『石枕』永久欠番につきまして
今回、私が以前、今井雅子先生作『膝枕』の二次創作として書いた『石枕』を、永久欠番として封印させていただく決意をしました。
ことの事情を簡潔に話すと「あの界隈のある種の人たちとはもう付き合いきれない」と決意したからです。
ことの始まりは、私自身、あくまでライターであり、声のプロでも演劇の経験があるわけでもないのですが、「ぜひ市川大賀と『石枕』朗読をやりたい」と申し出てくださった方(以下・仮名Mさん)が現れたことです。
もともと『石枕』は、懇意にしていたフリーランスの声優(以下・仮名Pさん)へのアテガキとして書いたわけですが、それはあくまで概念の問題であって、作品自体は私の、もしくは二次創作元の今井先生の著作権の物であって、Pさんの物ではありません。
直接執筆し、管理している私に、誰にいつ演じてもらってもよいかの権利があると思います
その上で、Mさんと私は、12月某日にClubHouseで朗読を行いました。
もとより、物書きとしては多少の経験値を積んでいる私ですが、演技やボイトレなどはほぼ素人に近い自分ですので、観客の入りなどは最初から期待は全くしておりませんでした。
けれど、唯一事前に不参加のご連絡を頂けたのは、他ならぬ今井雅子先生からであり「その時間はラジオを聞かなければなりませんので拝聴できませんが、REPLAY(ClubHouse内の録音機能)をONにしておいてくだされば、後でお聞きいたします」と丁寧な伝言が伝わってまいりました。
そして本番です。当然、ほぼ無観客です。そこに不満はありません。
しかし、普段は「膝枕ファミリー」として、膝枕系の朗読には集まってる人たちも、なにより僕を「師匠」と慕ってくれていたはずのPさんも、誰も来ません。
部屋を畳んですぐ気づいたのですが、その日その時間は、実は今井雅子先生のラジオを、みんなで聞く部屋が開かれていて、そういった皆さんも、全員そこへ集中していたのです。
それ自体は当然だと思います。
「膝枕」という「現象」は今井雅子先生の作品世界が軸になっておられますし、膝枕ファミリーは、=今井先生ファミリーでもありますし、その上一番は、誰でもない今井先生ご自身から「今日は行けないですが、REPLAYで聞きます」とのお言葉を頂いているわけですから、これは大変筋の通った「状況」なのです。
ここまでの流れには、私は何も問題点を感じませんでした。
しかし、冷静になって考えれば、社会通念として違和感を覚えました。
その日その時間、私が『石枕』を公演することは、何度もTwitterのタイムラインで告知し続けてきました。
私にとって『石枕』は(作家は誰でも)子どものようなものです。
それが披露されるとなれば、うるさいぐらいの告知はします。
しかし、日々連絡をとっている、Pさんをはじめ、「膝枕チームの中心格」にいる、朗読を毎日続ける(以下・仮名Sさん)も、その他誰も「大賀さん、その日は今井先生の大事な枠があるので、ずらした方がよいですよ」とのアドバイスもありません。
それは私の「甘え」でしょうか?
事前情報がゼロで、誰もそんな他枠があることを、口をそろえて教えてくれないのです。エスパー能力を持っていない私は、事前に気付くことは出来ませんでした。
「なぜ、誰も一言も事前に教えてくれなかったのか」
それは、私にとって不可思議な疑惑になっていきました。
そのことを訪ねてみた時に、Pさんは一言付け加えました
「だって私、Mさんのこと好きじゃないし」
あぁそうか。“そういうこと”だったのか。
「仲間意識」というものは、こうした悪意を拡散解放させて共有し、一つの「正義」になってしまうのか、と。
でなければ。私の想像が妄想だというのであれば。
誰か一人、一人でもいいので「その日のその時間はさけたほうがいいですよ」と、口を滑らせそうなものじゃないのかな?
公演が終わり、ことの次第が終わった後に、私はさすがに落胆した呟きをTwitterにいくつか書き込みました。
当然、「一言の連絡ももらえずハブにされた」ことへの憤りも混じっていた。
すると翌日、SやPのTwitterでは「朗読で聞きに来る人が少なかったぐらいで不平不満を垂れ流すなど失笑者」テーマの「リプライ会話」が始まりました。
「僕なんて最初の頃は誰もいなかったよ」「そんなものですよね、それが当たり前」
まるでアマチュアが書いたロールプレイだ。
問題点は、論点はそこじゃない。
「お前ら」が「分かって」いて、しかし「誰一人として」「事前に状況を伝えなかった」ことと、「それを隠して日々私と、懇意のようにつながっていた事」の、人間的矛盾点を、私は指摘しているのだ。
しかし、まぁ、この手の話はどうせ平行線。
「あちら側」には「あちら側」の、理論武装と連係プレイと「正義の口実」は出来上がっているので、抗うだけ無駄だし、相手にするのも面倒だ。
そういう連中に割くエネルギーは、私は今は仕事に割きたい。
アマチュア素人さんを相手にプロレスをやってあげてるほどの暇は、今の私にはない。
加えて。
この件を大事にさせないためにも、これ以上の厄介事や面倒事にさせないためにも、拙作『石枕』を、早急に膝枕ファミリーとラインナップから消去し、穏便に問題を終息させる急務に駆られた。
理由はただ一つ。
たった一人。敬愛する今井雅子先生「だけ」が「その日その時間、聞けないけれど、後でREPLAYでちゃんと聞きます」と、筋を通してくれたからだ。
そういえば、そこまで別部屋が盛り上がってる中、お一人だけ、たまにClubHouseで交流させて頂いているプロの声優さんが聞きに来てくださり、最後は感想まで語ってくださった。
お二人に共通しているのは「プロである」という部分に尽きるだろう。
プロの方が礼を尽くしてくれた事案を、面倒事に発展させるのは、此方がプロのふるまいではなくなってしまう。
膝枕ファミリーには、アマチュア、セミプロ、プロ、様々な方が集まっているが、少なくとも今回、「事前に何も伝えずに、大賀の部屋を無視した挙句、後付けでエアリプ中傷会話」をした人達は、セミプロ以上の人はいないので、そういう人たちを相手に消費する時間を削るべきであると判断した。
重ねて何度でもいうが、私の『石枕』を生み出すきっかけを与えて下さり、発表する場を許してくださり、ご自身の大事な時間へのタスクを割いて一報くださった今井雅子先生には、最大限の感謝と敬意を抱いてこの一件を終了させたいと思う。
けれどまぁ、自分達の不義理、不誠実、慢心を棚に上げ、懸命な相互肯定で私への辱めを増長させた方々に関しては、遺憾の意を表させていただく。
最後になるけれども、わざわざこのnoteを書いたのは、伝聞やミスリードで歪んだ情報や私の意志が伝播されないためと、膨れ上がったコロニーの中では、こういうこともあり得るのだということを、今は平和な膝枕ファミリーの皆さんにも、危機意識を抱いてもらうためである。
重ねて、断じて「市川大賀は自分の朗読を誰も聞きにこなかったから、子どもじみた癇癪を起して怒った」等と、問題の本質をすり替えられたくないからである。
以上を以て、拙作『石枕』は、今後、改めての今井先生とのご縁や同意がない限り、ClubHouse内等での使用は封印させて頂きます。
今井雅子先生の、今後の発展を心よりお祈り申し上げます。
2021年12月22日
市川大賀