VRCにおけるVR酔いの話
VR酔いクソザコ民として「”本質的な”VR酔いで死んじゃった人はほとんどが開幕で引退してしまっているので本質的なVR酔いの分析と対策は行われることがないんだろうな」という気持ちになってしまうことが多いので
まあまあ本質的VR酔い弱びと側にいるであろうぼくの現時点での見解を文字列にしておきます
VR酔いの分類
前提:VRをやっていて酔う、世間的に大雑把に「VR酔い」と呼ばれているものは複数の原因で起きる
本当はVR固有でない酔いも多いのだけど、これらを乱暴に「VR酔い」と呼んでいるせいで「VR酔い対策と言われてるものを試したけど効果がなかった」が発生する
1.肉体的な疲れによる身体機能の低下
→脳が映像や音声の認識をしきれなくなった時に一気に来る。精神的な疲れやストレスも影響するけど脳を含んだ肉体的な疲れからも精神的な疲れやストレスに変換されていくので包含するものとする
寝不足、空腹、疲労、怪我、HMDの重み、音の聞こえ方、ピントが合っていない、移動速度が速すぎるなど
2.乗り物酔い
→「自分が思ってるのと違う動きや感覚がある」時に起きるやつ
Real Heightやアバター身長を現実と同じにして治る場合はここ。VR酔い強者が「やってれば慣れるよ」と言ってるのはこの部分のみ。HMDという乗り物に乗っている時の感覚に慣れていない時の酔いは「やってれば慣れる」
3.3D酔い
→「自分が思っている視界の動きと違う」時に起きるやつ
足が速すぎると苦手=背の高いアバターだと大丈夫だという人はまあまあの割合でここ。他人操作のゲーム画面とかだと「視界のどこを基準に置いて視覚情報を処理しているか」が人によって大きく異なることがあるため起きやすい。また、「FoVの作りが一般的な3Dゲームと異なるマインクラフトだけ酔う」「VR酔いはすごいするけどVR内の乗り物系は平気」という現象が起きるのはこのせい
4.VR酔い
→「HMD越しに見えている視界が現実で生活する時に使っている視覚情報(遠く、周辺視野など)をブロックしている」「HMD越しに見えている視界が現実で暮らす時に無意識にカットしている情報(周辺視野など)を得ている」「一方的に聞かされる音に弱い」時に起きるやつ
ほどよく身長の低いアバターだと大丈夫だという人はここ。本当にVR固有の酔いに該当するのはここだけ。「狭い部屋だと酔う」「白い迷路だと一瞬で限界を迎える」「イヤーマフで軽減される」「ワールド音量オフで軽減される」「全体音量低くすると軽減される」「VRCの酔い防止機能(周辺視野カット機能)を入れると軽減される」といったことが起きる
これらのうちどれかに該当した時点で俗称「VR酔い」は発生するので「事実上VR酔い耐性が高い人の体験談」では救われなかった人がまあまあ発生しているというのが現状のVR酔い学会です
人酔いは「音の聞こえ方」「視界の遮られ方」「FPSの低下」といったものに起因する心身の疲労なので分類難しいけれどVR酔いか肉体の疲労のとこに分類していいと考えています
「何年やっても酔うんだよなぁ」という気持ちでVRC遊んでる人はもうちょっと広めに対応の可能性を検討してみてもいいんじゃないかなぁーと思っています
ちなみに筆者は全部に該当するのでマジであっさり死ぬ VR界のマンボウ
VR界のマンボウがじゃあどうやってVRCで生き残ってるんだという話
〇前提
・HMDのクッションとか重量バランスとかをいい感じにする
→Quest系ならエリートストラップ的なやつとか、Indexならサードパーティー製のクッションとか。顔面や頭部の疲れはダイレクトに脳の体力を削る
・User Real Heightをいい感じにする
→概ねリアル身長よりちょっと(5~10cm程度)低いくらいにして手足伸び切るようにしてる
〇使用アバター
・着ていて違和感のないシルエットのアバターを選ぶ
→自分のアバターはVRCにおいて最も長く見るもののひとつなので小さな違和感でも意外と影響が大きい
→主観的に動かしていて違和感があるかどうかが大事(なのであえて「着る」という表現を使う)
→「手元ででっかい袖がチラチラ見えてるのが落ち着かない」「手足の長さバランスがなんか変」などアバター着用時の違和感要素は意外と多い
→アバターいじりに覚えがあるならBoneのscaleを調整して対応も可
・身長100cm(Viewpoint高さ0.89m)程度のアバターを利用する
→人によってちょうどいい高さは異なるはず。現在はAvatarScalingで対応可能なので気軽に試しやすくなった
→VRCにおいてアバター身長(Viewpoint)はプレイヤー主観の世界の縮尺に影響する(背が低いほど世界が広くなる。ワールドで設定された絶対的な移動速度は変動しないため主観的な移動速度は上がる)。身長が低いほど世界が大きく見えて遠くの視界が確保できるため、視界がある程度以上開けていないとキツい人など一部の層にVR耐久可能時間10倍クラスの劇的な改善効果がある(友人でも確認済み)
〇ゲーム内操作/随時変更する設定
・スティック微倒しによる低速移動をフル活用する
→移動速度10%くらいの微調整レベルの低速移動も非常に高い頻度で利用してる
→VRで入った時は移動の8~9割は微倒しで低速移動してる
→微倒しが使える場合は逆に自分の位置や視点を見失うためHoloport/Comfort Turning共にOFF
・視線動かす時はジャンプや移動を極力減らす
→文字にすると当たり前なんだけど、意外と意識しないと「同時にやらない」が実践できない
→他の人と移動しながらワールドを見て回っている時は置いて行かれないようにある程度先に移動してからあちこち眺めるように意識する
・イヤーマフモードや個別マイク音量設定をフル活用する
→インスタンスに人の塊が2グループ以上いたり、声がやたらと大きい人がいたり、生活音がバキバキに入ってる人がいたり、マイク音質がある程度以上怪しげな人がいたりしたら即断する
→特にイヤーマフモードは最大減衰倍率10%、減衰開始0.5m~1.5m(ワールドの作りで変動)、減衰最大化までの範囲1mくらいの強めの設定をする
→音の指向性が壊れていること自体が酔いの原因になりうるため、音声減衰が極端に弱い設定のワールドでは人の多寡に関わらずイヤーマフモードをONにしたほうがいいこともある
・必要に応じてワールド音量を低めorOFFにする
→特に銃声や重低音は積極的に切る
→ワールドBGMや動画プレイヤーでデフォルト再生されてる動画は最速でOFF
〇心がけ
・できるだけ負担の小さいワールドでキャラコンやポジショニングに慣れる
→移動操作や視界の取り方など、細かな「こうするとこう動く」の習得ポイント自体は多い
→一般的には「視点を移動する時に頭を振らない」といった形で説明されるけど、頭を振ろうとスティック操作だろうとそもそも視界を左右に振るの自体がめちゃくちゃ負担なので、その位置で視界を動かさなくても全体を見渡して会話ができるようなポジションを取る
・キツめのワールドにできるだけ行かない
→特に迷路や人狼系FPSなどの狭くて動き回るワールドは絶対に回避する
→遠くを見られない(狭い)ワールド、探索(=歩き回ること)が必要なワールド、見た目やかましいワールド、音のうるさいワールド、脳にしんどい銃声がするワールド、乗り物系ワールド、背景が動き続けているワールドなど
→ぶっちゃけ期間限定の催し物系ワールドは大抵キツい作りになってる
→車窓から覗く風景が動き続けている電車内ワールドなどは条件次第で30秒ほどで酔うので可能な限り回避する
→高いところからの落下とかはいつまでたってもキツいので、できるだけ普通に降りたりRespawnを利用したりする
→VRマンボウはFPS系がことごとくまともに遊べないので、大人数でゲームワールドで遊ぶ流れの時は観戦だけで楽しめる心を養っておくと便利
・強制移動系やビックリ系やユーザーイベントへのお誘いを可能な限りすべてお断りする
→ユーザーイベントへのお誘いはありがたいんだけど、人が多い(多方面から声がする)環境はそれ自体がマンボウにとって致命傷になりうるので参加できないんだ……ごめん……
→他人を掴んで動かせるやつとか飛ばせるやつとかそういうの全般を「ごめん本当に酔うからやめてほしい」とお断りする
→乗り物系は全部スルー、友達がきゃいきゃい楽しんでるのを後方腕組みベガ立ち人間になって楽しく眺める
→ビックリ系は視界演出か音演出のどっちかが入るのでホラーかどうかに関わらず脳への負担が大きい
→ホラー大丈夫な人の「ホラーじゃないよ」は98%くらいの確率で”「こんなのホラーのうちに入らない」という自分ルールで線引きされていて実際は演出自体は入ってるパターン”なので絶対に信用しない(最近流行りの『8番出口』がわかりやすい例)
このあたりを怠ると5分とか10分とかでVR酔いでダウンするので細かなケアは大事だなと思います
ワールド巡りとか好きなんだけど大抵どこかでキツいワールド引くので寝る前にちょろっととかになりがちです
Q.なんで酔い止め飲まないんですか?
A.突発的にVR入りたい気分になった時もいちいち飲まないといけないのが億劫すぎて酔い止めの在庫が切れたタイミングでVRに入らなくなるのが目に見えているので……
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