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主婦ポリ番外:NY知事クオモ会見(4.16)

概要:自宅待機令PAUSE法5/15間での延長。マスク着用の知事令。今までのニューヨーカーの自主的行動規制を讃えた。

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総患者数減少。約1万8千から1万7千へ。

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Net新規患者数(同日の退院者数を引いたもの)マイナス。3日平均も同様に、マイナス。

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Net新規ICU患者(同日の退室数を引いたもの)、マイナス。

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Net新規人工呼吸器使用数(同日外れた数を引いたもの)、マイナス。

新規患者数横ばい、約2千名。

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感染拡大という猛獣を私達は制していると言えます。

悪いニュースは死亡者数。昨日の死亡者数は

606名。

4/10 783
4/11 758
4/12 671
4/13 778
4/14 752
4/15 606 (577病院/29老人ホーム)

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いつおわるのか?

Un-Pauseのプラン。完全に終わるのは12−18ヶ月後にワクチンが開発された時です。その開発にNY州は全面協力します。その他の治療法、特効薬を州独自で研究/開発しています。

ワクチン登場で収束するまでは
ーDo No Harm
気を引き締めて感染拡大をモニター、コントロール
ーSurge + Flex
局所医療負荷拡大の早期発見と増強
ーTest/Trace
検査/追跡。これは連邦が主に指揮を執るべき
ーPhased Return to New Normal
段階的なNew Normalへの移行

「段階的」?

食料スーパー、薬局、公共交通機関はPAUSE法下でも続行していました。これはこれらのビジネスが皆さんの生活に最低限「必要不可欠」なビジネスだからですね。

各ビジネスの「必要性」を、評価して次の段階を決めます。

必要性と同時に各ビジネスの営業環境も評価。公に対して、そして従業員に対して、営業時にしっかりとSodial Distanceを取る事が可能なのかを評価します。

この二つの変数から何処から、いつ、どのように、ビジネスを解放して行くかを検討します。

「必要性」=reward
「営業環境」=risk

の二つの変数で全ビジネスをこの表のように分け、感染拡大の状況を見ながら調整しつつバルブを開けます。

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このRisk v. Reward分析は隣州と共同で行います。

営業環境の改善
●どれくらいテレワークが出来るのか?
●Social Distanceを保ったまま営業できるのか?
これは従業員と顧客両方にです

これらを考える時、私はこの先私達が踏み出すNew Normalはより良いニューヨークだと思えてならない。私達はこの事でたくさんの事を学んだ。もの凄い代償を払った。これからの未来はより良い社会になるはずです。しなければいけません。

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検査

私達は今まで誰もやった事のないスケールで検査を製造/施行して来ました。その数50万件。カリフォルニア、フロリダ、ミシガンを全て足した数より多い。それを30日でやり遂げました。

しかし州人口は1900万人。社会人は900万人です。足りません。

場所、サプライ、試験所容量、化学原料獲得、問題は山積みです。

何度でも言います。連邦政府の援助は不可欠です。

検査の後には追跡があります。この為の人員動員は州では無理です。連邦政府が担当しなければなりません。

50州と連邦が全て連帯して完全なシステムを作らないといけません。協力して出来るはずです。

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医療システム強化

Surge & Flex
物資の共有システム、これは続けて行きます。

ニューヨーカーは恩を忘れない。ニューヨーカーは困った人は必ず助ける、と言いました。今日はNJに人工呼吸器100台を送ります。


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感染拡大抑制

感染拡大をどうやってモニターするかって?

そんなものは今の私達にはモニターできません。

できるのは「入院患者数増加曲線」のモニターのみです。分かりますか、これは人が罹患してから1週間以上たった後の事象です。

高度な検査のみが「感染」そのものをモニターできます。

ファウチ博士によればこのウイルスは感染速度がとても速く効率がいい。感染スピードが速いウイルスなのです。

それを受けて各機関はあの恐ろしい感染曲線を予想していました。3/13のCDCの予測では1.6億~2.14億人が感染すると予測していました。米国人口は3.28億人ですから、人口の1/2~2/3が感染するとの予測でした。入院患者数予測は240万〜2100万。国全体でベッドは92万5千台しかありません。絶望的な予測です。

ホワイトハウスも、他の各機関も恐ろしい予測を出していました。たった1ヶ月前ですよ。

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Infection Rateに注目しましょう。
一人の感染者が何人に移すか、という数字です。この値が1未満なら感染は縮小、1なら一定、1以上なら拡大します。

過去や予測のベースとなったinfection Rate
横浜港ダイアモンドプリンセス = 2.2
武漢 = 2.0 ~ 3.0
1918スペイン風邪 = 1.4 ~ 2.8
「NY州最悪予測」= 1.4 ~ 1.8
「NY州緩い予測」= 1.2 ~ 1.45

現在NYの実際のinfection Rate
0.9

厳戒令ロックダウン後の武漢
0.3


現在0.9のNY。また感染が爆発的に拡大するのが1.2だとしたらあまり余裕はありません。ギリギリです。

NY PAUSE法は効果がありましたが、もう少し続けてInfection Rateを下げないと再開は無理です。

PAUSE法を他州と共に5/15まで延長します。

その先の事は分かりません。データをモニターしてお知らせします。

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マスクの着用はとても効果的です。昨日発表したマスク着用の知事令に、批判が殺到しています。聞いて下さい。

こんな簡単な事で人の命が救えるんです。

「私の(自由に服装を選べる)権利の侵害が」と思うかも知れません。思い出して下さい。あたな自身の話ではないんです。誰かにうつしてしまう、という見地から考えて下さい。マスク着用を拒否する事は、その「誰か」の(健康への)権利を貴方が侵害する事になります。

公共交通機関利用の際は必ずマスクを着用して下さい。プライベートな交通も同じです。そして運転手も全員マスクを常時着用して下さい。

この知事令は金曜日午後8時に施行されます。

Infection Rateは「私達」が下げるんです。貴方が、私が、下げます。医療従事者ではない、フロントラインの従事者でもない。私達が下げるものです。

貴方の行動
貴方の自制
貴方の子供達への教育
貴方の他人への思いやり

これがInfection Rateを下げます。

マスクをしていますか?
手洗いをしていますか?
Social Distanceを保っていますか?
子供達に話をしていますか?
Hand Sanitizerを使っていますか?

つまらない小さな事ですが、これを全てしっかりやることで相当の効果があります。外に出るのを控えて賢明な生活を送って下さい。

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この未曾有の危機の固有性の中で、私に取って一番ポジティブで意外だったのは

ニューヨーカー達の反応でした。

この外出禁止令を出すのはとても辛い事でした。税率やら投票年齢などの告知では無いんです。家にいろ、マスクをしろって言うんですよ。政府が。

これを強制する力は政府には無いんです。

このような令に従うのは州民の皆さんにとってとても辛い事だと分かっています。それでも従って下さった。

貴方達を信頼しています。

事実を知れば、ニューヨーカーは正しい行動(’right thing')を自主的にするんだ、と証明した。そして状況を理解して前に進んだんだ。州を、国を前進させた。

これこそがNEW YORK TOUGH。

ニューヨーカーはこのタフさを歴史上のこの日にまた証明した。過去46日。毎日。毎日。

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(*訳者私見 'right thing'とは人種と文化と階級が渦巻くNYで一枚岩のコンセプトではありません。誰が、どの状況でという事で変わってくる、というのが一般的な感覚です。Do The Right Thingという映画もありましたね。どれが正しいかはある程度個人の裁量に任せてあります。今回それが一つに纏まっている、というのは凄い事だと思います。)


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