わたしのアオハル ゲーム
時は1980年代。仕事を休み、時には大学を休み、その列はできた。ゲームソフトを買う為に。型はファミリーコンピュータ第3世代。そのゲームソフトは、わたしの叔父のお嫁さんの妹さんが持っていた物だ。そのソフトを叔父が借りていて、祖父の家に行くと、それを、わたしや従姉妹はプレイしていた。 当時わたしは9歳。はっきり言ってまだ難しかった。しかしワクワクが止まらなかった。
そのゲームソフトの名は『ドラゴンクエストIII』
ロールプレイングゲームだ。
旅に出る勇者の名前や性別は自分で選べる。仲間も自分で作れる。仲間の名前、性別、職業、そして貰える種を食べることで、性格や各スキルに反映される。自分で作り出したパーティーと共に、いざ!出陣!なのである。
その『ドラクエIII』は、叔父も、従姉妹も持ち主である親戚のお姉さんも誰もクリアしなかった。皆アリアハン(最初の町)止まりで、まさか、親戚の中でも下から2番目の9歳のわたしが挑戦するとは思ってもいなかった。物語を進めるにつれ、分からない時はクラスメイトの男子に教わった。放課後には近所の男子も読んでプレイした。そして、生まれて初めてゲームの攻略本を買った。自分で調べて進める。苦労をしながらゴールドを貯め、防具や武器で強化し敵に挑む!戦いに勝ちスキルを上げ、新しい呪文を覚えたり(当時、呪文はまるで英単語の活用形までもを覚えるかのように覚えた)、攻撃力が上がったりする。職業によって色も違うから楽しい。パーティーの固め方も、防御型、魔法に特化した型、攻撃型、バランス型など自分で作れるのも楽しい。
わたしのパーティには決まって、武闘家の女の子を入れていた。武闘家の魅力は素早さと素手での攻撃力。個人的には9歳のわたしには、ビジュアル的な面で武闘家の女の子が可愛かったのだ。黒上で長めではないツインテール。キリッとした勝気そうなフェイス。この子を主人公の勇者並みに大切にしていた私は、彼女を先頭にして歩かせていた。武闘家、勇者以外のパーティはその時により違っていたが、レベル20で転職でき、且つ転職できる時には新たに、回復魔法◎攻撃魔法◎と、いう‘賢者’という職業があったので、賢者もパーティには居たように思う。
クエストを進めていく中で次のダンジョンに進む為には、各ダンジョンのボスキャラを倒していく訳だが、それにも物語があり、楽しめた。かなりの時間、ドラクエIIIで旅をして、なんとなく世界地図も(地名は違うが)覚えたりした。何とこのゲーム表面と裏面があり、9歳の私は単純に表面でクリアだと思って挑んだ表面のボス、バラモスとの対決では、何度もバラモスと対峙しても勝てなかったが、まさか、バラモスを倒すヒントをくれたのが、たまたま横にいた父親のテキトーな発言だった事を今でも忘れない。その日、隣でゲームを一緒に見守っていた弟、その側にただ何となく居た父。バラモス戦佳境、何か良い呪文は無いだろうか?と迷った時に何の知識もない父に聞いてみると、「ラリホーってやつだな」。ラリホーという呪文は敵を眠らせる呪文。バラモスを倒すのにひたすら、守備、攻撃!としか考えていなかったので、まさかラリホーで眠らせるという発想は無かった!ラリホーを唱えるとバラモスは眠りに落ち、その間にひたすら攻め!!!
ついに!!バラモスを倒したのであった! 隣にいた弟もめちゃくちゃ盛り上がっていた。
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