株主優待狙いの投資は効率が悪い ★お得度A★
今回は株主優待狙いの投資は効率が悪いというテーマについて書きます。
どうしてそんなことが言えるのかというと、僕が調べたからです。
500銘柄くらい見ればだいたいの傾向が分かります。価値がありそうな株主優待を設定している会社は500社くらいしかありません。
ダイヤモンド・ザイなどでは株主優待を含めた実質配当利回りのランキングを見ることができます。
実質配当利回りを見ると景気がいい数字が並んでいるんですけど、株主優待はヤフオクや金券ショップで買えます。ほとんどの株主優待は株主以外でも使えます。
例えば、ニトリは買い物が10%オフになる優待を配布しています。10万円までの買い物が10%オフになるので、株主優待の価値は最大で1万円になりますが、5万円だけ買い物をした場合の価値は5000円になってしまいます。
ニトリの株主優待を含めた実質配当利回りはいくらになるのでしょうか?
多くのサイトではニトリの株主優待の価値は最大の1万円とみなして計算されますが、1万円の価値が発生するのはニトリのヘビーユーザーだけです。
ニトリの株主優待もヤフオクや金券ショップで買うことができます。1000円くらいで買うことができます。いつでも1000円で買うことができるので、ニトリの株主優待の価値を再取得価額(さいしゅとくかがく)で評価すべきでしょう。
再取得価額で評価すると、額面から大幅に安くなる株主優待がいっぱいあります。実質配当利回りのランキングは当てにならないということになります。
こちらはニトリの日足のチャートになります。
最低投資金額は現在の株価×100円です。株価が18,000円の場合は180万円になります。1株あたりの配当は150円くらいで、100株保有すると優待が5枚もらえます。
180万円を投資しても年に150円×100=15000円と5枚の優待しかもらえません。今の株価は13350円くらいです。株を買う場所を間違えてしまうとこんなふうに大きく損をしてしまいます。
ニトリの株を買うよりも、ニトリで買い物をする時に必要な枚数を買ってきたほうが楽ですし、投資効率も良くなります。
ニトリの優待を1000円で買ってきて5万円の買い物をする場合のリターンはいくらになるでしょうか?
実際に計算をしてみましょう。株主優待は1000円で、5万円の買い物をすると1枚あたり5000円引きになるので、得する金額は5000円-1000円=4000円になります。
つまり、実質的な投資金額は5万円で、4000円のリターンになります。
年に3回だけ同じようにニトリで買い物をするとすると12000円のリターンになります。ということは、5万円の投資で12000円のリターンが発生することになります。年利に換算すると24%です。
株を買って年利24%のリターンを確実に実現するのは非常に難しいです。東大経済学部の教授でも無理ですが、株主優待を買ってくれば誰でもこれだけのリターンを実現できます。
株主優待を買ってきたら最低投資金額を低く抑えることができます。株主優待を再取得価額で評価した実質利回りが高かったとしても、その株を買えるだけのお金がないと意味がないです。
頭が使えればインフレなんて怖くないです。