基本情報技術試験に合格するためにやった勉強
基本情報技術者試験という、IT系資格がある。
IPAの資格の中ではレベル2に位置付けられている資格だ。
レベル1のITパスポートは一般的な社会人を広く対象にしているものなので、基本情報技術者がIT系の職に就く人にとっての入門資格と考えていい。
この基本技術者試験については色々な意見がある。
・詰め込みの知識を問うだけだ
・浅く広く知識があることを確認するだけ
・よって、仕事には役に立たない
という意見が散見される。
基本情報技術者試験は役に立たないか?
実際のところはどうなのだろう。自分で勉強してみた結果、
「IT系の仕事をする上での基盤を確認する上で、とてもよくできた試験だ」
という感想を持った。その理由は以下の通り。
各分野で持っておきたい最低限の知識水準の指標となる
確かに大量の基礎知識を覚える必要があるのだが、知らないことは理解しようがないので、最低限の知識を脳に入力しておく必要はある。
この際、どの程度の知識が必要なのかを入門者が推測することは難しい。
基本情報技術者の試験を見て、ある程度なんの話をしているのかが理解できれば、IT系の仕事における会話の中で、基本知識がないことによる躓きは避けることができるだろう。「え、それ知らないの?」と言われることを回避できるメリットは大きい。
問題は最新の分野をカバーしており、ディープラーニングや量子コンピュータについても基本知識が出題される。IT業界のベテランでも、アップデートを怠っていると、人によっては思うように得点できないこともありうる。
結論としては、分野が広いので詰め込みのように思われるかもしれないが、それは最低限の知識水準なので、必要なインプットだと考えられる。
おすすめ書籍
・基本情報技術者の試験範囲を網羅した参考書
特徴としては、
・網羅性
・わかりやすいイラスト
があり、初心者が始めやすい内容となっている。
まずはこれを通読すると、試験範囲の全体感を掴むことができる。
一方で、個別分野の詳しい解説はなく、他の書籍で理解を深める必要は残る。
一読後はリファレンスとして見るくらいがちょうどいい。
*リファレンスとするなら、紙の書籍を買った方が見返しやすい。
*キタミ式とどちらかでいい。キタミ式はかなり分厚い。
ネットワーク分野を補強する
・ネットワークに苦手意識がある
・何が分からないのかも分からない
という人がネットワークの世界に馴染むためにはこちらがおすすめ。
・教授とキャラクターの会話形式
・1トピックを短く区切ってある
ので、精神的エネルギーを使わずにネットワークの基礎知識を学ぶことができる。
ネット上で無料で読むこともできるので、試しに読んでみてほしい。
ある程度ネットワークの世界に馴染み、体系的にネットワークを学びたい場合、こちらがおすすめ。
網羅性があり、丁寧な説明がされているため、それなりに分厚い。
ただ、これさえ読んでおけばネットワークの基礎については取りこぼしはない、という安心感はある。
一度で全てを理解しようとせず、まずは一読し、理解が十分でないところを繰り返し読むことで潰しこむのが良い。
データベース分野を補強する
データベース分野は決まりきったルールさえ覚えてしまえば、安定して得点できるので補強しておきたい。また、勉強しておけば午後問題でも得点源とすることができるので、コスパがいい。
・キャラクターの会話形式
・丁寧な解説
があるため、初心者も読みやすい。
網羅性があるため、それなりに分厚いが読み切る価値はある。
インプットに偏らず、過去問を解く
インプットばかりしていても、自分の現在位置が分からなく不安になるので、自分なりに「インプットを一周した」と思ったら過去問を解くといい。
過去問は買わなくても、基本情報ドットコムで全部解けます。
自分がどれくらい得点できるか知りたいのであれば、80問を通して解く。
苦手分野を強化したいなら、カテゴリーを限定して解く、などいい感じに使ってください。
「そんなのあったっけ」と思ったら、最初に挙げた栢木先生の書籍で索引を調べてみてください。だいたい載ってます。
全問正解する必要はない、6割が安定して取れればいい
合格点は6割なので、全問正解する必要はありません。
知らなくても仕方ないような細かい知識を問う問題も数問は出ますので、気にしなくていいです。
逆に、苦手な分野があると大幅に失点してしまい、6割取れるかどうかが出題の傾向に左右されてしまうので、満遍なく勉強する必要があります。
午後問題は個別の対策が必須
暗記で乗り切れる午前問題と異なり、午後問題は考え方を身につける必要があるので、個別の対策が必須です。
次の記事で書きたいと思います。