「青い目茶色い目」、エリオット先生
Jane Elliott on Jimmy Fallon.
6/1のアメリカの深夜トークショーの一つ、ジミー ファロンに「青い目茶色い目」のジェーン エリオット先生が出ていました。短いインタビューですが彼女の凄さにぶっ飛んだので訳します。
その前にまずはこちらを。1968の彼女のこの授業。キング牧師暗殺のニュースをきっかけにこれをやろうと決意したそうです。白人のみのクラスを青い目の子、茶色い目の子、で分け、片方がもう片方より優れているとし、優遇する、というもの。差別される人の気持ちを分かってもらう過酷な授業です。
このエリオット先生は現在87歳。人種差別問題が国内で盛んに語られる今、また引っ張りだこでいろんなインタビューに出ています。ほかのビデオでは
「私はeducator。ラテン語dūcō=導く、接頭辞e=外に、接尾辞ate=する、接尾辞or=する者。educatorは人々を無知の外へ導く者。私はそれをやってきました。」
と一気に一息で言う(笑)
凄い迫力です。
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ジミー:貴女のことを知らない人の為に、貴女のやった事を説明して下さい。
エリオット先生:白人の生徒を青い目と茶色い目、彼等が自分では変える事のできない身体の特徴によって分け、そのようなもので差別される気持ちを分かってもらう授業をしました。まずは一日目は茶色の目の生徒を優生だとします。より賢く、より信心深く、より良い人間だと設定します。なぜなら青い目にはメラニンが少なくより多くの太陽の光が目を通して脳に届き脳を破壊するからです。こんな事、納得できます?
ジミー:いいえ。
エリオット先生:この事を学ばなければいけないんです。産まれながらの体の特徴が優劣を決め、白い方が良い、と言う理論がまやかしである、という事を。
ジミー:白人同士で差別問題について会話を持つにはどうしたらいいですか?
エリオット先生:最初に白人が知らなきゃいけないのは「白人なんていない」という事です。タンザニアに産まれた先天性白皮症の者がどうなるか。ここでは話しませんが酷い事になります。我が国ではその逆で、白人以外がカメラの前で虐殺される、という事になります。
白人が有色人種に絶対に言ってはならないのは
「私が人を見る時、黒人(black)とか南米人(brown)とかインディアン(red)とかアジア人(yellow)とか、色は見えないのよ(I don't see color)。人は人だもの。」
これです。
この国では教師までが生徒にこんな事を言う。
「I don’t see you as black, brown, red or yellow」。
そこに白は入らないんです。なぜなら白でいることに問題は何もないから。
(白人の)貴方に、「貴方をblackとして見ない」と黒人に言う権利は無い。
「私は(人種)色盲だ(I'm color blind)」と誇らしげに言ったりする。私は言ってやるんですよそういう人に、
「色盲だって知ってた!だってそうじゃなかったらそのシャツとズボン、合わせないよね!」
怒るのよそうすると(笑)
「私は(人種)色盲だ」だの「貴方をblackと見ない」と黒人に言う人は、こう言っているんです。
「私は貴方の最大の臓器である皮膚を無視する自由を持っている。」
皮膚の色が見えないと言うなら、その人が見えていないと言う事。
このフレーズを頭から消した方がよい。
ジミー:(青い目茶色い目の授業を)いつ始めたんですか?
エリオット先生:キング牧師が暗殺された次の日です。彼は2月に「私達の今月のヒーロー」と言われ、4月には死んでいた。私は次の日のネイティブアメリカンについての授業の為、ティピを用意してる所でした。妹から電話がかかって来た。
「テレビをつけて。また殺されたわ。」
私は「私達が次に誰を殺したの?」と返した。だって、私達はその頃右に左にと殺していたから。
「マーティン ルサー キング ジュニア」
って言うの(涙)。世界が止まったみたいだった。ごめんなさいあの時のことを思い出すと泣けてくる。世の中がどうなってるか良くわかった瞬間だった。だって、彼は、黒人だけじゃなく、私達全員にとってより良い社会を作ろうとしてたのよ。その彼を私達は殺したの。なぜかって?彼とマルコムXが近くなり過ぎていたからよ。彼等が協力すれば本当に社会は変わったと思う。だから彼等は死ななければならなかった。だから殺された。次の日学校でキング牧師が殺された事を生徒にどう伝えるか分からなかった。なぜ彼が殺されなければならなかったのか。
夜にテレビを見た。3人の黒人リーダーに白人司会者が聞いていた。「我々のリーダーが撃たれたときは、彼の未亡人がしっかりまとめてくれた。これから君たちを誰が指導して行くんだい?」ですって。
そんな事をこの黒人達に聞くのかと、あまりのショックにチャンネルを変えたの。そうしたらまた白人の司会者が黒人達に
「君たち黒人(ニグロ)は我々に同情すべきじゃないのか?君たちの怒りや悲しみに同調してやってる我々に。」
などと言っている。その瞬間に私は決めたの。明日はネイティブアメリカンの授業じゃなくて、自分が黒人の子供になって見る授業にするって。
その授業をしたらどんな事になるか分からなかった。分かっていたらやらなかった。私は友達を全員失った。一人残らず。教師として私と話してる所を見つかったら大変な事。私は「ニガーラバー」と呼ばれたから。私の両親は経営していたホテルを失った。私の子供は唾をかけられ、持ち物を壊され、口で罵られ、暴行を受けた。同級生に、先生に、同級生の両親に。「お前の母さんはニガーラバーだ」と言われ。
ジミー:どうやったら差別をなくしていけますか?
エリオット先生:自ら学ぶ事です。学校では学びません。学校では一定の世界観を受け付けられるだけです。学校で得たものを使って、自ら学ぶのです。
(Educate yourself! You didn’t get educated in school, you got indoctrinated in school. Now use what you learned in school to educate yourself.)
ジミー:人々に一番伝えたい事はなんですか?
エリオット先生:この地球上で人種は一つであって欲しい。人間という人種。私とあなたは30代ー50代も遡れば確実に同じ家族です。私達の祖先は同じです。30万年、50万年前、私達は一つの人種。皆黒人でしたよね。白人が存在するのはその黒人が移動し赤道から離れ、寒い、太陽光の少ない地域に順応したからでしょう。違う人種になった分けではない。同じ人間が環境に適応して外見を変えただけです。