ガザのインテリアデザインの学生さん・バラーアさんへのインタビューVol.4 〜イスラム建築と自然との調和〜
Baraaさんのインタビュー4回目は、「イスラム建築と自然との関係」について伺いました。※)前回、「フランク・ロイド・ライトの自然と調和する有機建築が好き」というお話を伺いました。通説で「厳しい自然環境と対峙する」とされるイスラム建築と、Baraaさんが「自然との調和」を重要視する有機建築には隔たりがあり、「イスラム建築と自然」について伺いました。
イスラム建築の代表的な建物はトルコのアヤソフィア、ウズベキスタンのレギスタン広場、スペインのアルハンブラ宮殿と中央アジアからヨーロッパ、北アフリカには古都カイアルンがあります。時代でも異なり雲をつかむようです。
ヨーロッパに存在しながら、イスラム建築の最高峰の一つと言われるアルハンブラ宮殿
今回はそんなイスラム建築をわかりやすくまとめていただく内容ともなっています。バラーアさんのイスラム建築論とその自然に関わりについての考察をお楽しみ下さい。
※記事は全文無料でお読みいただけますが、ご購入いただけましたら全てバラーアさんの寄付にあてさせていただきます。バラーアさんは非常に危険なエリアにお住まいで、食糧にも困窮されています。インテリアデザイナーになる夢を叶える為にもどうぞ、お心寄せください。第1回目インタビュー 第2回目インタビュー
※)前回、第3回目のインタビュー:
Baraa:自然との関わりを考える前に、イスラム建築においてはイスラム教徒がアイデンティティを確立するために使用する建物の特徴を考えなくてはなりません。
イスラム建築は多岐に渡ります。
この様式は、アラビア半島、イラク、エジプト、レバント、マグレブ、トルコ、イラン、ホラーサーン、トランスオクシアナ、シンドなどのイスラム教徒が到達した地域や、アル・アル・アなどイスラム教徒が長期間統治した地域でも出現しました。アンダルシア（現在のスペイン）とインド。
イスラム建築の特徴と特質は、イスラム教とそれに続く科学ルネッサンスの影響を深く受けています。その様式は気候やその地域の以前の建築遺産や文化遺産に応じて、地域ごとに異なります。たとえば、開かれた中庭はレバント、イラク、アラビア半島ではよく見られますが、トルコでは気候の寒さのせいで、イエメンでは建築遺産のせいで姿を消しました。
初期のイスラム建築は、ローマ、ビザンチン、ペルシャ、メソポタミアの建築に加え、7 世紀と 8 世紀の初期イスラムの征服中に征服されたすべての土地の影響を受けました。その後、建物の形状において、またイスラム・カリグラフィー、唐草・幾何学模様などの表面装飾においても、独特の特徴を発展させました。こうした中、ミナレット（塔)、ムカルナス（持ち送り装飾）、多葉アーチなどの新しい建築要素が発明されます。イスラム建築における一般的または重要なタイプの建物には、モスクの他、学校、墓、宮殿、公衆浴場、カンカやザウィヤ（修道場)などのスーフィー(神秘主義者)の住居、噴水、道（水道システム）、隊商宿（カーン）やバザールなどの商業用建物、軍事施設、要塞などが含まれます。 ミナレット、ドーム、中庭（パティオ）はイスラム建築の特徴として有名ですが、それだけでは、イスラム建築の精神性、自然との関わりを考察することはできないため、他の要素も挙げさせてください。
まず、ミナレット（塔)です。
(画像引用元：世界のモスク https://sekainomosque.com/mosque-features)
かつてのミナレットの多くにはランタンが装備されていました。旅人を都市や街へ導く灯台となっていたのです。その結果、多くのアラブ研究者はそれらを灯台を意味する「マナラト」と呼んでいます。ミナレットは国家布告を発表するためにも使用されることがありました。時間が経つにつれて、ミナレットはイスラム建築芸術の中で明確なカテゴリーとなり、高さは数十メートルまで変化し、デザインと施工において大きな注目を集めました。
その構造は精巧なイスラムのモチーフで装飾されており、円形、多角形、正方形などのさまざまな形をとり、その高さに比例したベースを備えています。内部にはバルコニーに通じる螺旋階段があり、そこでムエジンが祈りを呼びかけました。
(※ムエジン:祈りを呼びかける者)
イスラム建築の専門家は、ミナレットのスタイルと形状を、歴史的時代、特定のイスラム諸国、またはカリフ、スルタン、国王、王子などの建設を依頼した個人に基づいてカテゴリに分類しています。
一般に、さまざまな時代のミナレットは、マグレブ（アフリカ北西部。リビア、チュジニア、モロッコなど)を例外に、環境や場所に対応した材料を使用して建設されました。
マグレブ、レバント、エジプトでは石（特に石灰岩）が一般的に使用されましたが、イラクではレンガや粘土の派生品が普及していました。さらに、結合材はイスラム建築の後期に使用されました。
ミナレットの構造は基礎のベースに、正方形の本体がそびえ、 バルコニー (Shurfah:ムエジン用のプラットフォームまたはバルコニー)があつらえられ、バルコニーを囲む中空の障壁が手すりとしてあります。
ミナレットの本体は、正方形の上の部分が丸みを帯びていることがよくあります。本体の上には小さな建造物またはパビリオンがあり、頂上にはキューポラまたは装飾品 (ジュモールまたはカヌーン。地球儀やその他の装飾品)があります。
（下からベース、本体、バルコニーと手すり、パビリオン、頂上にキューポラなど装飾がある)
ムカルナスは、イスラム建築の特徴的な要素の 1 つであり、さまざまな形や種類で現れます。
単一のムカルナスは、小さな壁龕、または縦方向の壁龕に見えます。ドームを支える機能として発展するうちに細心の注意で計算された列に配置され密集したアセンブリの一部として使用され、ムカルナス要素が隣接し、階層化され、蜂の巣や、蜂の巣セルを思わせる視覚効果を生み出し、それらの要素が調和のとれた幾何学的に正確な線とボリュームで混ざり合います。
"持ち送り（もちおくり）またはコーベル（corbel）は、壁から突き出した石などの構造物で、
その上に張り出した重量を支持する建築技術の1つ。"
（引用: https://ja.wikipedia.org/wiki/持ち送り)
(画像引用元:wikipedia https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%81%E3%81%A1%E9%80%81%E3%82%8A)
ムカルナスは、建築的機能と、装飾的な役割の両方を果たし、象徴的な意味と形而上学的次元を運ぶシュールレアリスムな彫刻として現れます。壁、天井、ドーム、バルコニーがすべて相互につながっているため、空間に連続性の感覚が生まれ、あたかも装飾に始まりも終わりもないかのように、視線が特定の点で止まることなく、さまようようになります。 ムカルナスは凹面を覆い、天井と壁の間、ミナレットのバルコニーの下や説教壇の入り口の鋭いコーナーとの連結をスムーズにします。
また、ドームの正方形の底面から円形への急激な変化をスムーズにするのにも役立ち、特にコーナーの壁龕、ドームの空、および外側のコーベルの主たる部分を占めます。
多葉（マルチローブ）アーチは、イスラム美術と建築の際立った特徴です。このタイプのアーチは、アル・アンダルス (中世スペイン) や北アフリカのマグレビ建築、インド亜大陸のムガル建築やゴシック建築に見られる建築要素が特徴です。マルチローブアーチは通常、いくつかのローブまたは円弧で構成され、構造と美的目的の両方に役立つ視覚的に印象的なデザインを作成します。この建築様式は、さまざまな文化的影響の相互作用を象徴することが多く、イスラム建築に固有の芸術的創造性を反映しています。
いくつもの円弧から成るアーチの上にはレリーフが施され美しい。
奥にも同じ形のアーチがあり、多層的な効果を増している。
マシュラビヤは、木を彫って作られた木製のスクリーンで、家の中の人が通りを見ることができ、外部からの覗き込みを防ぐことができます。これらのスクリーンは通りを見下ろす位置にあるだけでなく、家の中にも存在し、ゲストをおもてなししながら居住者のプライバシーを維持することができました。これは、居住者がイスラム教の原則を遵守し、家族のプライバシーを保護していることを反映しています。
さらに、マシュラビヤは、伝統的な家庭用の初期の空調設備と考えることができます。マシュラビヤは、特にイスラム諸国内の暑い気候の中で空調の機能を果たします。太陽光の量を減らし、その強さを和らげて拡散し、開口部から光がソフトに入るようにします。家に入る空気の流れ、湿度、速度を制御するのにも役立ちます。冬の間断熱を提供するために、マシュラビヤには無垢材またはガラスのパネルが装備されています。夏にも冬にも重宝です。また、複雑で装飾的なデザインも特徴で、伝統的な家に美的価値を与えます。
ドーム
ドームは円形または球形の形状をしており、内部空間が高くなっている建築要素で、イスラム建築と言うとドームを思い出す方もいるのではないかと思います。
ドームは、レンガ、泥、石、鉄筋コンクリート、鉄など、材料は様々です。
完全な球形だったり、尖っていたり、 楕円形(インドの建築に見られる)のものや、円錐形のものがあります。特にモスクでは、ドームは内部と外部の両方に複雑な装飾が施されていることがよくあります。イスラム建築の有名なドームには次のようなものがあります。
・預言者ムハンマド（彼の上に平安あれ）の墓の上にある「緑のドーム」
・アル アクサ モスクの 「岩のドーム」
ドームはイスラム文明において重要な役割を果たしており、豊かな文化遺産としての建築様式と、建物の構造は区別されなくてはなりません
イスラム建築における アーチ
半円アーチと尖ったアーチがあります。
尖ったアーチは2 つの円弧から成り、中心がアーチ内に位置します。このデザインはいくつかの種類に分類されます。
アーチは、sunjah、lubnah、faqrah、または maddakとして知られるいくつかの石で構成されています。アーチを安定させる中央の石は キーストーン、ロック、クロージャー、またはシートと呼ばれ、アーチの基部につながる垂直線は脚と呼ばれます。
アーチの重要性は、木の寸法や石の重さを支える事ができる、その構造にあります。建築に解放感を与え、美しさと優雅さを加えながら、より大きく高い開口部や入口を支える事を可能にする建築構造体なのです。
パラペットはイスラム建築のもう 1 つの特徴であり、主に防御の目的を果たします。それらは要塞、城、塔の壁に見られます。欄干は、防御側が立って攻撃者からの脅威を調査するためのスペースを提供します。その重要性はその防御機能に根ざしており、下のエリアの視界を確保しながら要塞を保護するのに役立ちます。
イスラム建築における装飾は、アイコニックな生き物の表現の使用を避け、幾何学模様や花の形で建築要素を装飾することに目的があります。装飾は、壁、床、天井、ドームをはじめ、布地、カーペット、木、鉄、真鍮などの工芸品など、さまざまな表面に施されています。
その形状はイスラム美術の美しさを反映したカラフルな構成ですが、特にモスクでは、礼拝中に礼拝者の注意をそらすことを避けるため、多用すべきでないとされています。
インテリアは個々の独自性が特徴で、個人の好みに応じてより多様化できます。
外観は過剰な表示をせず、全体的な好みを反映し、派手に見えないように控えめにすることが一般的です。
イスラム建築では建築はシンプルさと抽象性、優雅さが特徴で、建物外観は華美にせず、個人とニーズを体現するように設計され、あくまで平等を尊重し虚飾を避けているため、家は同じように見えます。
イスラム建築は、イスラムの原則に沿った装飾的な美しさを維持しながら、複雑さを排除し、シンプルさでも美しさを表現し、精神的な環境の創造をしています。イスラムの伝統的な建築は、さまざまな形で自然と深く結びついていて、人間と周囲の環境との相互作用を反映しています。この関係は、いくつかの側面から明らかです。
まず、持続可能なデザインです。
伝統的なイスラム建築は、粘土、石、木材などの地元の天然素材を利用しており、環境と調和し、建設による自然への影響を最小限に抑えることができました。
そして、換気と照明。建物は自然光と空気の流れを取り入れるように設計され、大きな窓、バルコニー、地域の気候条件に応じて室内温度を調節する日よけなどの機能が備えられています。
また建造物、特にモスクや社会センターはキブラ (メッカの方向) を向いていることが多く、礼拝の実践を通じた自然との精神的なつながりを反映しています。
庭園はイスラム建築の基本的な要素となり、自然の美しさを反映し、休息と瞑想のための平和な空間として機能するように設計されました。 「イシャタル」や「アル・アンダルス」などの有名な庭園は、美しいレイアウトと水の特徴で作られました。庭園は都市計画の一環としても重要視されていました。
自然とのつながりを示すのに、イスラムの装飾品を抜きに語れません。花柄や幾何学模様など、自然にインスピレーションを得た形が多く含まれており、自然の美しさを反映し、建築と環境を結びつけています。
また水を配置することを大切にしてきました。噴水、プール、灌漑システムなど、イスラム建築において水は重要な役割を果たし、自然との継続的な交流を可能にし、快適な生活環境を作り出しました。
何より、建物は自然環境と調和して調和するように設計されており、地域の環境と地理的特徴を深く理解していることがわかります。
結論として、イスラムの伝統的な建築は、建築家が芸術的創造性と自然界のバランスがとれた環境を創造することを目指していたため、自然への深い敬意を体現しています。これにより全体的なつながりが生まれ、イスラム建築は物理的な構造だけでなく、人間と自然の調和の現れでもあったと言えます。
サン・テグジュペリの『人間の大地』で、ムーア人がフランスに行き滴るような自然の緑と滝を見て「お前達の神は我々の神より気前がいい」と言った事が印象的でした。砂漠の多い地帯で「自然と人間」はどういう関係にあるのか。
今回、バラーアさんのお話を聞き、自然への敬意と調和はイスラム圏や、どの文化でも大切なのだと再認識しました。他の文化圏では壁面に人物画が飾られる事も多いですが、イスラム建築では自然を模した紋様で埋め尽くされます。それは宗教的な理由だけでなく、繁殖する緑への圧倒的な憧れと調和への祈りのようだと改めて考えさせられました。貴重なお話を伺う事ができ、また、イスラム建築をわかりやすくまとめて下さったバラーアさんに感謝しています。
「行為は果実、言葉は葉っぱ」
そして最後に、
「平安があなたにありますように」
Q.Islamic architecture is diverse and it is hard to tell their characteristics, but the towers, courtyards, and domes found in mosques are distinctive, and I feel that their decorativeness is very beautiful. I heard that the a minaret(tower) has been considered a symbol of Islamic authority to announce prayers, the courtyard was used as a sanctuary, and the domes were considered a symbols of the sky. How does traditional Islamic architectures have related to "nature"? I feel they were rather symbolistic than harmonious with nature. What do you think?
A.Islamic architecture encompasses the building characteristics used by Muslims to establish their identity. This style emerged in regions the Muslims reached, such as the Arabian Peninsula, Iraq, Egypt, the Levant, the Maghreb, Turkey, Iran, Khorasan, Transoxiana, and Sindh, as well as areas they ruled for extended periods, such as Al-Andalus (modern-day Spain) and India. The features and qualities of Islamic architecture have been profoundly influenced by Islam and the scientific renaissance that followed it. The style varies from region to region, depending on the climate and the previous architectural and cultural heritage of the area. For instance, the open courtyard is common in the Levant, Iraq, and the Arabian Peninsula, while it has vanished in Turkey due to the colder climate and in Yemen due to its architectural heritage.
Early Islamic architecture was influenced by Roman, Byzantine, Persian, and Mesopotamian architecture, as well as all the lands conquered during the early Islamic conquests in the seventh and eighth centuries. Subsequently, it developed distinctive characteristics in the form of buildings and in the decoration of surfaces with Islamic calligraphy, arabesques, and geometric patterns. New architectural elements such as minarets, muqarnas, and multi-lobed arches were invented. Common or significant types of buildings in Islamic architecture include mosques, schools, tombs, palaces, public baths, Sufi residences such as khanqahs or zawiyas, fountains, ways (aqua duct systems), commercial buildings like caravanserais (khan) and bazaars, and military fortifications.
Many minarets in the past were equipped with lanterns, making them lighthouses that guided travelers to the city or town. As a result, many Arab researchers refer to them as "manarat," meaning lighthouses. The minaret was sometimes also used to announce state proclamations. Over time, the minaret became a distinct category within Islamic architectural arts, receiving significant attention in design and execution, with heights varying to several tens of meters. Its construction was decorated with exquisite Islamic motifs, taking on various shapes, including circular, polygonal, and square, with a base that proportionally matched its height. Inside, there was a spiral staircase leading up to a balcony where the muezzin would call for prayers.
Specialists in Islamic architecture have classified minaret styles and shapes into categories based on historical periods, specific Islamic countries, or the individuals who commissioned their construction, including caliphs, sultans, kings, and princes.
Generally, minarets throughout different eras, unlike those in the Maghreb, were constructed using materials that corresponded to their environment and location. In the Maghreb, the Levant, and Egypt, stone was commonly used (particularly limestone), while in Iraq, brick and clay derivatives were prevalent. Additionally, binding materials were used in the later stages of Islamic architecture.
Parts of the Minaret (from bottom to top):
1. Base: The foundational section.
2. Square Body: This is usually a square structure rising above the base.
3. Balcony (Shurfah): A platform or balcony for the muezzin.
4. Railing: A hollow barrier surrounding the balcony.
5. Column or Post in the Railing: Structural elements within the railing.
6. Circular Body: Often the body of the minaret is rounded above the square section.
7. Galilee (Jusq): A smaller structure or pavilion above.
8. Top of the Minaret: The pinnacle or peak.
Muqarnas serve both a specific architectural function and a decorative role that transcends ordinary limits, appearing as surrealist sculptures that carry symbolic meanings and metaphysical dimensions. They create a sense of continuity in space, as walls, ceilings, domes, and balconies all interconnect, making the eye wander without stopping at a specific point, as if the decoration has no beginning or end.
Muqarnas cover concave surfaces and facilitate transitions at the sharp corners between ceilings and walls and below balconies in minarets and the entrances of pulpits. They also help smooth the abrupt transition from the square base of a dome to its circular shape, and they especially dominate corner niches, the sky of domes, and their external corbels.
**The multi-lobed arch** is a distinctive feature of Islamic art and architecture. This type of arch is characterized by its architectural element seen in the Maghrebi architecture of Al-Andalus (medieval Spain) and North Africa, as well as in Mughal architecture in the Indian subcontinent and Gothic architecture.
The multi-lobed arch typically consists of several lobes or curves, creating a visually striking design that serves both structural and aesthetic purposes. This architectural style often symbolizes the interplay of different cultural influences and reflects the artistic creativity inherent in Islamic architecture.
9. Cupola or Ornamentation (Jumour or Qanun): Decorative elements, which may include globes or other adornments.
**Mashrabiyas** are wooden screens made from carved wood that allow those inside a home to see the street while preventing outsiders from looking in. These screens were not only positioned overlooking the street but were also present inside homes, allowing residents to maintain privacy while hosting guests. This reflects the occupants' adherence to Islamic principles and the protection of family privacy. Additionally, mashrabiyas can be considered as early forms of air conditioning for traditional homes.
Mashrabiyas serve a climatic function, particularly in hot climates within Islamic countries. They reduce the amount of sunlight that passes through, softening its intensity and diffusing it, which allows light to enter gently through the openings. They also help control the flow, humidity, and speed of air entering the home.
**Muqarnas** are one of the distinctive elements of Islamic architecture, appearing in various shapes and types. When viewed in isolation, a single muqarnas can resemble a small niche or a vertical section of one. However, it is always used as part of a densely clustered assembly arranged in meticulously calculated rows, where the muqarnas elements are adjacent and tiered, creating a visual effect reminiscent of honeycombs or honeycomb cells, where their components blend together with harmonious and geometrically precise lines and volumes.
Typically, a mashrabiyya features a design of varying openings, being narrower at the bottom and wider at the top. They extend out from the wall, allowing air to flow through. They are constructed from untreated natural wood, which retains moisture in its pores, ensuring that the air entering the home remains humid.
To provide insulation during winter, mashrabiyas are equipped with solid wooden or glass panels. Thus, they are suitable for both summer and winter. They are also characterized by their intricate and decorative designs, adding aesthetic value to traditional homes.
**Domes** are architectural elements that are typically round or spherical in shape, with their interior spaces rising in height. Domes are constructed from various materials, including brick, mud, stone, reinforced concrete, and iron. They can take multiple forms, such as:
- **Perfectly spherical**
- **Pointed**
- **Oval**, as seen in Indian architecture
- **Conical**
Domes are often intricately decorated on both their interiors and exteriors, particularly in mosques. Some famous domes in Islamic architecture include:
- The **Green Dome** over the grave of the Prophet Muhammad (peace be upon him)
- The **Dome of the Rock** at Al-Aqsa Mosque
Domes hold significant importance in Islamic civilization, distinguishing the architectural style and construction of buildings within this rich cultural heritage.
**Arches** in Islamic architecture are constructed curved structures that connect and support two ends. They come in various forms, including:
1. **Semi-circular arches**
2. **Pointed arches** formed from two arcs with a center located within the arch; this design can branch into several other shapes.
An arch is made up of several stones known as **sunjah**, **lubnah**, **faqrah**, or **maddak**. The central stone that stabilizes the arch is referred to as the **keystone**, **lock**, **closure**, or **seat**, while the vertical line connecting to the base of the arch is called a **leg**.The significance of arches lies in their ability to free architecture from the constraints imposed by the dimensions of wood and the weights of stones. They enable larger and higher openings and entrances while adding beauty and elegance to the structure.
*Parapets** are another feature in Islamic architecture, serving primarily a defensive purpose. They are found on the walls of fortifications, castles, and towers. Parapets provide a space for defenders to stand and survey incoming threats from attackers. Their importance is rooted in their defensive function, helping to protect fortifications while allowing visibility of the area below.
**Ornamentation** in Islamic architecture refers to the decoration of architectural elements with geometric and floral shapes, avoiding the use of representations of living creatures. Ornamentation is applied to a variety of surfaces, including walls, floors, ceilings, and domes, as well as on fabrics, carpets, and wooden, iron, and brass works.
### Characteristics of Ornamentation:
1. **Shapes**: Ornamentation consists of colorful shapes that reflect the beauty of Islamic art; however, it is emphasized that there should be no extravagance in its use, especially in mosques, to avoid distracting worshippers during prayer.
2. **Interior and Exterior Ornamentation**:
- **Interior**: It features individual uniqueness and can be more diverse according to personal taste.
- **Exterior**: It should be moderate, reflecting collective taste without excessive display, so it does not appear flashy.3. **Simplicity and Abstraction**: Islamic architecture is marked by simplicity and elegance, where buildings are designed to embody individual capacity and needs without extravagance. Externally, homes appeared similar, reflecting a respect for equality and avoiding ostentation.
These principles make Islamic architecture an expression of beauty through simplicity, steering clear of complexity while maintaining an ornamental beauty that aligns with Islamic principles and contributes to creating a spiritual environment.
Islamic traditional architecture is deeply connected to nature in various ways, reflecting the interaction between humans and their surrounding environment. This connection is evident through several aspects:
### 1. **Sustainable Design**:
- Traditional Islamic architecture utilized local natural materials such as clay, stone, and wood, which harmonized with the environment and helped minimize the impact of construction on nature.
### 2. **Ventilation and Lighting**:
- Buildings were designed to allow natural light and airflow, with features like large windows, balconies, and awnings that help regulate indoor temperatures by relying on local climate conditions.
### 3. **Orientation of Architecture**:
- Structures, especially mosques and social centers, were often oriented towards the Qibla (the direction of Mecca), reflecting a spiritual connection to nature through the practice of worship.
### 4. **Gardens and Urban Planning**:
- Gardens became a fundamental element in Islamic architecture, designed to reflect natural beauty and serve as peaceful spaces for rest and contemplation. Famous gardens such as those in "Ishatar" and "Al-Andalus" were created with beautiful layouts and water features.
### 5. **Nature-Inspired Ornamentation**:
- Islamic ornaments often included forms inspired by nature, such as floral and geometric patterns, reflecting natural beauty and linking architecture to the environment.
### 6. **Water Features**:
- Water played a significant role in Islamic architecture, whether through fountains, pools, or irrigation systems, enabling continuous interaction with nature and creating comfortable living environments.
### 7. **Harmonization with the Environment**:
- Buildings were designed to blend harmoniously with their natural surroundings, showing a profound appreciation for the region's environment and geographical characteristics.
### Conclusion
Islamic traditional architecture embodies a deep respect for nature, as architects aimed to create environments that balanced artistic creativity with the natural world. This created a holistic connection, making Islamic architecture not just about physical structures, but also a manifestation of harmony between humanity and nature.
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