いま、海外では大学などの教育機関が広報活動の一環として、積極的にTikTokを活用する動きが生まれているのをご存知でしょうか。
こうして教育にTikTokを活用する大学は国内ではまだまだ少ないのが現状ですが、中央大学商学部は昨年12月にTikTok公式アカウントを開設。
現役の学生とともに毎月20本ほどのペースで動画投稿を行っています。
そして、今年8月27日にはTikTok LIVEでのオープンキャンパスを日本で初めて実施。
教授や在学生が中央大学商学部の魅力や大学生活のリアルな声をライブ配信で伝えました。
大学が広報活動としてTikTokをスタートさせたことで生まれた意外なメリットが明らかになりました。
■「実際はおもしろい先生がいっぱいいるんです」
教員や専門分野などについて紹介する動画や、実際の在学生である商学部生が主体となって企画した動画が投稿されている中央大学商学部TikTok公式アカウント。
早速、商学部長の渡辺岳夫教授にTikTokアカウントを開設した経緯をお聞きました。
学部長補佐を務める斎藤正武教授は、教育プログラムだけでなく、教員を紹介する場としての魅力をTikTokに感じたと語ります。
■「お前の親父、TikTokで見たぞ」
商学部の事務室にはTikTokを見た在学生から「授業選びの参考になる」といった声も寄せられ、学外からもさまざまな反響があったそうです。
斎藤教授はICTやソサエティー5.0について解説するTikTok動画が人気ですが、コンテンツづくりで意識していることはあるでしょうか?
■「中大の動画からきました」と学生アカウントへのアクセスも
今年6月には中央大学商学部公式アカウントを運営する学部生を募集し、現在7名ほどの学生が3チームに分かれ、動画制作を行っています。8月の「TikTokオープンキャンパスライブ」にも出演した、3名の商学部の学生さんにも話をうかがいました。
こう語るのは、会計学科3年のもんちさん。
現在、4万フォロワーの自身のTikTokアカウントとの相乗効果もあるようで、「中大の動画からきました」といったコメントやDM が寄せられることも増えたとのこと。
金融学科3年みおさんと会計学科2年のまなみさんも、高校時代からTikTokには視聴者として親しんできたそう。
今回の取り組みに参加した理由を聞くと、まなみさんからは
との答えが。
そんなまなみさんと一緒のチームで動画制作に参加しているみおさんは、普段の撮影の雰囲気や反響について紹介してくれました。
■就活の自己PRにも使える!TikTokオープンキャンパスの意義
また、8月のオープンキャンパスの感想については、
とコメント。
それぞれ学生生活や自身の活動に今回の取り組みを通して得た経験などを活かしている様子です。
■学部長「基本、企画内容や撮影・編集は一任しています」
渡辺学部長はそんな学生たちの活躍ぶりの背景、そして学生が主体的に動画づくりに関わる意義について紹介します。
オープンキャンパスの反響は大きく、30分間の延べ視聴者数は1万2000人以上、常時200人以上が視聴しました。配信後、公式アカウントのフォロワーは600人ほど増えたそうです。
■思わぬ効果!“地味”な商学部が志願者増を実現!
そして、商学部ではすでにこんな効用が生まれていました。
また、渡辺ゼミ卒業生の最初のオファー連絡から3ヶ月ほどで初投稿に至っており、今回の公式アカウントの取り組みはそのスピード感も特徴的。
率先して新しい取り組みに挑戦する風土が中大商学部にはあるようです。
出演者や投稿スケジュール調整など実務面で公式アカウントの運営に尽力する商学部事務室の鈴木さんは「TikTok内のおすすめフィードからの流入が多く、他のSNSより本学部に偶然興味を持っていただきやすい」と、TikTokの魅力を語ってくれました。
TikTokで受験生に魅力を伝え、在学生は就活にも活かせる力をつけることができる。
中央大学商学部の取り組みは、TikTokを学びに活かす最新の事例と言えるのではないでしょうか。
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