主婦ポリ番外:NY知事クオモ会見(4.9)
概要:昨日に続きコロナ被害の人種差を言及。ウイルスは差別をしないのに、低所得層=有色人種ばかりがより多くの代償を払う。この災害を超え、より良い社会にするにはここをしっかり見据えるべきと主張。
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今日は木曜日です。お知らせしておきます。毎日同じで分からなくなりますから。
PAUSE法から18日です。
NY最初の陽性発見から39日。
米国最初の陽性発見から80日。
3/31付けの連邦政府の予測では
150万人~220万人(最悪のケース)
10万人~24万人(最良のケース)
の犠牲者。
NYは複数の入院者数(ベッド数)予測モデルを参考にしています。
13万6千(コロンビア大,3/29予測)
5万5千〜11万(マッキンゼー)
7万3千(ゲイツ財団IHME,4/1予測)
NY州の平常時医療システム許容量は5万3千(市内3万6千)。
現在は1万8千人が入院。
医療機関の甚大な容量増幅の努力と連邦政府の援助で、許容9万まで上げました。
知事としてのモットーは「最悪の事態に備え、最高の事態を望む(prepare for the worst, hope for the best)」ですから、私はいつでも最悪ケースを見ています。
9万ではマッキンゼーの「最悪ケース」には届きません。コロンビア大の予測には全く無理です。
PAUSE法を出す前はSocial Distancingがどれくらい効果があるか、専門家にも分かりませんでした。誰もやった事が無いのだから当然です。しかし、私達は曲線の平坦化に「今のところ」成功しています。
昨日の数字は一昨日以前の私達の行動の鏡です。「ああ、減速した。これでもう大丈夫だ」と思ってしまっては元の木阿弥。このチャートをお見せしたのは「最悪ケースの数値に私達は対応できない」という事を分かってもらう為です。
(*医療システム拡大、需要/供給の供給サイドの政策はやるだけの事をやった、と言う事です。需要/供給の需要サイドの低下を続けるしか道はない。)
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新規入院、新規人工呼吸器使用、全て下がっていて、曲線の平坦化に成功していると言えます。厳戒令を出せば良いと言う訳ではないんです。効果があり、そして皆さんが無理無く自主的に従えるレベルの禁止令でなければならない。その社会的擦り合わせにNYは成功していると言えます。
私達は一つになって、人命を救っています。
このウイルスを見くびってはいけない。このウイルスは強敵です。昨日の死亡者数は
799名。
過去最高です。新規入院者が減少している中で死亡者数が上がるからくりは分かります。長い間人工呼吸器につながれていた患者さんが力つきて亡くなっているという事です。分かるんです。でも、799。
4/3 630
4/4 594
4/5 599
4/6 731
4/7 779
4/8 799
葬式関係の役所員を増やさなければならない状況です。知事としてこんなオーダーを出す事になるなど、夢にも思いませんでした。私は9/11を体験しているんです。2,753の犠牲者。あの時に「こんな事は2度とあってはならない」と心に誓った。現在新コロナでの犠牲者は
7,067名
言葉もない。9/11の時だって「こんな痛みがあっていいのか」と思った。いま、この無音の爆弾が9/11の時と同様の偶発性と凶悪性を伴って瞬く間に広がった。
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なにが出来る?
New York Lovesプログラム
州政府外部からの寄付や慈善活動援助を統合し、適所に配分するプログラムを立ち上げました。
罹患者の人種差を見据えましょう。黒人/ヒスパニック系により多くの罹患者が出ています。様々な理由がありますが、どれが、どの位作用して、それを改善するには何をしたらよいのか研究します。
(*数日前からこの人種間の影響差はとても深刻な話題となっています。昨日から知事はこの事に言及し始めました。
ミシガン州とイリノイ州
黒人人口割合14~15%
新コロナ死亡者黒人割合41%
シカゴ
黒人人口割合30%
新コロナ死亡者黒人割合70%
ルイジアナ州
黒人人口割合33%
新コロナ死亡者黒人割合70%
NY州
黒人人口割合9%
新コロナ死亡者黒人割合18%
他メディアの説明によれば、貧困層の
-基本疾病(糖尿病や喘息などどれも後天性の環境/生活習慣原因の疾病です)
-住居(都会の人口密集地)
-勤務先(公務員や公共交通機関勤務が多く、多くの人と接したり、災害時でも休めない仕事)
などが原因として上げられ、こういう様々な原因の何がどれくらいこの被害の人種差に繋がっているのか、これを改善するにはどうしたら良いのかの研究を進めたい、という事を知事は言っています。)
検査、迅速検査の普及は社会生活復帰への架け橋です。今は赤信号。いきなり青信号にはしません。黄信号、だんだんと戻れる人を選別して行くのが検査です。
治療、血清療法。COVID-19から回復した人からの献血を募集します。
www.nybc.org/cpdonor
献血して下さる方はここにコンタクトして下さい。
1918のスペイン風邪は第3波までありました。私達は今第1波です。これからも同じ事が起こり得る。そのときの為に準備をしておかないとなりません。武漢、シンガポール、香港など、事態が少し収まって政府が規制を緩めた後にまた症例が出始めているというレポートがあります(LA Times)。第2波が始まっている所が既にある。
ダメージを回復しないといけません。経済/貧困/住宅事情/医療システム/栄養学。
(*NY州の失業保険は$600(6万6千円)/週です。「これがあるから自宅に籠っていられる」と言う人が私の友達にもたくさんいます)
連邦政府の援助を待っています。州予算を組む前に連邦議会からNY医療システムへ、と言われていた援助額は$6 bil(6000億円)。可決案では額は$1.3 bil(1300億円)。さらに1/3のメディケイド(低所得者用の公保険) 加入者を除外。
これでは何も解決しない。いま政治活動の入り込む余地はないんです。
メンタルヘルスホットライン
1-844-863-9314
このロックダウンで家庭内暴力の件数が上がっています。自分はメンタル大丈夫、と思っていても、実は鬱が始まっていたりします。
ホットスポットの移動を予測して、先に物資を送るようにしています。ウイルスより先手をうたなければなりません。
少しいいニュースだからと言って、霧を抜けたと思わないで。気を抜けばあの曲線はまた歪みます。「最悪ケース」に相対する準備は不可能です。私は「no」を言わない主義です。ニューヨーカーにできないことは無いといつも言って来た。でも、今回はnoです。最悪ケースの対応は無理だ。
「出来るだけのことを出来る限りやった」という言う事でしか私は夜眠る事ができない。あの死亡者数を見て、私が立っていられるのは、しがみつけるのは、そこだけです。
みなさんも出来る限りのことをやってください。
stay at home
save a life
あなたの行動が、現場の医療従事者に、あなたの愛する誰かの命に関わること、忘れないで。
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