見出し画像

主婦ポリ番外:NY知事クオモ会見(3.28)

もうずっと家に閉じこもって、学校も無い、出かける仕事も無い、拠り所、メリハリがなく、自分が何処にいて、今がいつなのか、分からないでしょう。

あなただけじゃないです。今日何曜日か知ってます?今日は土曜日ですよ。「どれくらいこうやっているだろう」って思いますよね。実はそれほど長くない。

NY州最初の陽性が出てから27日。学校が閉まったのがたった10日前。完全ロックダウンは8日前。

中国のケースは12週間前、韓国は9週間前、イタリアは8週間前です。そんな感じです。気を長く持って下さい。

————

人工呼吸器。
災害の度に思いもよらない特別な何かが「足りない足りない」とかき集めてる自分がいます。ハリケーンサンディーの時は1000台以上の携帯発電機。700マイル以上分の砂袋。

今回は人工呼吸器です。

先日話した大統領令のDefense Production Actが発動、国資本で人工呼吸器の製造ができるようになりました。(*GMが名指しで製造を委託されてましたね)これを発動した大統領は正しい判断だったと思います(*普段悪口ばっかりいってますがちゃんと褒めるところは褒めるんですよね)。

4K台連邦政府から送られて来ましたがこれはAPEX(ピーク時-14~21日後に来るとの予測)の為にとって置きます。

今私達が全力でやっているのは「最悪の事態」APEXへの備えです。ラムズフェルドの言葉を借りれば「戦争は実際に持っている資源で望むもの。持っていたいと心に描く資源で、では無く」(you go to war with what you have, not with what you need)です。ピークは今ではない。

(*私見です。マンハッタンやクイーンズの病院で既に人工呼吸器が全く足りていない、というレポートも出ています。連邦政府からすでに人工呼吸器が来ているならなぜそれを解放しない、と、文句が来ているのかも知れません。これはそれに対する応えで、今日の会見中何度も何度も今はAPEXに向かって備える時。まだ解放する段階ではない、と繰り返し話していました。「今現在物資が足りていないと言う現状は無い」と言い切っていて、私が他のソースで見る現場の悲鳴(←タイムズのレポート映像です)と隔たりがあるように見えますが、言葉を変えればそれは現場の医療スタッフに対する「そこのカオスは計算内、ある所にはある。いつか届くから辛いが耐えてくれ。」というメッセージとも私には取れました。スケジュールでは月曜日にマンハッタンJavitsセンターとブルックリンBk Cruise Terminal一部の解放、米海軍病院船到着で計2600ベッドが使用可能になります。—ブルックリンのサイトとは600ベッド解放予定。今日の朝承認が出て月曜日まで2日で仕上げる気なんですね。軍隊って凄い。)

必要なのは30Kの人工呼吸器です。

バックアッププランはbag valve maskというマニュアル人工呼吸器です。24時間誰かが付き添って手動でこのバルブをパンプするというもので、7K個入手し、州兵にこれの取り扱いの訓練をさせていますが、これはできれば使いたくない。だからこれからも必死で人工呼吸器の収集を続けます。

画像1

————

近況。

ベッドの確保は順調。

PPE、短期分あるが、変わらず集めている。CDCが「災害時のガイドプラン」を提示しているがそれが医療スタッフを守るという意味で事足りるかどうか(多分、取り替える頻度数が低くてよい、というガイドライン)、NY州独自にDr.Zackerが検討しています。不十分となった場合には独自のガイドラインを作成します。

医療スタッフ。州民の応答で72Kのリザーブ人員の確保となりました。素晴らしい事です。

病院ごとのネットワークを強化して、統合した一つの病院として機能させてほしい。スタッフ、患者、医療機器を共有できるように。それを各地域で統合、その統合システム更に州内で大きなシステムに統合したい。

画像2

ドラッグストアにデリバリーを無料でするように指示。

ニューヨーク市内の公園の様子を市長デブラジオから順次報告受けています。DOHがモニターしていますが、人の密度がなかなか下がらず、集団スポーツをしない、という規則も守られていないようです。これが続くようならば、公園を閉めなければなりません。真剣にこのルールを考えて下さい。

特効薬になるかもと言われているクロロキン(Hydroxychloroquine)とジスロマックス(Zithromax)は現在テスト中。1100件の検査が行われています。

特設病院の一つ、マンハッタンのJavitsセンターが月曜日に開きます。州兵と陸軍工兵隊が1週間で仕上げました。1000台のベッドです。彼らは災害時の救世主です。心の底から私の感謝を。

米海軍病院戦第二マーシー級「コンフォート」が月曜日に到着します。こちらもベッド1000台、1200人の医療スタッフ、12室の手術室、薬剤局、研究所を搭載しています。

昨日お話ししたフェーズ2の特設病院サイト4カ所が大統領により今朝承認されました。
ブルックリン : Brooklyn Cruise Terminal
クイーンズ : Aqueduct Racetrack
スタテン島 : CUNY Staten Island
ブロンクス : New York Expo Center
フェーズ2各特設病院に1Kベッドで計4Kのベッドです。

画像3

昨日から今日にかけて見つかった新しい仮設病院サイト。
-South Beach Psychiatric Center - Staten Island (260 Beds)
-Westchester Square - Bronx (200 Beds)
-SUNY Downstate (University Hospital) - Brooklyn (250 Beds)
-Health Alliance - Ulster County (235 Beds)

画像5

FDAからNY Department of Healthに抗体検査の許可が下りました。これにより新コロナウイルスに感染し、回復した人に免疫ができているか調べる事ができます。(数日前に話していた、新コロナを乗り切って免疫ができている人から通常の生活に戻ってもらう、と言う早期経済復興計画の第一歩。更に回復者からの抗体が患者に効くのかのテストも展開できます。)

米国大統領選挙の予備選を4/28日から6/23に延期します。元々ニューヨーク州では大統領予備選(4/28)と州/連邦議員予備選(6/23)が別々の日程でこれを統合したいと私は前から主張していましたので、この変更はスムーズに行くでしょう。

収税の確定申告の締め切りは7/15に延ばします。税収が3ヶ月ホールドとなり、州に取っては痛い決断ですが、州民のことを考えればこうするしかない。(*この辺のやんわり恩を着せる感じが流石の政治家です)

検査 155,934(前日比+17,412)(対人口世界一)
陽性 52,318(前日比+7,681)
死亡者 728 (前日比+209)
入院 7,328(前日比+847)
人工呼吸器使用(ICU) 1,755(前日比+172)
退院 2,726(前日比+681)

(*ここで他州との比較を出して、NYの被害の甚大さ-カリフォルニアの10倍以上-を強調し、NYが何処よりも早く被害を受けている事、NYが連邦政府からの援助を他の州より受ける意味-各州違うタイミングでAPEXが来るので、それに応じて援助を集中させるべき-を説きました。)

(*そして更に私見です。14日から21日後の医療システムへの負荷の最大時(APEX)には多分100万人の感染者を予測しているのだろうと思います。必要なベッド数が14万、人工呼吸器が3万。感染者の15%が入院、そのうち3%が重症化してICU(人工呼吸器装備のベッド)行きとの予測ですので逆算すると100万人の感染者予測、となりますね。)

新しく使用された人工呼吸器の数が昨日激減しました。一日のデータにそこまで希望を持つ訳ではありませんが、いい傾向と言えます。新規入院者の数も過去三日間減少しています。繰り返しになりますが、全体の傾向を2−3日では決められません。楽観視している訳ではありませんがデータはデータです。政策を決める基盤ですのでここでお伝えしています。

画像4

死亡者。今日までで728人。悲しいニュースです。長い間人工呼吸器を付けている患者さんは助からないという傾向があります。これは新コロナに限りません。

————

ベーシックの確認。
●手荒い-hand sanitizerと同様に効果的です
●顔を触らない
●他人と6フィート(1.8メートル)距離をとって
●「これでオッケ!」と思わない-面倒でも毎日忘れずに

————

医療機器買い上げのコンソーシアム設立。
人工呼吸器がこの騒動で値上がり。一台$25K(250万円)から$45K(450万円)に。これは各州が競争して人工呼吸器を買いあさっており、値段がつり上がっていると言う事です。重要/供給のシンプルな市場変動です。これに更に連邦政府もストック用に買収に参加しており、一日の中でも値段が変わるという事態が起きています。連邦政府が一手に買いとるコンソーシアムを設立するか、州連合を作りその協会で一定に買い付けるか、どちらでも良いですが、これは今後、全国を襲う災害が来るときのために早急に向き合わないといけない問題です。

————

検査。
陽性か陰性のテストに加えて、抗体検査も含め、大量のテストキットが必要。5日経たないと結果が分からないようでは遅すぎる。FDAやCDCは認可のプロセスをスピードアップして新しいテストを導入するべき。早急な経済復興は検査無しでは不可能です。

————

最初にも言いました。この新しい現実は突然もの凄い勢いでやって来て、誰もが困惑しています。そしてこれは短距離走ではなくマラソンです。言葉通りこれが新しい通常です。

何か今でしかできない事を見つけて下さい。

様々な人が新しいプロジェクトを始めたと教えてくれます。家のペンキ塗り替えてる、自分で本を書いている、読書をしている、日記を付け始めた。時間はたっぷりあるんだ。家族と、一緒に過ごす、たっぷりの時間。私も娘といい時間を過ごした。こんな事今まで無かった。何時間も、家族と、話す。過ごす。実はこれは大事な事なのではないかと感じています。

もちろん手放しでエンジョイせよという訳ではありません。でも私達はこの試練を乗り越えた時より良い個人となっている事は間違いありません。


いいなと思ったら応援しよう!