“地域に触れて、自分を知る”きっかけづくり、はじめます。
2020年のはじめから移住に関するお仕事やいろいろな取り組みを始めました。喜茂別町で移住相談を始め、現時点でおそらく150件くらいの相談を受けています。そして面白法人カヤックが運営する移住マッチングサービスSMOUTのカスタマーサクセスチームに所属し、全国の移住にも向き合っています。
移住者でもあり、地域の移住コーディネーターでもあり、移住のプラットフォームに関わる身として、“移住”に多面的に関わってきた1年でした。
そんななかで感じたことがあります。
それは、移住の検討段階から実際に移住するまでのフェーズにおいて、移住検討者と移住受け入れ側の思惑が一致していない…というより、ちゃんと設計しきれていないということです。
具体的にいうと、ひとくちに“移住”を考えるときにもさまざまなフェーズがあります。移住受け入れ側としては、
自分の地域を
1. 知ってもらう
2. 興味を持って調べてもらう
3. 実際に訪れてもらう
4. 訪れたうえで移住を検討してもらう
5. 移住してもらう
6. 住み続けてもらう
という段階を踏んでもらうのが理想的なのかなと考えています。
でも、「観光」と「移住」すら切り分けることをせずに、自分の地域に興味を持ってもらうための施策を打ち続けているところがたくさんあります。そんなことをしててもミスマッチが起こってしまうのはあたりまえです。
一方で「移住したい」と考えている人たちの移住ビジョンの曖昧さもミスマッチが起こる原因のひとつだと考えています。
移住相談を受けるにあたって
・どんな暮らしをしたいですか?
・どう生計を立てたいですか?
・譲れないことはなんですか?
というようなことを聞くことがあります。
しかし、それらに対し、具体的に答えることができない方たちも多くいらっっしゃいます。具体的なプランもなく、ただ「移住したい」という気持ちが先行しているのです。それ自体は悪いことではないと思うんです。気持ちは大切ですから。ただ、しっかりと地域を知って、自分自身を知らないと、「あー、選択を間違えちゃったな」と思うことがあるかもしれません。
そんな思いをしてほしくないし、地域の人もそんな思いをされたくない。
でも、いまは移住検討者と地域の人両方にしっかり寄り添ってお互いの気持ちを汲みながらサポートする仕組みが多くないのも事実です。きっとそのひとつがSMOUTなんだと思いますし、そうだと感じたのでお手伝いさせていただいています。
しかし、SMOUTはプラットフォームです。僕がやりたいことは、そのプラットフォームを通じ、適切に人の流れを生み出すこと。それをするためにはどうしたらいいか。ずっと考えていました。
そして、その実験のひとつとして、SMOUTを通じて知り合ったメンバーと「くらしあむジャーニー」というサービスを始めました。
これは、「地域」を通じて、「自分らしい暮らし」をつくる旅です。
・いつかどこかで、いまとは違う暮らしをしてみたい
・でも、どう探し、どう決めればいいのかわからない
・自分が何を求めているのかも、実はよくわかっていない
・現状に違和感を感じていても、行動するのってむずかしい
・勇気を出した一歩が旅行だとちょっとちがうし、移住もまだ早い
と感じている方に数日間地域に滞在してもらい、そこで暮らす人たちと触れ合いながら「自分にとって居心地の良い暮らしとは」という問いに向き合ってもらいたいと考えています。
そして、これは「仲間探し」の旅でもあります。
地域の人たちはもちろん、同じく「移住したい」と考えている方たち同士で交流することで、それぞれの想いや悩みを共有しながら過ごしてもらえたらなと思っています。
いろいろと書きましたが、僕らがこのサービスを通じて大切にしていることは「自身の気持ちに素直になること」です。そして、その気持ちを「対話を通じて、自分のなかにしっかりを落とし込むこと」のお手伝いができればと考えています。