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子供の頃の、遥か昔の情景

 

昔の事です。母と一緒に、甥っ子を連れて、鎌倉の大仏を見に行った時のこと。


 甥っ子も、いまや逞しい男に成長していますが、当時は、まだ3歳位の、本当に愛らしい児童で、つぶらな瞳にふっくらした小さな顔。鎌倉観光に来ていた外国人夫婦がその可愛さからか、突然、カメラを向けてきたので、外国人というだけで慌ててしまって、その場から逃げるように立ち去ったことを覚えています。今となれば、別に、写真を撮ってもらえばよかっただけのこと。遙か昔の、記憶に残る情景。


 さて、情景(じょうけい)ですが、情(じょう)には、心のはたらき、真心、なさけ、事実等の意味があります。また、景(けい)は、日陰、月光に照らし出されるものの形、地上の有様等の意味。すなわち、情景(じょうけい)とは、月や日の光に映し出される地上の景色。 


遠い記憶のその景色が、いつまでも、記憶に残っている事が有ります。


 私自身が、まだ小さな子供の頃、そのときの自分の気持ちと一緒に、はっきり覚えている情景が、幾つかあります。子供心というのは、今思い起こせば、不思議なくらい単純で純真で真っ白だったと、我ながら感じます。