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主婦ポリ番外:NY知事クオモ会見(4.17)

概要:より良い社会の再建に何を目指すのか。個人的にこの自宅待機で何を学んだのか。本当に大事なことは何なのか。

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総患者数。また下がりました。

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楽観主義者は平坦から下り坂に入ったと言うでしょう。悲観主義者はまだまだ頂上だ、と言うでしょう。そんな感じです。

Net新規患者数は、マイナス。三日平均も同じく。

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Net新規ICU患者数も、マイナス。

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Net新規人工呼吸器使用数、マイナス。

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退院者数を引かない一日の新規患者数。約2000件で横ばい。多少の上下ありますが、これは数週間横ばいです。問題ですね

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昨日の死亡者数は

630名。

4/11 758
4/12 671
4/13 778
4/14 752
4/15 606
4/16 630 (590病院/40老人ホーム)

なかなか劇的には下がってくれません。

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Un-Pause NY
新しいチャプター。

12−18ヶ月後と言われる、ワクチン開発で初めて収束となります。それまでに効果のある治療法の開発も進められています。

それまで

Do Not Harm
感染率を制御
Surge/Flex
医療機関の増強
Test/Trace
検査と追跡(連邦)
Phased Return
段階的な「新しい日常」への解放

私達は今この疫病を行動自粛をもって制御しています。ここに安心感を感じて下さい。私も個人的に感じています。当初「これだけやっても制御不能だったらどうするんだ?」という不安がありました。その不安は払拭されました。

政府でなく、専門家でなく、一般州民が、制御しています。

感染率(Infection Rate)は今0.9です。(*感染率に関しての説明は先日4/16日の会見を参考にして下さい)

今までは「感染率の減少」「医療システムの増強」をしてきました。フェーズ1です。

これからフェーズ2に向かいます。


フェーズ2は再開プランです。
一般的なアウトブレイクは感染率1.2ですので、現在0.9の私たちにはあまり余裕はありません、。Do No Harm、気を引き締めて下さい。

検査・追跡・隔離。

財源の安定化。

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検査は大きな課題です。今現在フェーズ2に十分なスケールで検査をするシステムは存在しません。実現に向けての具体的な政府努力はフェーズ1で医療システム増強で行った時のものと似ています。あの時は公立/民間病院のシステム統合を行ないました。前例の無い大変な作業でした。今回も同じです。

州内にはウイルス検査をできる試験所・病院が301カ所あります。それらは全て民間の機関です。それらを州政府の指揮下に置く。それが出来たとします。試験所は民間で製造される検査を取得、検体を収集。そしてその検査には化学薬品が必要です。この化学薬品も民間から買うことになります。それはどこかと言えば、やはり中国です。国境を越えてしまうと州政が出来ることは極端に制限されます。連邦政府との連携がここでも最重要です。

州にできることはやります。州衛生局の指揮下で件の民間試験所を統合するよう、知事令を出します。連邦政府は連邦政府にしかできないエリアでの援助をお願いします。大規模検査キット生産やその実地、国際的なサプライチェーンの確保は州には無理です。もう一度。不可能です

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財源確保

過去に人工呼吸器に起こった事がまた起ころうとしています。限りある検査キットを州と連邦政府が競い合って買い占めています。

今回のクライシスで連邦政府は3つの経済援助法を可決しました。

条件なしの州政府への経済的援助は寸分違わず

ゼロ、

です。無。ゼロ。

「州政府がやれ」「州政府がやれ」と言われますが、予算がありません。

学校・病院・中小企業を支援するのに、予算がないんです。

「プランは州に任せる」「再開は州の指導で」と連邦政府は言います。正しい態度です。そこに異議ありません。経済援助をお願いします。予算がなければプランは立てられません。

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今私達は社会の変容の岐路に立っています。考えられないほどの痛みと苦しみを経験し、これから先の社会は絶対にパンデミック以前とは違うものです

どのようにしてそれをより良い社会にするか、逆に言えば今がチャンスなんです。より良い社会に向けての改革の中には、もう何年も「取り組まなければならない」と言われてきたものもある。政治の状況、世論の状況で中々手をつけられなかった問題。今、それに取り組む時です。

気候変動、格差問題、公共交通機関改善。

このような事を抜本的に改革するチャンスです。あの犠牲を払って何も変わらないなんて事があればそれは恥ずべき事です。

9/11も同じでした。あの後社会は変わったんです。より良い方向に。台風サンディーも。対自然災害のインフラが格段に強化されました。

このような改革は自然に起こるものではありません。いつも、いつでも「どうやったら新しい未来を?」と自ら考えて確実に実現させるよう努力しなければいけない。

例えば今回、「公的医療システム容量」が問題になりました。以前はそんなもの把握されていませんでした。公立/民間を超えてデータを統合することなど今まで無かったからです。

パンデミックのここまでの危機は初めてでした。今、私たちはこれを乗り越えて経験者となりました。この経験を生かさないといけません。このような事態は絶対にまた起こります。

テレワーク、安全な交通機関、安全な人間交流(握手?安全か?)。変えて行く事ができます。

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個人的な意見です。

社会の改革は今お話しした通りですが、私達個人はどうでしょう?

私には3人の娘がいます。22歳から25歳の間。ここ数年私達の関係はとての浅いものになっていました。みんな忙しい。「最近どうだ?」「何が必要だ?」「いつ会える?」とばっかり言っている。

この状況になってから彼女達とゆっくり話せるようになった。この時間を私は欲していた事に気づきました。子供達はもう小学生ではない。彼女達独自の複雑な生活を送り、複雑な感情をもって、複雑な状況に身を置いている。そこをひも解く時間がない。「忙しい」から。だから「どうだ最近?」「なんか必要か?」「次はいつ会える?」しか言えない。「忙しい」から、、。

今「忙しい」を言い訳にはできない。自分の人生で一体なにが一番大事なのかじっくり考える時です。家族でも、近しい友人でも、本当の意味で近しくなるには時間と意思が必要です。深い会話には時間がかかるんです。

娘達は知らないうちに大人になっていた。こんな事を考えていたのか、こんな複雑な感情があったのか、今、長い時間を共に過ごしてそんな数々の発見に驚いている。知らない間に遠ざかっていた。二度とこんなことにはさせない。

母に会いたいが会えない。私はこんな仕事だから様々な人と会う。こんな私が母に会いに行くのは御法度だ。この状況になる前、マンハッタンに住む母がよく「お茶でも飲みにこないか」と仕事中に連絡をくれる。「分かった。」とその場は言うが、大抵後から「やっぱり無理だ。仕事が長引いた」と断る事がほとんどだった。

今だから言える。そんなの間違ってる。

無くなって見るまで大事さが分からないこと。それが分かった。無くなってしまっている事すら気づいてなかった大事な事。それに気づけた。

そういう事を今回学んだ。

物理的には遠くなっているが、今、大事な人と精神的に近しく繋がる時です。

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