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漫画『7seeds』が傑作すぎてとても人間が描いたものとは思えない

こんにちは!!!!

漫画連載なんてとても人間にやらせていい労働とは思えない男ことどうも俺です!!!!

それでどうですか?? みなさんは感じていますか??

働く喜びや充実感を!!!!!!!

俺は感じていません!!!!!!!
な〜〜〜〜〜にが労働じゃい!!!そんなもん全部ピクミンがやれ〜〜〜〜〜!!!!!!!!

などとヌルく生きてる俺でさえ思うんですけど、たぶん現在の日本社会において奴隷のごとく働かされてる職業……たとえば、漫画家さんなんかは相当大変だと思うんですよ

いえ、売れてる漫画家なんてもれなく億万長者だし、そんなに金あるならその貯金の1%でも俺の口座に振り込まもうとしない理由がひとつもわからないんで特に同情はしてないんですけど
というかもうストレートに妬ましい。けっ!!!!

ただ、「漫画連載」って人間に負わせていい苦役じゃねぇだろって常々思うんです

というか、週刊連載にしろ月刊連載にしろ、そういう媒体だからしょうがないっちゃしょうがないんですけど、物語を作る上ではとにかくクオリティを落とす様式だと思うんですよね
超過重労働で厳しい時間制限設けてモノづくりするって、MAX最悪条件なので

てか、そもそも世のなかの漫画、あまりにもムラありすぎません?
「これおもれ〜〜〜〜〜!!」ってところと、「いや、流石に眠いなこれ……」のミルフィーユ過ぎる
「流石に話に無理ありすぎだろ……」みたいな箇所が大ヒット作でさえ普通にあるし、仮にそういう不備を感じたとて「まぁでも週刊or月刊連載だしな……」で納得しちゃう

あのワンピでさえ評判悪い時期あるんだから、連載を通してず〜〜〜っと面白い漫画なんてあるわけ、

──あるんですよ、信じられないことに
話の始まりから終わりまでずっと面白いトッポ(最後までチョコたっぷり)のコミカライズ版みたいな作品が

というわけで、本日は「連載漫画がここまでずっとクオリティ高いってなんかズルしてない?」「てか田村由美先生は人間?まつろわぬ神ではなく?」でお馴染み、『7seeds』について語らせてくれ〜〜〜〜!!!!!!

7seeds 概要

累計650万部超(デジタル含む)
田村由美 原作、近未来サバイバルSFストーリー

少女ナツが目を覚ますと、辺りは海。
突然荒れ狂う海に放り出された彼女は、嵐と蟬丸、牡丹と共に島へと辿り着く。
その島には未開のジャングルが広がり、巨大化した植物や、凶暴化した動物や昆虫に次々と襲われ、死と隣り合わせのサバイバル生活へと放り込まれる。

そんな中、ガイドだと名乗る人物より信じられない計画の話を聞かされる。
それは、人類絶滅を回避するため、若く健康な人間を冷凍保存し、
災厄が過ぎ去った後の世界に人類の種を残そうという壮大な計画「7SEEDS計画」の話だった。

彼女らはその計画に選ばれた人間なのだと初めて知り愕然とするのであった。「7SEEDS計画」に選ばれた若者たちは変わり果てた世界で、過酷な環境にさらされながらも懸命に生きてゆく。

公式アニメあらすじより

あらすじがSF過ぎる
少女漫画の受け皿のデカさを痛感せざるを得ない

こちら、漫画にとんと疎い向きはご存知ないかもしれませんが、近年ハイパーヒットした「ミステリと言う勿れ」の田村由美先生の作品でして、俺も名前だけはずいぶん前から存じ上げていました

俺的最推し格ゲープロのどぐらさんがXで面白かったと言っていた(↓)ので、

俺もいつかは読まねばと思っていたところ、十二国記繋がりの方から激推しされたので読んでみたのですが、これがまぁ〜〜〜〜〜〜〜面白い!!!

驚いたのは、全36巻で長らく連載していたはずなのに常に話が面白く、通しで一気読みしても破綻や傷が全く見つけられなかったこと、一貫してブレないストーリー、無駄な展開のなさ、心打つあまりにも強いセリフと演出……と、およそ連載漫画とは思えないクォリティが保たれたまま完結したことです

いままで完結までちゃんと読んだ漫画はめちゃくちゃ少ないんですが(あんま漫画読まないので)、ここまで長期連載を完璧に終えた作品といえば「鋼の錬金術師」がパッと思いつくくらいで、他はあまり思いつきませんでした(考えればなんか他にある気もしますが)

なんにせよ、これは語り散らかさねばなるまいて……と筆をとった次第であります

俺的好きなキャラランキング

7seedsを語る上でもっとも語りたいのはやっぱ魅力的過ぎるキャラたちについてです

もう全員良い。男性キャラから女性キャラまで全員カッコいい
一部問題あ(りすぎ)るキャラもいるんですけど、まぁ〜〜〜〜〜魅力的
中でも激推ししたいのは以下3キャラです

圧倒的第一位・蝉丸

もうこいつしかおらん!!!!!
画像は貼りたくないんで「7seeds 蝉丸」で検索いただきたいんですけど、まぁ〜〜〜〜〜〜〜どうしようもねぇヤンキーなんですよ、最初は!!!

初登場時、主人公のナツに言った「ブスチビ」って悪口、マジで偏差値低過ぎる
四文字全部悪口で構成れた罵倒、このおびただしく攻撃的な文言がある世界言語においても珍しいだろ。最悪

なんですけど、既読勢のみなさん、この蝉丸よすぎませんか?
あきらかにロクでもない環境で育ってるので、そのぶんひん曲がってるやつなんですけど、そのひん曲がり方が奇跡のカーブを描いて異常なまでの達観と度量になっとる

ナツが咄嗟に嵐から花の手紙を隠してしまうというやらかしをしたあのシーン、蝉丸がナツを責めるでも軽蔑するでもなくむしろ嬉しそうに言ったセリフがまぁ〜〜〜〜〜素敵

なかなかやるじゃねーかおまえ。面白いヤツになってきたな。
なあ、考えてみろよ。これがここに来る前とか来たばっかだったら、嵐にさくっと渡しただろ。
つまんねえ人間だったわけよ。他人のことがどうでもよくなくなったろ?
人として深みが出たワケよ。赤飯炊いてやりてえぐれぇだぜ

7seeds(12)
著・田村由美
出版・小学館

言える〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜??
そんなこと10代のアホヤンキーが!?!?!?

いや蝉丸って学がないだけで人として大事なことだけは真芯で捉えてるキャラなんですよね
特に、やらかしちゃった人間に対する受け止め方というか、赦し方が優しい

てかぶっちゃけ作中人物でもっとも道徳的なキャラじゃないですかこいつ?

道徳って罪を犯さないことではなく、罪を赦すことが出発点だったりする(道徳の系譜学的に)んで、そういう意味でも蝉丸はかなり完璧な人間に見えてしまう
なんかもう口が悪いという味付けがされただけの菩薩

そんな蝉丸に安居も涼でさえいとも容易く絆されていく過程が一番面白かった気がします

あと誰にでもビビってるナツが唯一こいつにだけは失礼なのがおもろい
しかも全然無自覚に失礼だから倍おもろい
ナツ、もう一生蝉丸に失礼なこと言い続けてほしい
ほんで頭グシャグシャされてて欲しい

第二位・新巻きさん

こいつ嫌いなやつおる!?!?
好き好き好き好き!!!!!!!!!

そりゃずるいよ、新巻きさんはさぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
花もクラっと来ちゃうよ新巻きさんにはさぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

いや花、クラっとくるなよ。新巻さんがいかにカッコよくて優しくて可愛いところしかないイケメンだからって

なんかなぁ〜〜〜〜リアリティを考えれば新巻さんにクラっとくるのはそりゃ超リアルなんですけど、でも花をちょっと応援しづらなくなったよアレで
いやリアルだけどね!?新巻さんが罪な男ってだけなんだけどね!?
まぁ新巻さん相手なら彼氏が嵐じゃなくてティモシー・シャラメでも危ういしなぁ〜〜〜〜〜〜〜

でも嵐に対して一途だから応援できるキャラじゃん花は……
そこがブレたらお前をどういう目線で見ればいいのかもブレるっていう……
いやでも新巻さんだしな相手は……う〜〜〜〜〜〜ん……

と、花を惑わす悪い男の側面はあるけど、本人はひたすらいいやつだしひたすら可哀想なだけ
個人的に7seedsで一番驚いたのは、飼っていた虎をその手にかけてしまった源五郎に対するド名言

どれだけ本気で考えたか、どれだけ目をそらさずにいたか、どれだけ本気で向き合ったか。
それが人のエゴだとしても、僕らはそれでしか、自分の気持ちでしか結果を判断できないんだ。
虎はあなたを恨んでもいないし、あなたに感謝してもいない。
これは僕の考えだけどそう思う。虎は犬とは違うだろうけど。死んでゆく時にたった独りで、弱さを見せない動物だろうけど。
でも、その虎は最後にあなたを見た時に、ほんの一瞬でもきっとうれしかったよ。きっと。そう思う

7seeds(14)
著・田村由美
出版・小学館

深過ぎる
ここまで文章が強い漫画あんま見ないし、田村由美先生、普通に小説家でも大成してただろうな〜と思ったら小説も実際ちょっと出されたことあるらしい
さすがすぎる

個人的にはアユとのカップリングが蝉丸ナツに次いで好き

第3位・ナツ

初読時は、「こいつ嫌われそ〜……」とは思ったんですけど、なんか他人事に思えなくて結局振り返れば常に応援してたな……ってキャラなんですよね、この主人公

これ書く前は普通にマークをここに入れようとおもったんですが、気づいたら実は好きなことに気づいてしまった

もう話の本筋だけを見たら完全に花が主人公なんですけど、7seedsの顔といったらナツ

俺も子供の頃は大概こういうやつだったから、なんかもうどこまでいっても応援するしかなかったんですよね、ナツを

7seedsは一貫して「生きること」と「学ぶこと」という不可分な二つを描いていて、誰もがなにかしら必死に成長していましたが、最も幼稚なところから頑張ってきたのがナツだったと思います

だからこそ、28巻で幻覚のなかで家族にお別れを言うシーンが泣けに泣けた
あそこのシーンで泣かないやつを見かけたらお気をつけください
もし吹雪のペンションで殺人が起きた場合、十中八九そいつが犯人っす!!!!(ヘボ探偵)
あのシーンで流した俺の滂沱の涙が流れ込んでできたのがスペリオル湖であることはあまりにも有名

なんかもう、本編を読み終わってしみじみ「ナツ、頑張ったな」ってなってしまう

まとめ

軽い気持ちで読み始めましたけど、終わってみればすさまじい名作でした!

個人的には、もっとも賛否が別れているでいるであろう安居について(というか安居が花にした仕打ちと、外伝で描かれたその顛末について)色々と思うことはあったんですが……

色々グダグダ書いてはみたんですが、結局なにもまとまりませんでした!

自分のなかの答えをすぐに出すのも、その一時的でしかないであろう考えを軽々とここに書き連ねるのもなんかちがうな〜と思って、えらい文字数を書いたもののぜんぶ消しました

たぶん、ふとしたときに考えては自分のなかで消化していく部分なんだと思います
そして、そういう要素さえ、この「7seeds」を傑作たらしめているように思います

すげぇ漫画!!!てかもう傑作!!!!!!
田村由美さん流石に漫画の神様すぎ!!!!!

というわけで、今回はこんなもんで
ではでは!!!!!

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