今日は、自分を甘やかす』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『口説き文句は決めている』(クラーケン)など。TikTokでは、2020年5月から愛犬がメインの動画をアップ中。
岡田悠:ライター兼会社員。note、オモコロなどのwebメディアでエッセイを執筆し、旅行記を中心に人気を得る。訪れた国は70ヵ国、日本は全都道府県踏破。初の著書『0メートルの旅 日常を引き剥がす16の物語』(ダイヤモンド社)が発売中。
山口祐加:自炊料理家、食のライター。料理初心者に向けた対面レッスン「自炊レッスン」や、セミナー、出張社食、執筆業、動画配信など多方面で活躍中。著書に『週3レシピ 家ごはんはこれくらいがちょうどいい。』(実業之日本社)、『ちょっとのコツでけっこう幸せになる自炊生活』(エクスナレッジ)がある。
TikTok初心者のお三方がTikTokについて学び、実際にコンテンツを投稿し楽しんでいる姿を通じて、noteユーザーのみなさんにもぜひ、TikTokに興味を持っていただければうれしいです。
今日から約2ヶ月にわたり、「#踊らないTikTok」と題した、全6回の連載記事をおおくりします。
さて第1回は「TikTok総論」。TikTok Japan 運営チームの小倉がお三方に、TikTokのレコメンドシステムや特徴を解説するところからはじめます。3名それぞれにご説明した中から、今回は、夏生さえりさんの回を記事化しています。
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フォローワーゼロでもバズる! TikTokのレコメンドシステム
小倉 さえりさんこんにちは! TikTokの小倉です!
さえり こんにちは〜!
小倉 今日はよろしくお願いします! さっそく、TikTokについて解説していきますね!
TikTokは、世界150の国と地域、75の言語で使われているショートムービープラットフォームです。60秒以内の短い尺の動画を投稿したり、見て楽しんでいただいてます。調査によると、全世界で20億ダウンロードを突破!2020年は世界で一番ダウンロードされたアプリになりました!(sensor tower/apptopia調べ)
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さえり 世界1位、すごいですね。
小倉 早速ですがさえりさんは、TikTokをお使いになったことはありますか?
さえり 流行ってるしコンテンツを作る身としては勉強したいなと思っていたのですが、なかなか見る習慣がつかなくて……。それで、去年から犬の動画をアップするアカウントをはじめました。
小倉 前のめりでうれしいです! 投稿してみて、どんな感想を持たれましたか?
さえり はじめたばかりでフォロワーさんが多くないときも、必ず、数百回は再生されて……。
小倉 (さえぎって)そうなんです!! TikTokの最も特長的な仕組みのひとつが、「フォロワー数ゼロでもバズるレコメンドシステム」なんです。フォロワー数に関係なく、どのアカウントが投稿しても、数百人の「おすすめ」フィードに掲載されるシステムになっています。つまり、有名人でも一般人でも、一定数の人に動画を観てもらうことができます。
さえり なるほど。そういうことだったんですね。
小倉 はい。さらに、見た人がその動画に対して、なにかしらの良いリアクション(いいね、コメント、視聴完了、リピートなど)をすると、レコメンドシステムが「この動画はよい動画コンテンツだ」と判断して、もっと多くのユーザーに届くように拡散してくれます。
小倉 レコメンドシステムの判断基準は、動画に対しての「見た人のリアクションのみ」。アカウントの有名・無名は関係ありません。
これが、「フォロワー数ゼロでもバズるレコメンドシステム」です。
たとえば、いまから他の動画プラットフォームやSNSをスタートして、すでに有名なクリエイターさんを超える再生回数をたたき出すのはとても難しいですよね。一方TikTokは、初日から100万回再生! なんてことがあり得ます。
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さえり 無名でも見てもらえるなんて、夢がありますねえ。
小倉 そもそもTikTokは、その人に最適化された動画をおすすめするのがとっても得意なんです。例えば、動物が好きな人は、動物の動画にたくさんいいねを押したり、動物動画クリエイターさんをフォローしますよね。すると、おすすめフィードにも同じような動画がたくさん流れるようになります。
さえり わたしは犬の動画が好きなので、おすすめフィードが動物だらけです!(笑)そのほとんどにいいねを押してますね。
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小倉 そうして個々人に最適化された動画が流れてくるので、必然的にいいねされやすくなります。新しい動画は常に、その動画を好きになってくれそうな人のフィードへと流れていく。拡散が加速する仕組みになっているんです。
「投稿した動画は数百人のおすすめフィードに流れる」
「おすすめフィードはユーザーに最適化されているから、エンゲージメントが高い」
このふたつが相まって、バズを生みやすいレコメンドシステムになっているんですね。
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小倉 この1年は、ダウンロード数だけでなく、再生数・平均視聴時間・エンゲージメントなども伸び続けています。
注目してもらいたいのが平均55分にも及ぶ視聴時間。1本1分以下の動画を55分……、単純計算ですが、一度TikTokを開くと、55本以上の動画を見ているということです。これを聞くと、いかに「自分の動画を見てもらいやすいプラットフォームか」が伝わるんじゃないかなと思います。
さえり TikTokって、ついつい見続けちゃいますもんね。
TikTokユーザーが生み出した「大ヒット」
小倉 そして今回、さえりさんに特に伝えたいのがここ!
さえり は、はい!
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小倉 今のTikTokはもう、若者が踊るだけの場所ではないんです。2017年にローンチして3年以上が経ち、ユーザーの年齢層もコンテンツもどんどん拡大。愉快な動画はもちろん、好奇心を満たす動画が増えています。
ペットの動画は大人気ですし、家族、赤ちゃん、お笑い系の動画も増えていて、霜降り明星の粗品さんやEXITさんなど、人気芸人さんの投稿も。さらにはお菓子作りをはじめとした料理系や、語学を覚える教育系の動画、日常を記録するvlog(ビデオブログ、ブログの動画版)も人気急上昇中のジャンルです。もちろん、ダンスや歌なども引き続き非常に人気のあるコンテンツです。
さえり 今回TikTokをはじめてみて、本当にいろんなジャンルがあるんだなと驚きました。不動産屋さん内見動画や、きれいな字を書くための動画など……。これだけバリエーションがあるから、ずっと見ていても飽きないんだろうなと思います。
小倉 ジャンルの拡大もそうなんですが、最近は、ぼくらも想像できなかったことが起きていて。
まず、TikTokを通して小説が大ヒットしていること。こちらはスターツ出版さんの『あの花が咲く丘で君とまた出会えたら』という小説。
@anohanaga 本当に全人類に見てほしい本。もう大号泣どころじゃない。身体中の水分持ってかれる🥵そして映画化して欲しい。#あの花が咲く丘で君とまた出会えたら#映画化希望#おすすめのりたい#運営さん大好き#きゅんです #どうにかなりそう #表紙チャレンジ 1回よんでみて!
♬ Myra - Tani Yuuki
2016年に発売された小説ですが、2020年6月に突然TikTokでこの本を紹介した動画がバズったんです。それを見た人たちが本屋さんへ殺到し、緊急重版がかかり、さらには続編が出版されるまでになりました。
さえり すごい! 動画を投稿された方は、有名なクリエイターさんだったんですか?
小倉 いえ、一般の方なんです! しかも、すごく簡単な、慣れた人なら1分くらいで作成できる動画で、です。この動画を見て本を読んだ人のレビューがコメント欄に書き込まれるなどして、どんどん拡散されました。
この1冊だけではなく、集英社さんの『桜のような僕の恋人』など複数の小説がTikTokでのバズを通して、爆発的に売れています。
小倉 ほかにも映画紹介クリエイターがTikTokで紹介した映画が翌日Amazon Primeのダウンロード数でトップになったり、飲食店の店長が投稿したTikTok動画を見てお客さんが増えたり。ぞくぞくとTikTokでのバズが実売につながる事例が出てきています。
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小倉 これが「いまのTikTok」のリアルです! さえりさん、いかがでしたか?
さえり なんだか夢がありますよね! 誰でもバズる可能性があって、実売にもつながってるなんて……。わたしが抱いていた「若い子たちが使ってる動画プラットフォーム」っていう印象とはまるで違っていて、驚きました。
小倉 実際にTikTokを見ていると、もっとたくさんの発見があると思います! ぼくらもユーザーのみなさんの投稿にびっくりしたり、爆笑したり(笑)。楽しみながら、毎日トレンドをチェックしていますね。
さえり これから動画つくるまでに、もっとアプリを触って、みんなの投稿を見てみます。まずは犬の動画以外にもいいねを押さないと!(笑)
小倉 そうですね(笑)。いいねや視聴で、どんどんレコメンドシステムを育てていってください!
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次回のテーマは「人気TikTokクリエイターに学ぶ!」。
TikTokクリエイター×noteクリエイターの座談会の様子をお届けします。
(執筆:水沢環 編集:株式会社ツドイ 撮影:eichi tano デザイン:ハロ)
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